16 / 22
任務開始
しおりを挟む
学園長から直接、依頼の申し出を受けて数日後。一同はもろもろの準備を整え、調査対象である遺跡に向かうことにした。
数日の宿泊を見越しての準備は昨日のうちに終わらせ、全員の士気はかなり高まっている。
「行っといで。しっかりやるんだよ」
「はい、行ってまいります」
聖獣奏者学部の初陣を聞きつけ、寮母のカナリアとヒリス学部長、そしてセレナの両親が出発前に激励を送ってくれた。
「達成困難な依頼と聞いてはいますが、あなたたちなら大丈夫と信じています。同行できないのは心苦しいですが、あなたたちが無事に帰ってくれることを祈っていますよ」
セレナの両親もセレナに激励の言葉を投げかける。
「しっかりな。周りを頼ることも忘れてはならんぞ」
「わかってるってば」
「皆さん、セレナのことよろしくお願いしますね。特にミリアちゃん」
「任せて、おばさま」
「もう・・・」
ミリアはすっかり、セレナの両親とも打ち解けていた。形だけとはいえ、妹となったミリアを両親に説明しないわけにはいかないと判断したセレナは、あの出来事の後、事のいきさつを両親に説明した。
両親はミリアの事情を知ってか、すんなりと受け入れてくれ、以後ミリアも本当の家族のように接してくれている。
激励を受けた一同は聖獣寮を出て、目的地へと出発した。
目的地は、人目につかないとある山奥にある遺跡であり。列車を3本乗り継ぐ必要がある。本来なら交通費は自己負担だが、学園長からの直々の推薦ということもあり、今回の旅費は特別に学園が出してくれた。
その列車での移動中、これから挑む戦いに向けて、それぞれの目的が冠水できるよう、各々が様々な思いに浸っていた。
「いやー、交通費だけでなく旅費まで出してくれるとは、学園長様様だな」
「下品な言い方はやめてください、アイリク。私たちの将来に期待してくださっている学園長の投資のようななものなんですから。期待に応えられるよう気を引き締めないと」
「わかってるって。注意一秒、怪我一生ってやつだろ?俺だって馬鹿じゃないんだ。油断して命を無駄に捨てるような真似をするつもりはないさ。俺もセレナのように属性と獣能を使いこなして、全員を必ず守って見せる」
「頼りにしてますよ」
2人のやり取りを傍で見ていたセレナは、ふとあることに気付く。
「(そういえば、自己紹介の時もそうだったけど、ヴィランの中で唯一、アイリクだけが呼び捨てなんだよね)」
ただふと気づいただけで、特に今解決するべき問題でもないと判断したセレナは、その疑問を胸の奥の引き出しにそっと閉まった。
「そういえば、サラ。今回の依頼の件、べらべらと他の学部の奴らに話していないだろうね?」
「・・・なんで?」
「だって君、他学部の奴と模擬戦をするたびにセレナのこと話していただろ?」
「えっ、そうなの?」
ミチルの話によると、サラは根っからの対人戦好きだという。だがそれに関しては、寮での特訓の段階で薄々気づいていた。
だがその好戦的な性格は寮内だけに留まらず、この学園に入学してからずっと、暇を見つけては他学部の人に模擬戦を申し込んでいるという。その数はもうすでに両手を使っても足りないほどに。
「へぇー。戦績はどれくらいなの?」
「勝率7割」
「すごっ・・・」
そのため、他学部との顔見知りが多く、学園内でも“狂戦士(バーサーカー)”という異名をつけられるほどのちょっとした有名人だ。
「何その異名・・・」
「それがサラちゃんの戦闘スタイルなんだよね。普段とは全然想像つかないでしょ?」
「うん」
本題はここからだ。サラは戦闘に入ると、戦闘スタイルだけでなく、口までも饒舌になり、普段の無口とは想像できないほど口が軽くなってしまう。
模擬戦が終わり、興奮状態がハイとなると、その軽くなった口で対戦者やその友達らと、それぞれの学部についての情報交換を行うのがお約束だという。
「セレナがこの学園に来る前から、何度も模擬戦をやっては、その度に次ぎ来る新メンバーの情報を他学部に漏らしていたんだ。当然、セレナが4属性を使えるという情報も他学部には筒抜けだ」
