この世界の一員となりたくて

アネモイ

文字の大きさ
7 / 22

初めての同胞

しおりを挟む
 あれから、どのくらいの時間がたったのだろうか。
 暗闇をさまようセレナの前に、小さな白き光が灯るとやがて全身を包み、それがきっかけに目が覚める。
 「ん?」
 「あっ、起きた」
 セレナが目覚めると、頭の下には今まで感じたことがないような温かさ、そして何ともいえない柔らかい感触。そして目の前には見知らぬ少女の顔。そしてなぜか、その少女に今頭を撫でられている。
 「な、な、な、なにやってるんでしゅか!?あなた!?」
 突然起きた名も知らない少女からの膝枕という、あまりに不可解な状況を前に、セレナは思わず飛び起きる。そんなセレナを無の表情のまま、じっと見つめる少女。セレナは、一体何が何だか状況をうまく呑み込めない。そもそもなぜ気を失っていたのかさえ思い出せない。
 周囲を見渡すと、セレナが今いる空間には、セレナとその少女の他に、同年代くらいの男子が2人とヴィラン、そしてもう1人の少女がヴィランの前で正座させられていた。
 「えっとー・・・」
 「あっ、よかった。気が付いたのですね」
 ヴィランはほっとした表情で近づいてくる。セレナは未だ状況を?み込めず、言葉すら出てこない。ヴィランはセレナに落ち着くよう促し、今に至るまでの経緯を教えてくれた。
 数十分前、セレナの自室にて。
 「セーレーナーーー!!!」
 「ぎゃああああ!!!」
 自室のベッドで横たわるセレナの前に突然現れた少女。見た感じ、セレナより少し幼いようにも見える。
 「ねぇねぇ、あなたがセレナだよね?やったー、新しいお友達だ!」
 「だ、誰?」
 あまりに突然の出来事に困惑するセレナだったが、それでもお構いなしと少女の興奮は収まることを知らない。
 「今から歓迎会やるんだ!ねっ、一緒に行こう!」
 「へっ、なに?歓迎会?」
 「それじゃあ、レッツゴー!」
 すると突然、セレナの体が宙に浮き、有無を言わさず強引に部屋の外へと連れ出される。驚く暇さえ与えてもらえないセレナは、少女のテンションに追いつくことができず、部屋を出て間もなく意識が途絶えた。
 「タス・・・けて・・・」
 気を失ったセレナをよそに、少女はある部屋の扉を勢いよく開けた。部屋ではヴィランたちが、“ようこそ”と書かれた垂れ幕を壁に貼り付けている最中だった。
 「ねぇねぇ、セレナ連れてきたよー!」
 「連れてきた!?ちょっと待ってください、まだ準備・・・が・・・」
 部屋の出入り口を振り返ったヴィランたちの目に映ったものは、なんとも無残なものだった。
 「あなた・・・」
 「あちゃー、やっちゃったな」
 「やれやれ・・・」
 ヴィランの両手に握りこぶしが出来あがり、全身が震えだす。
 「なになに?みんな、どうしたの?」
 その場の空気が冷たい原因が少女には分からなかった。するともう一人の少女が、浮いているセレナの方を指さす。
 「その子、もう死んでるけど」
 「え?」
 空中に浮いたセレナは泡を吹いた状態で気を失っていた。それを見た少女は顔がどんどん青ざめて、冷や汗が止まらない。そして次の瞬間、ヴィランの怒りがついに臨界点を超える。
 「なにをやっているんですかーーー!!!」
 「ひええええ!!!」
 そして今に至る。
 ヴィランは必死にセレナに謝った。ヴィランはこの学部において、リーダー的存在なのだろう。メンバーが犯した失態に、大きく責任を感じているのだろうとセレナは悟った。
 「本当にすみませんでした。ほら、あなたも謝って」
 「うぅ・・・ごめんなさい・・・」
 「(私が気絶している間に、しっかり絞られたんだろうな)」
 少女の涙でぐちゃぐちゃになった顔を見て、セレナは思わず同情の笑みを浮かべる。もうセレナには、その少女を責める気などとっくになくなっていた。
 「も、もう大丈夫だから。気にしないで」
 「うぅ、お姉ちゃん優しい・・・」
 少女に笑顔が戻るのを確認し、セレナも一安心する。そして周りを見渡すと、自分と年の近い5人の学生らしき人たち。
 「そっか。この人たちが・・・」
 「はい。聖獣奏者学部の現メンバー全員です。変な形になってしまいましたが、改めてようこそ、聖獣奏者学部へ」
