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プロローグ
しつこい男は嫌いです(改稿済)
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翌朝、エマは早起きをして、しっかり朝ごはんを食べて余裕を持ってアメリア邸を出てきた
この辺りは石畳みの両端に小さな草花の群生が続いている、そこを歩くだけで嬉しくなってしまうような道なのだ
そこをエマは鼻歌交じりにウキウキしながら地下鉄の駅まで歩いていた
そのエマの後ろから、スッと車が近づいて来て、エマのそばにピタッとつくと窓ガラスがゆっくり降りてきて、中から昨日学内で腕を掴んで離さなかったあの男の顔があらわれた
「やぁ、エマちゃん、おはよ!ねえ、これに乗って行かない?それで中で話そう?」
「☆$€*×%#………な、なななな何であんたがここにいるの⁈」
「なんでって、俺の可愛い子猫ちゃんを迎えに来たに決まってるじゃない。ねえ、大学まで送っていくよ。ほら、乗って?」
ーー 胡散臭い!実に胡散臭い!此奴のこんな笑顔にやられてしまってはいけない。此奴は私の一番嫌いなタイプなんだから。早くあっちに行って欲しいよ。しっしっ ーー
車はエマの歩く速度に合わせてゆっくり進んでいる
「ねえ、こんなイケメンの王子様がお迎えに来たんだよ。嬉しくて思わずにっこりしちゃうだろ?ねえ、早く乗って?でないと昨日みたいに腕を掴んで無理やり乗せちゃうよ?賢い君は俺にそこまでさせないよね?」
ーー あ~~、朝からウザい!これ、何とかしなくちゃ ーー
エマは、その先に続く道の左にある車が入れない狭い路地に急いで走って入っていった
「チッ!なかなかやるじゃないか」
アーサーが舌打ちをする
地の利は自分にあるとエマは思った
ここに来た時にこの辺りを歩き回って探検して回ったのが、ここにきて役に立った
ーー 抜け道を通って地下鉄の入り口迄行くしかない ーー
エマはアーサーに見つからないように上手く抜け道を走り抜け、サッと地下鉄の入り口に滑り込んだ
それをアーサーは遠くから見ていた
ーー 朝から鬼ごっこか。姫様の腕前を拝見しようじゃない。少しは楽しませてくれるよね ーー
アーサーは先回りをして、大学側の地下鉄の出口で待ち伏せる
エマはそれを見越して車の走行車線とは反対側の歩道に出る出口から上がって来た
またしても、アーサーの舌打ちが聞こえて来そうだ
しかし、エマの逃亡劇もここまで。大学の門の前で車にもたれかかって待ち伏せていたアーサーに捕まり強引に車に乗せられてしまった
多分扉を閉める時にチャイルドロックをかけられたらしく、万事休す。エマの抵抗はあえなくこれで終了した
「俺の姫様はなかなかやんちゃだね。俺を手こずらせるとは、面白いじゃないか」
アーサーが悪い笑顔をしている
「そんな姫様にはお仕置きだな。悪いけど今日は一日、俺に付き合ってもらうよ」
エマは怖くて震えが止まらず泣きそうだ
「そんなに震えて泣かなくても、君に危害を加えたりなんかしないよ。クスッ、俺の姫様は可愛いなぁ。じゃぁ、行こうか」
車が走り去った後、大学前でアーサーが眼鏡っ娘を連れ去った事は、その場に居合わせたたくさんの者達によって目撃され、良くも悪くも大きな噂になって、その日大学中を駆け巡ったのだった
そしてアーサーの車は大学からUターンして暫く走った後、王城近くの豪邸へと入っていった
車がエントランスに入ると、中からスーツを着た老年に手がかかったくらいの男が出てきた
「お帰りなさいませ、アーサー様。今日はお早いお着きでございますな」
「セバスチャン、客人だ。もてなしの用意を」
「かしこまりました、アーサー様。それではお連れのお嬢様は談話室へご案内いたしましょう。お嬢様、どうぞこちらへ」