「それじゃあ、昨日の今日で決まったあの模擬戦にあれだけの人がいたのは・・・」
「噂が噂を呼んだんでしょうね。サラさんが広めた情報の真偽を知るべくして」
「なるほどね」
セレナの中で1つ問題が解決した。いくらあれだけの大人数の前で模擬戦の取り決めを行ったとはいえ、ただの戦闘初心者の戦いにあれだけの注目が集まるとは思えなかった。
だが事前にサラがセレナの情報を広めていたとすれば、他学部の生徒や講師からすると、これまで無敗の優等生と4つの属性を使いこなす大型ルーキーの試合と捉えられ、興味を引くのはむしろ当然だろう。
「そういうことだったんだ」
「あの模擬戦が終わっての数日間、お姉ちゃん大変だったもんね。噂が真実と知られて、模擬戦の申し込みや知り合いになりたいっていう他学部からの勧誘が凄かったからね」
「断るのが大変だったよ・・・」
「それについては、ごめん」
サラが珍しく落ち込んだ様子を見せる。
模擬戦の後、サラはヒリス学部長から呼び出しを受け、厳しく注意を受けていた。学園内での学生同士の交流によるものであったため、幸いにも大きな問題にはならなかった。
しかしこれが大人の世界となり、有力な新人の情報が他国に漏れたとなれば、戦力を削ぐための暗殺に繋がりかねない。これから戦闘を職に置く者として、改善すべき体質であるからだ。
「あれから模擬戦はヴィランにお願いして、付き添ってもらうようになった。暴走して口を滑らせないように」
「模擬戦を控えるとかじゃないのか・・・」
「まずは癖を直すのが優先ですからね。同じ釜の飯を食う仲間の頼みならばと引き受けた次第です。ですので、ご安心を。あれ以降、サラさんが他学部に聖獣奏者学部の情報を漏らすことはなかったと私が保証します」
「それならいいが。ところで、依頼に挑む前に僕からある提案があるんだが」
すると突然、ミチルが仕切りだした。
「この依頼をこなすにあたって、重要になるのはチームワークだ。各自バラバラに戦っていたんじゃ、入り乱れた際に同士討ちもあり得る。そこである程度のフォーメーションを決めておきたいのだが」
「なるほど、確かにそれはそうですね」
フォーメーションは、基本的に前衛、中衛、後衛に分かれて、それぞれに役割が与えられる。
「まずは僕の案を聞いてもらいたい。まず前衛だが、戦闘が接近タイプのアイリクとサラに任せる。サラは接近して攻撃し、アイリクは敵の攻撃を受け止める盾の役割だ」
「ん。任された」
「おうよ」
「次に中衛。これはセレナ一択だ。接近と遠距離の両方をこなし、状況に応じてアタッカーとサポートを使い分けてもらう」
「了解」
「最後に後衛。遠距離タイプのヴィランとミリア。前衛の2人のサポート役だ。以上が僕の考えたフォーメーションだが、意見のある者はいないか?」
きちんと地に足の着いたフォーメーションに反論の余地はなく、誰もが首を縦に振った。しかし、ここまでで役割が与えられていない人物がいることにミリアが気付く。
「ちょっと待って、ミチルは何するの?」
「僕は指揮官を務める。チーム全体を見ながら、状況に合わせて指示を与える役だ。戦場において、戦況を把握する人物は絶対に必要だ。当然君たちは僕の指示通りに動いてもらうことになる」
「なるほど。いろんな意味でミチルらしい配役だね」
するとミチルはちらりとヴィランの方を見る。ヴィランはミチルと目が合おうと、少し驚いたような表情をした。
「各自の戦闘スタイルを見た結果、僕はこれが一番いいと思うのだが。君はどう思う?」
「なぜ私に?」
「君はこの学部のリーダー的ポジションだろ?僕が指揮官であれば、納得できない部分もあるんじゃないか?そんなぎすぎすした状態は、戦場においては命取りになるからね。こんなこと、さっさと解決しておきたいんだ」
ヴィランは思わずふっと笑い、ゆっくりと首を横に振った。