 周囲からセレナに、“よろしく”という言葉とともに歓迎の拍手が送られる。
 「それでは1人ずつ簡単な自己紹介をしていきましょう。改めてにはなりますが、まずは私から。ヴィラン17歳。パートナーは鳥型聖獣のククです。この学部で委員長をしています。よろしくお願いします」
 やっぱりリーダー的立ち位置だったかとセレナは再確認した。そして、ヴィランは委員長らしく、自己紹介の進行を始める。
 「次、アイリクお願いします」
 「おうよ!」
 すると、アイリクと名乗る男子生徒は自身の聖獣を召喚した。その突然現れた2メートルを超える巨躯に、セレナは呆気に取られる。
 「俺はアイリク、19歳だ。この学部では最年長だ。相棒は熊型聖獣ガルド。戦闘においては力技を得意としている。この学部においては切り込み隊長として頼りにしてくれ」
 見るからに熱血で、筋肉質な身体。戦いにおいては積極的、いわば好戦的な性格だ。特に裏表がなく、温厚で誰でも接しやすい。メンバーの中で最も仲間意識が高い。
 「僕はミチル。17歳。正直戦いはあまり好きではないんだ。だから戦闘時は、サポート兼指揮官の役割を担っている。パートナーはドラン、カメレオン型の聖獣だ」
 眼鏡がトレードマークの、がり勉的見た目の青年。人とのコミュニケーションは苦手な部類に入るが、認められたいという欲が人一倍強く、秘かにヴィランの委員長の座を狙っていたりする。
 カメレオン型聖獣ドランは体長30センチほど。基本的にミチルの肩に乗ることがほとんどのようだ。
 「次は私ね。ミリアで12歳。パートナーはイルカ型聖獣イルッペ。これからいっぱい遊ぼうね!」
 元気が取り柄の最年少。先ほどセレナを部屋から攫った張本人だ。とにかく、考えるより先に体が動いてしまう直感型で人懐っこい性格。持ち前の明るさから、誰ともすぐに仲良くでき、年上ばかりのこの学部でもその明るさは健在。むしろムードメーカの役割を担うほど、その存在感は大きい。
 イルカ型の聖獣イルッペは体長2メートルぐらい。空中をまるで水中のように泳いでいる。世の理どころか、重力すら無視する何とも規格外な光景だ。
 「私、サラ。16歳。相棒は猫型魔獣ミント。戦うこと好き。よろしく」
 口数が少なく、普段は大人しい少女。あまり表情を変えず、ほとんどの場合“無”でいることが多い。しかし戦いになると、気持ちが高揚してしまうことがあり、そうなると普段の時とは表情も雰囲気も180度変わる。ある意味、学部では一番の要注意人物かもしれない。
 猫型魔獣ミントも他の聖獣と変わらず、現実にいる猫と大きさは変わらない。セレナからすると、この5人の中で一番、聖獣と人間の組み合わせがしっくりきた。
 すべての生徒の紹介を受け、目の前に召喚された様々な姿をした聖獣に目を輝かせるセレナ。だが彼らからしてもそれは同じ。セレナの聖獣が召喚されるのを、今か今かと待っている。
 「じゃ、じゃあ今度は私の番だね。私はセレナ、17歳・・・」
 やや緊張気味にみんなの前に立ち、自己紹介とともに、4体の聖獣を召喚する。
 自己紹介を終えると、みんながみんな、興味津々にアイたちと触れ合う。かなりの盛り上がりだが、セレナにとってこの光景はかなり異様にも思えた。
 「なんか、みんなはしゃぎ過ぎじゃない?」
 「そりゃあ、そうだろ。こんな聖獣を見るの、初めてなんだからよ」
 「うん。興味が尽きない」
 「んん???」
 セレナは未だに、何が彼らの好奇心をそこまで刺激しているのか分からなかった。そんなセレナを見て、ヴィランが思わず笑みをこぼす。
 「な、なに?」
 「いえ。ただ、セレナさんのマイペースさというか、その鈍感さも可愛いなと」
 困惑が収まらないセレナをよそに、ヴィランが大きな音が出るように両手をパンと叩く。
 「さ、各自自己紹介も終わったところで、歓迎会を始めましょうか。私は、カナさんを呼んできますね。そろそろ出来上がる頃でしょうから」
 それからセレナの歓迎会のパーティーが開かれた。カナリアが今日のためにと用意していたご馳走が並べられ、パーティーは大いに盛り上がった。
 そんな中、ご馳走を頬張るセレナにアイリクが声をかける。