「いや、俺が案内する。お前は後のことを頼むよ」
アーサーはそういうと、セバスチャンに耳打ちをした
「かしこまりました」
「さぁ、エマ嬢。行こうか」
アーサーがエマの腰に手を当てて、半ば強引にエスコートする
エマは今起こっていることがまだ信じられなくて、混乱していた。何故、自分の身元がバレているのかすらわからないのに、こんな大きなお屋敷に連れてこられて、もうどうしてよいのか皆目見当もつかない。どう見てもここはエマの嫌いな貴族の屋敷に間違いないだろう。エマはそんな貴族から逃げるために、わざわざ母国を離れてここに来たというのに。これでは、何のためにここまで来たのかわからないじゃないか。全てが無駄だったというのか
エマはサロンのソファに座らされた
侍女らしき若い女がお茶をいれて出ていった
「さて、エマ嬢。まずは今日は強引にここに連れて来てしまって悪かったよ。ごめん。謝るから許してくれないかな?」
「…………………」
「えっと、自己紹介がまだだったね。俺はアーサー・ド・ヨークという、この国の公爵をやってる。余談だけど俺もあの大学の大学院に在籍してるんだよ。今日はこんな事をして悪かったね。実はこの国の王様に君の警護を頼まれててさ。ずっと君と会って話をしてみたいと思っていたんだけど、大学で君を待っていても、君も知っての通り、あの状態でなかなか思うように身動きが取れなくてね。今日は仕方なしに少しばかり強引な手段を取らせてもらったんだ。会って間もないのに怖い思いをさせてすまなかったと思ってるよ。できれば、その…君と話がしたいんだけど、ダメ?俺は君に俺の事を知ってほしいと思っている。まぁ俺も世間では色々噂されているけどね、君の目で見て本当の俺を知ってほしいんだ。そして、できれば俺も君のことが知りたい。君の笑顔も見たい。よければ、その……眼鏡とマスクを取ってもらえないかな?ここは公爵家だ。君を害する輩はいないし安心して素顔を見せて欲しい。駄目かな?」
「こんな拉致誘拐をする人の何を信じろと言うの?無理よ」
「君が怒るのも無理はないと思う。それは十分わかっているけどさ。はぁ~仕方ないな。今日はこれ以上お願いするのはやめておくよ。でも君を安全に警護するために、質問だけでも答えてくれないかな?例えば何故君が貴族を嫌うのかとか、何故この国に来たのかとか」
アーサーが真摯な眼差しでエマを見つめている
彼は国王からの依頼を受けたと言っていた。ならばこれは彼にとっての仕事だ。仕事に必要な情報ならば、それは是非欲しいところだろう
ーー ここは情報だけは流すべきか。このお屋敷は公爵家のものだというのも事実だろうしなぁ。だって立派だし、母国の我が家とあまり変わらないし。それにこの人、ここの国王様とも仲良しみたいだし。てか、ここの国王様って私の大伯父様なんだよね~。つう事はフランツのソフィアお祖母様が絡んでるっぽいしなぁ。つまり拒めないという事になる?面倒臭いなぁ ーー
「あの……私とこの国の王様の関係はご存知なんですか?」
「ああ、もちろん知ってるよ?君は国王様の妹君のソフィア様の孫に当たる。つまり国王様は君の大伯父様だ。俺と同じ、ね。これでいいかな?では、さっきの質問に答えてくれる?」
「それは………それは、今から10年前にアトランティスが独立して共和国になった時に、我が家は爵位を捨てたの。私はまだ子供だったから、詳しくは知らないけど、その時に親しい人達にはお父様以外にも家族が手分けして説明して回ったそうよ。でも、当然事情を知らない貴族もいるわけでしょ?すると、そんな貴族には、我が家は借金の末没落したのだと勘違いする人達が大勢いたの。その殆どが借金の肩代わりをしてやるから、私を妾として寄越せと言って来ては、私を誘拐しようとしたり、中には強引に屋敷の中にまで押しかけてくる人達も出て来るようになってきて……。