「そうですね。つい最近の私であれば、恐らく自身の立ち位置に納得がいかず、無理にでも反論していたかもしれません。ですが、私はもうある人の真似事はやめました。これからは私らしく、今の私ができることを精一杯務めるつもりです」
メンバーは黙ってヴィランの言葉に耳を傾ける。
「私もこれが一番いいと思います。今の私では恐らく、皆さんを自在に動かす握力を持ち合わせていない。指揮はあなたにお願いします」
「・・・君はやはり変わったね。どういう心境の変化だい?」
「もう私は、リーダーという立ち位置に甘えて、無理に自分の目線を高くするのをやめました。無理に背伸びせず、皆さんと同じ目線でいたいと思った。それだけです」
学園のシステム上、リーダーという立ち位置は辞められないが、誰かの真似をしてリーダーらしく自分を装うのを止めたヴィラン。失うことを決めたはずなのに、その表情は活き活きとしていた。
「ですが、1つだけお願いがあります」
「なんだい?」
「戦場において、犠牲はつきものだということはわかっています。だからこそ甘い考えであることは重々承知の上ですが、私は誰1人として欠けることなくこの依頼を達成したい。それはここにいるメンバーもそうだと思います。ですから、この中にいる誰かを囮にしたり、犠牲になったりするような采配だけは絶対にしないでください」
「・・・わかった。肝に銘じておくよ」
ヴィランはミチルにしっかりとお灸をすえた。ミチルにはおそらくそんな気はなかっただろうが、咄嗟の機転でそういう作戦を取る可能性も十分にあるという、ヴィランなりの観察眼だ。
それから目的地までの到着の間、細かな打ち合わせを幾度となく行い、予想外のトラブルを除いては完璧な段取りとなった。
「あとは、運を天に任せるだけかな」
するとミリアがセレナの手をぎゅっと握る。
「頑張ろうね、お姉ちゃん」
「うん、ミリア」
それから数時間の列車の旅を終え、一同は目的地に最も近い町に降り立った。打ち合わせの中で、今日はこのままこの町のホテルで一泊し、明日の朝に調査に向かうことになった。
それからホテルで楽しいひと時を過ごした翌日。
「さて、それじゃあ覚悟を決めて行きますか!」
「ん。楽しみ」
「この状況を楽しんでいるのはサラちゃんぐらいだよ・・・。私なんて緊張であんまり眠れなかったっていうのに・・・」
この依頼に対しての意気込みに対し多少の温度差はあれど、モチベーションだけはみな高いままで保てている。その気持ちが落ち込まない内に、一同は遺跡に向かって足を進めた。
遺跡は情報通り山奥にあるようで、しばらくは登山が続く。
「遺跡についた途端、ゴーレムが出てくるのかな?」
「そうですね。ミチルさん、初動はどうするつもりですか?」
ミチルは少し頭を悩ませた。
「まずは基本通りに、前衛の2人に任せよう。ギルドからの情報によれば、ゴーレム自体はそれほど強くないらしい。問題は・・・」
「アンデッドのように、何度倒されてもしつこく起き上がってくることだね。それが何度も繰り返され、最終的に体力や魔力が切れて撤退を余儀なくされる」
ギルドから受けた情報はもう1つあった。それは本来魔獣であれば、その体内に魔晶石があるのだが、倒したゴーレムからはそれが見つからなかったという。
「つまり、そのゴーレムは魔獣の姿をした、新種の生物ってわけか?」
「粉々にされても復活する以上、生物と呼べるかも怪しいけどね」
するとミチルはセレナにある作戦を指示した。
「そこでセレナ、君は戦闘には参加はするな」
「えっ、なんで?」
「アイが持つ獣能“魔力探知”を使って、そのゴーレムを観察し続けろ。生物でないとするならば、その不死身には何かしらのカラクリがあるはずだ」
「なるほど、了解!」
「ヴィランとミリアは、前衛2人とセレナのフォローだ」
「わかりました」
「お姉ちゃんは私が守る!」
「俺らも守れよな・・・」
こうして作戦が決まり、一同は森の中を進み続ける。
歩数が増えるたびに胸の鼓動が高まっていくのを地肌で感じながら、それでも前へと足を踏み出し続ける。
