田舎でお見合いしたらギャグだった

コロ星人

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お見合いに行きました

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 皆さんは田舎って聞くと、どんなイメージですか?
空気がおいしい、空が青い、野菜や魚などが新鮮。
 偶に旅行に行くぶんには、たまらなく魅力的ですよね。
でも、そこで生活するってなると、言葉では言い尽くせない苦労があるのです。


 ここは、さる地方都市。
 第二次世界大戦前までは、そこそこ栄えていた所らしいけど、今ではその面影はどこにもなく、市役所周辺や駅前など、人の集まる所以外は閑散としている、所謂田舎に成り下がった寂れた町です。

 おまけに、平成に流行った市町村合併により、10近い市町村が1つの市になった結果、私の育った町は市の中心部から大きく外れてしまって、ど田舎度合いに拍車がかかったような気がします。

 どれくらいの田舎度かというと、先ず公共交通機関であるバスが朝と夕方の通勤通学時間帯以外は運行されなかったりします。つまり、1日の運行本数は片手で足りるのです(そのバスも小型のものだったり、マイクロバスだったりします)

 あとは、シャッターばかりが目立つ商店街とかね。小洒落た店なんか殆どないし。欲しいものは専らネットで探すのが常識かな?
 それから人口の半分をしめるお年寄りの為に、スーパーの移動販売車ってのも週2くらいで近くの広場に来てるみたい。あ、昔、最寄りの新幹線の駅構内に野良犬が住み着いているのを、東京から遊びに来た友達に見つかって声も出ないほど大爆笑されたっけ。 

 田舎故、この街で暮らす為には1人に一台自家用車がいるんです。市町村合併で市内の面積だけは異常に広くなったからね。
 あ!市の面積が広がった事で、市内にはJRの駅が15近くあるんだよ。まぁ、その中で駅員がいるのは、たったの5つだけどね。自慢じゃないけど、田舎あるあるを言わせたら夜が明けるほどネタは尽きないよ。わ~い!すごいだろう!
 言ってて悲しくなる…多分都会の人には理解できないだろうなぁ。

 そして、そんな田舎に住んでいる私(大西七海)は、大学卒業と同時に大学のあった政令指定都市から地元に帰り、市役所職員として地味に働き始めて早7年。大学時代の彼と別れてから男日和の私は、もっか婚活真っ最中であります。

 で、今日は8月1日(日)。小学校の先生をしている伯母に頼まれて、仕方なく私は人生初めてのお見合いなるものをする事になりました。待ち合わせの場所は、同じ市内でも私の自宅よりも、また一段と気合いの入った田舎の町にある、先方の地元の駅前ロータリーです。
 そこへ私は父の姉である伯母と2人で私が運転する車に乗ってやってきました。同じ市内でも此処よりも幾分賑やかな所で育った私は、この辺りは足を踏み入れた事もありません。だって用事がないもん。

 先方は伯母と以前勤務先が同じだったと言う仲良しの先生仲間の上品なおば様と、眼鏡をかけた若い男性でした。

 先方のおば様の案内で、シャッターばかりが目立つ商店街の一角にある喫茶店の前に来ましたが、今、その場にいる全員の顔が引きつって呆然となってます。

"お客様各位
この度、当店は7月31日をもって 
閉店する運びとなりました
開店以来、地域の皆様に愛されて
まいりましたが
店主の高齢化により
止むを得ず閉店いたしますこと
まことに残念でなりません
これまでのご厚情に感謝致します
長きに渡りありがとうございました
            店主"

 入り口にこんな張り紙が貼ってありました。

「嘘ぉ!昨日見た時は開いてたのに!ここは、この辺りでは一番ハイカラな喫茶店だったのよ!本当よ!」
 先方のおば様が絶叫してらっしゃいます。

 うん、それはね、昨日が7月31日だったからね。間違ってないよ。
今日は8月1日だからね。
それ、今日から閉店したんだよ、多分ね。
 あ~、初っ端からケチが付いちゃうような今回の見合いは、多分ポシャるわぁ。

「何処か、この近くで食事のできる所を探しましょう」
先方のおば様が、いち早く正気に戻り、颯爽と歩き始めました。


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