それも私とは祖父と孫ほど年の違う方や少なくともお父様よりも年下の方は一人もいなかった。容姿も何を食べたらそこまで太れるのか聞きたくなる程太った方や、逆にガリガリで神経質そうな方だとかばかりで、とにかく最悪だったんです。それにお父様が激怒して何度も撃退してきたけど聞く耳を持たない人達ばかりで……だから私は、それから貴族が大嫌いになったの。私がこの国に来たのは、そんな貴族の目から逃げるため、それであえて大学は平民枠で受験したんです。だから私は正体を知られる訳にはいかないの。この眼鏡とマスクはそのための精一杯のカムフラージュなんです」
「ふ~ん、わかった。ならば余計に顔を見せてくれなくちゃ。もしもの時に顔がわからないでは、こちらも動きようがないよ。駄目かな?」
「それはもう少し信頼できる方だと確信できたら。今のままでは、失礼ですが、貴方はただのチャラ男です」
アーサーが乾いた笑いを浮かべる
「ははは、チャラ男ねえ。まぁ、言われ慣れてるから別にいいけどさ。ならばもっと親しくなればいいって事だよね。君には俺のことをもっとよく知ってもらいたいと思ってるしね」
「あの……貴方は庶民は相手にしないと伺っていますが……私はもう貴族ではありませんし、本来なら貴方に守っていただくような人間でもありません」
アーサーが乾いた笑みを浮かべて、吐き捨てるように言った
「はっ!それ冗談でしょ?だって君は俺と同じくこの国の王様を大伯父様に持つ人だよ。君がただの庶民なら、じゃぁこの俺は何なのさ。悪いけど君の立場は俺と同等だ。諦めてしっかり俺に警護されてくれるかな?」
「………警護される以外の選択肢はないんです、よ、ね?」
「うん、ないね。これだけはさっさと諦めてね」
「……わかりました。ただ、貴方は目立ちすぎます。誰か代わりの人にお願いできたらなぁと……」
「却下!俺自身が警護する。これも決定事項ね。わかった?」
「……はい……わかりました……」
***********************
長くなりそうなので切りました
この辺りは石畳みの両端に小さな草花の群生が続いている、そこを歩くだけで嬉しくなってしまうような道なのだ
そこをエマは鼻歌交じりにウキウキしながら地下鉄の駅まで歩いていた
そのエマの後ろから、スッと車が近づいて来て、エマのそばにピタッとつくと窓ガラスがゆっくり降りてきて、中から昨日学内で腕を掴んで離さなかったあの男の顔があらわれた
「やぁ、エマちゃん、おはよ!ねえ、これに乗って行かない?それで中で話そう?」
「☆$€*×%#………な、なななな何であんたがここにいるの⁈」
「なんでって、俺の可愛い子猫ちゃんを迎えに来たに決まってるじゃない。ねえ、大学まで送っていくよ。ほら、乗って?」
ーー 胡散臭い!実に胡散臭い!此奴のこんな笑顔にやられてしまってはいけない。此奴は私の一番嫌いなタイプなんだから。早くあっちに行って欲しいよ。しっしっ ーー
車はエマの歩く速度に合わせてゆっくり進んでいる
「ねえ、こんなイケメンの王子様がお迎えに来たんだよ。嬉しくて思わずにっこりしちゃうだろ?ねえ、早く乗って?でないと昨日みたいに腕を掴んで無理やり乗せちゃうよ?賢い君は俺にそこまでさせないよね?」
ーー あ~~、朝からウザい!これ、何とかしなくちゃ ーー
エマは、その先に続く道の左にある車が入れない狭い路地に急いで走って入っていった
「チッ!なかなかやるじゃないか」
アーサーが舌打ちをする
地の利は自分にあるとエマは思った
ここに来た時にこの辺りを歩き回って探検して回ったのが、ここにきて役に立った
ーー 抜け道を通って地下鉄の入り口迄行くしかない ーー
エマはアーサーに見つからないように上手く抜け道を走り抜け、サッと地下鉄の入り口に滑り込んだ
