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*** 36 精霊たちと『たべものの歌』…… ***
しおりを挟むということで翌日。
俺は昨日の精霊たちをケーキ食べ放題付きで休ませて、別の精霊たちを600人集めたんだ。
「精霊諸君。
キミタチも見たであろうあの素晴らしい石材を作るために、作業をしてもらおうと思う。
まずは土の精霊たち100人に、この倉庫で砂漠の砂から不純物を抽出してもらいたい。
不純物は、まずこの白金と金と銀と銅と鉄とアルミニウムである。
これら鉱物のサンプルをよく観察し、その上で砂からそれぞれ別個に抽出して、管理システムに渡して欲しい。
それから次に抽出するのは、ガラスの原料となる石英、無水炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムだ。
名前が覚えにくいかもしれないが、アダムに聞いて頑張ってくれ。
最後は肥料の原料となる、尿素、リン酸、塩化カリウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウムだ。
これらも、このサンプルをよく見て抽出する物質の名前も覚えて欲しい。
物質名が言えれば物質は抽出出来るからな。
まあ、アダムが物質名を言ってくれるから、それを繰り返せばいいだろう。
そうして抽出を終えた物質はアダムに渡してもらいたいんだ。
土の精霊以外のみんなは土の精霊に治癒をかけつづけてやってくれ。
そのうちに物質の抽出に参加してもいいぞ。
最後の仕上げの抽出は俺が行うので作業はそれだけだ。
ああ、キミタチへの報酬は、毎日ケーキや好きなたべものの食べ放題だ」
「「「「「「「「 わぁ~~~~い♪ 」」」」」」」」
「それではアダム、抽出鉱物の純度チェックや精霊たちの監督指導を頼んだぞ。
特に抽出する物質の名前を間違えないようによく教えてやってくれ」
(かしこまりましたサトルさま……)
俺は黒いオーラを隠し、やや冷たい声のアダムに返事もせずにその場を去った。
ま、まあ、俺には俺の仕事があるからね……
俺はその場から転移して、世界管理システムに精査してもらった大陸北部山岳地帯のダム建設予定地に降り立った。
ここは、山岳地帯が始まるところから北側に高度で2000メートルほど上がったところに当たる。
まだそれほどの傾斜は無く、100キロ四方ほどの広大な高原地帯となっていた。
2つの大河の源流地帯からはやや離れているが、遥か遠くには氷河の末端も見えている。あの氷河の氷を運んでダムに溜めておけば、後は勝手に太陽が溶かしてくれるだろう。
うん。なかなかいい場所だな。
さすがはアダムが見つけた場所だわ。
それじゃあ早速ダムを作り始めるか……
俺は、半径1万メートルほどの範囲を示すよう小さな溝を掘り、同行していた植物の精霊たちにダムの掘削予定範囲の植物の移動を始めてもらった。
自然破壊は最小限に留めないとな。
その中で低地でも育ちそうな果樹があれば、拠点の周囲の果樹園予定地に転移させている。
地球からはモノは買えても、生態系維持のために植物なんかは持ち込めないからだ。それだけはちょっと残念だな。
俺は植物移動の作業が順調に進んでいるのを確認して安心すると、今度は悪魔っ子たちの魔法訓練に手を貸すために、また転移して行ったんだ。
その日の夕方。
驚くべきことに、土の精霊たちは3立方キロもの砂を処理していたんだ。
抽出した金は27トンもあった。
俺の抽出した分と合わせれば50トンを超える。
こ、これ1グラム当たり2000円で売っても1000億円かよ……
俺は残った砂から固体マナや毒性物質を抽出しながらアダムに聞いてみたんだ。
「な、なあ。土の精霊たちの様子はどうだった?」
(皆、楽しそうに『たべものの歌』を歌いながら作業しておりました。また、抽出物の名前も覚え、作業にも徐々に慣れて効率も上がって来ております……)
「た、たべものの歌ってどんな歌なんだ?」
(はい、
白金抽出の『は』は、白桃のタルトの『は』♪
金抽出の『き』は、キイチゴのパイの『き』♪
銀抽出の『ぎ』は、牛乳の『ぎ』♪
銅抽出の『ど』は、ドーナツの『ど』♪
鉄抽出の『て』は、てっぱんやきの『て』♪
アルミニウム抽出の『あ』は、あんぱんの『あ』♪
石英抽出の『せ』は、せんべいの『せ』♪
無水炭酸ナトリウム抽出の『む』は、ムースの『む』♪
炭酸カルシウム抽出の『た』は、タルトの『た』♪
尿素抽出の『に』は、にんじんきらいの『に』♪
リン酸抽出の『り』は、りんごジュースの『り』♪
塩化カリウム抽出の『え』は、エクレアの『え』♪
酸化カルシウム抽出の『さ』は、さとうやまもりの『さ』♪
炭酸マグネシウム抽出の『た』は、たいやきの『た』♪)
という実に楽しそうな歌でございました。
そのせいか抽出鉱物の名称もすぐに覚えていたようでございます)
「そ、そうか……」
(だ、だからこれ、抽出された鉱物がところどころいろんな食べ物の形になってるんだな……
で、でも炭酸マグネシウム入れたたいやきって……
喰ったら即七転八倒みたいで怖いぞ。
それに鉱物の名前覚えるより、喰い物の名前覚える方が大変じゃないのかって思うんだけど……)
俺は残された砂の山から危険物を抽出し、それから純粋固体マナを都合90万トン分抽出した。
そうして、純粋マナをキューブ状にしてアダムに資源別倉庫に搬入してもらい、併せて危険物も厳重に隔離保管してもらったんだ。
ああ、もちろん残された砂もマナ建材として大切に保管してあるぞ。
それらの作業を終えると、俺はやや冷ややかなアダムの声を気にしつつ、言ってみたんだ。
「なあアダム。
お前とイブの欲しいモノって決まったか?」
(えっ! ほ、本当によろしいのですか?)
