聖女を追放した国の物語 ~聖女追放小説の『嫌われ役王子』に転生してしまった。~

猫野 にくきゅう

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リーズラグドの叡智

第67話 悪役令嬢とお目付けメイド 4 B

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「あの、――リィクララ様。何故そのことを、私に教えて下さるのですか? リィクララ様のお父様の計画通りに、私が殺害されたほうが――リィクララ様にとっても都合が良いのでしょう――?」

 ソフィ様はどうやら、リィクララ様の戯言のお相手をして下さるご様子。

 下手に相手の主張を否定するよりも、乗っかって適当にあしらうおつもりのようです。確かに打たれてみると、それしかないという一手、流石です! ソフィ様。

 ソフィ様は、聡明なお方です。
 リィクララ様の妄想など、まともに取り合っていません。


 ――それが分かると、安心して見物できます。


「見損なわないで下さいませ!! 私は確かにソフィ様から正妻の座を奪う気でいます。――ですがそれは、正々堂々とした愛の勝負で勝ち取るものですわ! お父様の卑劣な計略で、恋敵を亡き者にして奪おうなどとは思いませんわ!!」

 
 ――いや、悪役令嬢なんだから、殺して奪えよ。

 心の中でリィクララ様の『悪役令嬢』に、ツッコミを入れる余裕も出てきました。





「リィクララ様……」

 ソフィ様はリィクララ様のセリフに、何やら感動しているようです。
 お芝居が、お好きなのかもしれません。


 芝居はまだ続きます。

「――ですから、この度のルーズベリル領への訪問、私も同行いたしますわ!! そして、ソフィ様のお側にずっといます。そうすればお父様は暗殺計画も実行できません。――私まで死んでしまえば、本末転倒なのですから!!」

 おーほほほっ!!
 リィクララ様は、してやったりといったドヤ顔で高笑いです。
 
 それは、ようございましたね。



「リィクララ様。私達、お友達になれませんか? たとえ恋敵だとしても、友情をはぐくむことは出来ます。現に私とこのメイドのリリムはお友達なのです!」

 ソフィ様も、結構ノリノリで楽しそうにしています。

 こんな子供だましのお芝居に、付き合ってくださるなんて――
 聡明なだけではなくて、子供好きな方なのですね。



 この場はソフィ様に、お任せしておけば大丈夫でしょう。

 しかし、リクララ様のお世話は気苦労が絶えません。
 何か特別ボーナスでも貰わなければ、割に合いませんね。



 ボーナス、そうですね……。

 リィクララ様がこの先――
 アレス様と閨を共にするときは、私がサポートに入る予定です。

 アレス様は好色なお人。
 必ず私にも、手を出されるでしょう。

 王子様との子供を産む――
 お目付けメイドから、お手付きメイドにジョブチェンジ。

 特別報酬としては、悪くはありません。
 



 他に誰かいい男がいれば、そちらでも良いのですが、あいにくと姫様のお世話で手一杯で出会いが無いのです。

 やはりここは――
 アレス様にご褒美を頂くしかないでしょう。


 私が安心して目を離し、よからぬ妄想に励んでいた間に――
 ソフィ様とリィクララ様とメイドの少女が、三人で手を取り合って『女の友情』とか言って盛り上がっていました。


 ……あれ?
 おかしいですね。

 いやな予感がしました。
 馬鹿が三人に増えてしまったような――


 いえ、きっと気のせいです。

 少なくともソフィ様は――
 リーズラグドの叡智に匹敵する、頭脳の持ち主なのですから……。
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