それをアーサーは遠くから見ていた
ーー 朝から鬼ごっこか。姫様の腕前を拝見しようじゃない。少しは楽しませてくれるよね ーー
アーサーは先回りをして、大学側の地下鉄の出口で待ち伏せる
エマはそれを見越して車の走行車線とは反対側の歩道に出る出口から上がって来た
またしても、アーサーの舌打ちが聞こえて来そうだ
しかし、エマの逃亡劇もここまで。大学の門の前で車にもたれかかって待ち伏せていたアーサーに捕まり強引に車に乗せられてしまった
多分扉を閉める時にチャイルドロックをかけられたらしく、万事休す。エマの抵抗はあえなくこれで終了した
「俺の姫様はなかなかやんちゃだね。俺を手こずらせるとは、面白いじゃないか」
アーサーが悪い笑顔をしている
「そんな姫様にはお仕置きだな。悪いけど今日は一日、俺に付き合ってもらうよ」
エマは怖くて震えが止まらず泣きそうだ
「そんなに震えて泣かなくても、君に危害を加えたりなんかしないよ。クスッ、俺の姫様は可愛いなぁ。じゃぁ、行こうか」
車が走り去った後、大学前でアーサーが眼鏡っ娘を連れ去った事は、その場に居合わせたたくさんの者達によって目撃され、良くも悪くも大きな噂になって、その日大学中を駆け巡ったのだった
そしてアーサーの車は大学からUターンして暫く走った後、王城近くの豪邸へと入っていった
車がエントランスに入ると、中からスーツを着た老年に手がかかったくらいの男が出てきた
「お帰りなさいませ、アーサー様。今日はお早いお着きでございますな」
「セバスチャン、客人だ。もてなしの用意を」
「かしこまりました、アーサー様。それではお連れのお嬢様は談話室へご案内いたしましょう。お嬢様、どうぞこちらへ」
「いや、俺が案内する。お前は後のことを頼むよ」
アーサーはそういうと、セバスチャンに耳打ちをした
「かしこまりました」
「さぁ、エマ嬢。行こうか」
アーサーがエマの腰に手を当てて、半ば強引にエスコートする
エマは今起こっていることがまだ信じられなくて、混乱していた。何故、自分の身元がバレているのかすらわからないのに、こんな大きなお屋敷に連れてこられて、もうどうしてよいのか皆目見当もつかない。どう見てもここはエマの嫌いな貴族の屋敷に間違いないだろう。エマはそんな貴族から逃げるために、わざわざ母国を離れてここに来たというのに。これでは、何のためにここまで来たのかわからないじゃないか。全てが無駄だったというのか
エマはサロンのソファに座らされた
侍女らしき若い女がお茶をいれて出ていった
「さて、エマ嬢。まずは今日は強引にここに連れて来てしまって悪かったよ。ごめん。謝るから許してくれないかな?」
「…………………」
「えっと、自己紹介がまだだったね。俺はアーサー・ド・ヨークという、この国の公爵をやってる。余談だけど俺もあの大学の大学院に在籍してるんだよ。今日はこんな事をして悪かったね。実はこの国の王様に君の警護を頼まれててさ。ずっと君と会って話をしてみたいと思っていたんだけど、大学で君を待っていても、君も知っての通り、あの状態でなかなか思うように身動きが取れなくてね。今日は仕方なしに少しばかり強引な手段を取らせてもらったんだ。会って間もないのに怖い思いをさせてすまなかったと思ってるよ。できれば、その…君と話がしたいんだけど、ダメ?俺は君に俺の事を知ってほしいと思っている。まぁ俺も世間では色々噂されているけどね、君の目で見て本当の俺を知ってほしいんだ。そして、できれば俺も君のことが知りたい。君の笑顔も見たい。よければ、その……眼鏡とマスクを取ってもらえないかな?ここは公爵家だ。君を害する輩はいないし安心して素顔を見せて欲しい。駄目かな?」
「こんな拉致誘拐をする人の何を信じろと言うの?無理よ」