 「いやー、それにしても聞いていた通り、セレナは俺たちの常識をことごとくぶち壊してくるよな」
 「だから、それが分からないんだって」
 そこにミチルも参戦してくる。優等生らしく、眼鏡を中指でくいっと上げながら。
 「やれやれ、まだ気づかないのかい?君の聖獣だけだよ。人の言葉を話せるのは」
 ハッと気づかされたセレナは、他の聖獣たちと楽しそうにご馳走を食べているアイたちの方を振り返る。そしてヴィランの方に目を向けると、ヴィランは黙って頷いた。
 「それに、セレナだけ4体も聖獣がいる。これも異質」
 無口なサラも口に食べ物を含みながら近づいて来る。
 「異質って、人を化け物みたいに。ていうか、食べ物呑み込んで喋りなよ」
 「化け物じゃない。むしろ褒めてる」
 「人を褒めるの下手過ぎないですか?」
 「でもでも、それは才能の類かもしれないって、ヴィランが言ってたよ?」
 そこにミリアも登場し、セレナを中心に世界がどんどん広がってゆく。
 「それってどういうこと?」
 「その辺の話は、また後日ということで。今日は歓迎会です。目一杯楽しみましょう」
 歓迎会が再開し、セレナの周囲の時間はあっという間に過ぎていく。
 セレナは再び辺りを見渡す。自分を肯定してくれる新しい友達と新しい聖獣、そして自分の新たな居場所。そこで初体験する楽しい時間。すべてが新鮮ですべてが新しい。これから先、これが続いてゆくと思うと、セレナは過去の自分の比較せずにはいられず、思わず目から涙がこぼれてくる。
 そんなセレナの異変にいち早く気づいたのは、やはりヴィランだった。
 「大丈夫ですか?何か嫌なことでも?」
 セレナは涙がこぼれないように天井を見上げる。
 「違う。嬉しいんだ。やっと私たちが、私たちらしくいられる場所に来られたんだと思うとさ」
 それを聞いたヴィランも思わずもらい泣きする。そのセレナを遠くから見つめるアイたち。セレナの苦労を身近で一緒に感じていたからこそ、その報われた気持ちは痛いほどよくわかる。
 ヴィランは、セレナに向けて右手を差し出した。
 「改めてようこそ。聖獣奏者学部“聖獣寮”へ」
 「こちらこそ、これからよろしく」
 それからしばらく暖かい時間をメンバーと共に過ごしたのち、歓迎会はお開きとなった。カナリアは料理の片付け、残るメンバーは会場の片付けを行っていた。メンバーからはセレナは主役だからと、片づけに参加させてもらえなかった。
 セレナはこの場にいると、申し訳ない気持ちが増大していくだけと感じ、素直に自室に戻ることにする。
 自室に戻ったセレナは、ベッドに飛び乗り、帰り際にヴィランから言われたことを思い出す。
 「セレナさん、明日からの流れですが、現在学園は長期休暇に入っています。その間に、セレナさんには、聖獣奏者の戦い方を身に付けてもらいます。明日からはその特訓ですので、今日はゆっくりお休みください」
 セレナは天井を見上げる。
 「聖獣奏者の戦い方を学ぶってことは、私自身も戦うってことなのかな?だとすれば、これからはアイたちの力に頼るばかりじゃないってことだ。よし、頑張ろう」
 セレナのやる気に右手が反応するように、握りこぶしがつくられる。
 アイたちはどうやら、すでに眠っているようだ。これまで別々の部屋で眠っていたから、この一緒に寝ている感覚もセレナにとって久しぶりな感じがして嬉しかった。
 セレナは今日起きた出来事でお腹一杯に。久しぶりに来る充実感から、瞼がどんどん重くなる。だがふと、あることを思い出す。
 「あれ?そういえば、この部屋にあるもう1つのぐちゃぐちゃなベッド。この部屋の同居人のだよね。あのメンバーの中で同居人の可能性は・・・まさか!」
 するとまた、部屋の扉が勢いよく開く。
 「セーレーナーーー!!!起きてるー?」
 「・・・・・」
 元気よく部屋に入ってきたミリアの姿に、セレナは天井を見つめながら乾いた笑いを浮かべる。
 「どうやら、夜はまだまだ長くなりそうだ」
 それからセレナが眠りについたのは、その数時間後だという。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

処理中です...