「いやいくら世界管理システムでも、なんか欲しいモノないのかなって……
ほ、ほら、お前たちってものすごく働いてくれてるからさ……」
(ううううううっ…… さ、サトルさまぁ……)
「それでなにが欲しいんだ?」
(は、はい。わたくしもイブも、実は欲しくてならないものがひとつだけございますが……
でっ、でも、あまりにも高額なものでございまして、諦めております……
毎晩2人でカタログを見てはため息をついておるのです……)
「それって何なんだ?」
(は、はい。『アバター』でございます……)
「アバター?」
(遥かに文明が進歩した地上界世界では、上級天使さまなどに仕える上級管理システムが、アバターを頂いてヒト型の端末を持っているのでございます)
「おお! いいじゃんそれ!」
(で、ですが、神界通貨でなければ買えず、また非常に高額ですので……)
「それっていくらなんだ?」
(安いものでも神界通貨で1体100万クレジットほどもするのでございます。
はー、所詮我々発展途上世界の中級システムにとっては夢のまた夢ですねえ……)
「それ、物価感覚でいえば、地球ではいくらぐらいに相当するんだ?」
(およそ1億円にも匹敵するでしょうか……)
(確かに高いけど…… でも……)
その日夕食を終えて、俺は大喜びして大量のケーキに群がっている精霊たちを横目で見ながら、大精霊たちを呼んだんだ。
「なあ、これからはお前たちにも本格的に働いてもらうことになるからさ。
ケーキもお菓子も服もゲームもたくさん置いておくから、仕事時間以外は好きなだけ食べたり着たり遊んだりしていいぞ。
ただし、食べすぎには気をつけような」
大精霊たちは一瞬きょとんとしていたが、すぐに歓声を上げた。
そうしてその知らせを仲間たちにも知らせに行くと、まもなく精霊たち全員も大歓声を上げていた。
まあ、喜んでもらえてなによりだよ。
そうして俺は、最近こっちに入り浸りになってるエルダお姉さまに向き直ったんだ。
「ということでエルダさま。
ケーキや服やゲームの追加購入をお願い出来ませんでしょうか」
「はは、遂に洋菓子業界にも進出したからの。
菓子も服もゲームもいくらでも買うがよい。
そうそう。お前たちの名前のおかげで神界でも商売が絶好調でのう。
肖像権というか名前使用料として、お前の名義で口座を作って神界通貨も入れておいたからの。
これからは神界のモノも買えるぞ。システィにいろいろ聞くとよい」
「えっ」
(えっ)
「あ、ありがとうございます。
と、ところで、それっていくらぐらいあるんでしょうか……」
(…………)
な、なんかアダムが固唾を呑んでる気配が……
「み、みょーに喰い付きがよいの。
まだ商売も始まったばかりで、10万クレジットほどだが……」
「はー」
(はー)
「どうしたのだ。なんぞ欲しいものでもあるのか?」
「あ、あの…… 地球のカネと神界通貨で両替って出来るんでしょうか……」
「直接の両替は出来んが……
場合によってはわたしが両替してやってもよいぞ」
「あ、あのあのあの……
今日、砂漠の砂から金を抽出したんです。50トンほど……」
「なんだと……」
「それを1グラム当たり2000円で引き取って頂けませんでしょうか。
そ、その代わり神界通貨を200万クレジットほど融通して頂けませんでしょうか」
「お前は自分が何を言っているのかわかっておるのか?」
(や、ヤベえ。エルダさまを怒らせちゃったかな……)
「その神界通貨で何を買うつもりか言うてみい」
「はっはい! うちの管理システムのアダムとイブに、よく働いてくれてるお礼に、アバターを買ってやりたいと思いましたっ!」
うわっ、お、俺エルダさまに睨まれちゃってるよ……
長い沈黙の後にエルダさまが言った。
「5億だ……」
「は?」
「わたしは先日、お前から1グラム当たり4000円で金を買ってやると言ったはずだ。
それが50トンということは、2000億円ということだ。
それをお前は1グラム2000円、1000億円で売ろうというのだな。
神界通貨は物価水準で比較して、日本円のおおよそ100倍の価値がある。
つまりお前が安く金を売ろうとしている分1000億円は、神界通貨では約10億クレジットに相当する。
その半分をお前に渡そう。
つまりお前はわたしに金を1グラム当たり3000円で売ったことになる。
それでよいか?」
「はっはい! も、もちろんです!
それだけの金を市場で売るのも大変でしょうし、当然値も下がるでしょうし」
「だが、さすがのわたしもすぐには5億クレジットもの神界通貨は用意出来ぬ。
いいとこ2000万だ。
かなりの時間がかかるがそれでも良いか?」
「あ、あの。それでは1000万クレジットで最新型のアバターを2体買って頂けませんでしょうか……」
((!!!))
「それ以外の分は、地球円で結構です。
あ、ほんとにグラム当たり2000円でいいですけど」
「ほんにお前は…… 欲が無いというかなんというか……」
「まあ、地球の物資を買わせて頂く手数料のつもりです。
あれは俺たちにとってものすごいアドバンテージですから」
「わかった。早急にアバターを2体手に入れよう。
最新最高級機種のカタログを用意させるから、その中からお前たちの管理システムに選ばせろ」
((うううううっ…… うわぁぁぁぁぁぁぁ~ん!))
(はは、アダムとイブが泣いてるよ……)
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