「君が怒るのも無理はないと思う。それは十分わかっているけどさ。はぁ~仕方ないな。今日はこれ以上お願いするのはやめておくよ。でも君を安全に警護するために、質問だけでも答えてくれないかな?例えば何故君が貴族を嫌うのかとか、何故この国に来たのかとか」
アーサーが真摯な眼差しでエマを見つめている
彼は国王からの依頼を受けたと言っていた。ならばこれは彼にとっての仕事だ。仕事に必要な情報ならば、それは是非欲しいところだろう
ーー ここは情報だけは流すべきか。このお屋敷は公爵家のものだというのも事実だろうしなぁ。だって立派だし、母国の我が家とあまり変わらないし。それにこの人、ここの国王様とも仲良しみたいだし。てか、ここの国王様って私の大伯父様なんだよね~。つう事はフランツのソフィアお祖母様が絡んでるっぽいしなぁ。つまり拒めないという事になる?面倒臭いなぁ ーー
「あの……私とこの国の王様の関係はご存知なんですか?」
「ああ、もちろん知ってるよ?君は国王様の妹君のソフィア様の孫に当たる。つまり国王様は君の大伯父様だ。俺と同じ、ね。これでいいかな?では、さっきの質問に答えてくれる?」
「それは………それは、今から10年前にアトランティスが独立して共和国になった時に、我が家は爵位を捨てたの。私はまだ子供だったから、詳しくは知らないけど、その時に親しい人達にはお父様以外にも家族が手分けして説明して回ったそうよ。でも、当然事情を知らない貴族もいるわけでしょ?すると、そんな貴族には、我が家は借金の末没落したのだと勘違いする人達が大勢いたの。その殆どが借金の肩代わりをしてやるから、私を妾として寄越せと言って来ては、私を誘拐しようとしたり、中には強引に屋敷の中にまで押しかけてくる人達も出て来るようになってきて……。それも私とは祖父と孫ほど年の違う方や少なくともお父様よりも年下の方は一人もいなかった。容姿も何を食べたらそこまで太れるのか聞きたくなる程太った方や、逆にガリガリで神経質そうな方だとかばかりで、とにかく最悪だったんです。それにお父様が激怒して何度も撃退してきたけど聞く耳を持たない人達ばかりで……だから私は、それから貴族が大嫌いになったの。私がこの国に来たのは、そんな貴族の目から逃げるため、それであえて大学は平民枠で受験したんです。だから私は正体を知られる訳にはいかないの。この眼鏡とマスクはそのための精一杯のカムフラージュなんです」
「ふ~ん、わかった。ならば余計に顔を見せてくれなくちゃ。もしもの時に顔がわからないでは、こちらも動きようがないよ。駄目かな?」
「それはもう少し信頼できる方だと確信できたら。今のままでは、失礼ですが、貴方はただのチャラ男です」
アーサーが乾いた笑いを浮かべる
「ははは、チャラ男ねえ。まぁ、言われ慣れてるから別にいいけどさ。ならばもっと親しくなればいいって事だよね。君には俺のことをもっとよく知ってもらいたいと思ってるしね」
「あの……貴方は庶民は相手にしないと伺っていますが……私はもう貴族ではありませんし、本来なら貴方に守っていただくような人間でもありません」
アーサーが乾いた笑みを浮かべて、吐き捨てるように言った
「はっ!それ冗談でしょ?だって君は俺と同じくこの国の王様を大伯父様に持つ人だよ。君がただの庶民なら、じゃぁこの俺は何なのさ。悪いけど君の立場は俺と同等だ。諦めてしっかり俺に警護されてくれるかな?」
「………警護される以外の選択肢はないんです、よ、ね?」
「うん、ないね。これだけはさっさと諦めてね」
「……わかりました。ただ、貴方は目立ちすぎます。誰か代わりの人にお願いできたらなぁと……」
「却下!俺自身が警護する。これも決定事項ね。わかった?」
「……はい……わかりました……」
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