そしてついに・・・。
「見えてきた」
先頭を行くサラが森の中にある広場を見つけた。その奥には情報通り、石で造られた遺跡のような建造物があった。
『おのれ、また人間が来おったか』
「まあいいじゃない。あの人たちからも有難く頂いちゃいましょう。お願いできる?」
『任せろ』
広場に足を踏み入れた一同。広場には、風を受けながら揺れる葉同士が重なる音だけが響き渡る。
「どうだ、セレナ。何か感じるか?」
「今のところは何も・・・アイも何か気づいたら教えてね」
『任せて!』
静寂に包まれる時間の中、全員に緊張が走り、その時が来るのを待つ。
そしてそれは唐突だった。
『セレナ!』
「12時方向、遺跡入り口!魔力察知!!!」
「全員、戦闘準備!!!」
セレナが指示する方角へ注目が集まる。すると遺跡の入り口から体が岩でできたゴーレムが複数体出てきた。
「情報にあった通りだね。セレナ、数は?」
「3体!」
「よし、まずは手筈通りに。行け、アイリク、サラ!」
ミチルの声と同時に勢いよくサラが駆け出す。
「ミント、お願い!」
『にゃ!』
サラが手に魔力をこめた瞬間、水がサラの手を覆いつくす。
サラの聖獣である猫型聖獣ミントの属性は“水”。しかし、体内の魔力を水に変えるだけで、セレナの蛇型聖獣ジイロンの風属性と同じく、水自体には攻撃力はなく、特別な力が備わっているわけでもない。しかし・・・。
「“青の鉤爪”!!!」
サラは手にまとった水を、武器の鉤爪のような形に変化させ、ゴーレムをひっかくように攻撃した。すると、特別な力を持たないはずのサラの水が、ゴーレムに引っ掻き傷を与える。
「どうだ!」
サラの強力な一撃にゴレームの体の一部が砕け、ゴーレムは怯みを見せる。
これがミントの獣能である。魔力で生成した水に“斬”という性能を付与し、剣のような鋭い斬撃を与えることができる。水の形状は剣や斧など、属性の力で様々な武器に形を変えることができるが、サラは自身の聖獣に倣って、鉤爪のみしか使わない強いこだわりがある。そのこだわりは、自身の獣能を“鉤爪”と呼称するほどだ。
「にゃにゃにゃにゃにゃ!!!」
猫のような雰囲気を醸し出しながら、ゴーレムに目に見えないほどの素早い斬撃を喰らわせていくサラ。
「本当に普段とは別人だね。あんなにインファイトな戦い方をするなんて」
「ほかの学部から“狂戦士”と異名をつけられるのも納得でしょ?」
「うん、これ以上ないぐらいしっくりくる」
サラは2体のゴーレムを同時に相手取り、水の斬撃で2体のゴーレムをあっという間に粉々にした。
しかし、3体目のゴーレムがその隙をついて、セレナたちに接近してくる。
「来るぞ!!!」
「させるかよ!ガルド!」
『ぐわっ!!!』
セリフとともに飛び出したアイリクが、ゴーレムの迫力のある突進を正面から受け止める。
「俺のガルドの獣能“怪力”は、お前の重さ程度じゃびくともしないんだよ!」
アイリクの熊型聖獣ガルドの獣能は“怪力”。文字通り、力を中心とした自身の身体能力を向上させる獣能である。その力は、体重が3倍近くあるであろうゴーレムの重さを軽々と止めるほどのものだ。
「この程度、ヴィランたちに任せるまでもねえ。喰らえ、“アイアンナックル”!!!」
そして、怪力で向上させた身体能力をさらに強固なものにするガルドの属性“鋼”。体を金属化させることで、怪力で得た力に加え、重量感のある攻撃を与えることができる。
また、その鋼のごとく硬さから、どんな攻撃も受け止めることができ、こういったチーム戦においては楯の役割も担うことがある。
「よっしゃ!一丁上がり!」
「こっちも完了した」
アイリクとサラ、2人の活躍によって3体のゴーレムはあっという間に討伐が完了した。
『くっ・・・やりおるな』
あっさりと終ったが、ここまでは一応計画通りだ。休息の必要はないと判断したミチルは、アイリクとサラに周囲への警戒をさせつつ、ヴィランたちと現状を確認する。
「情報通り、大したことはなかったな」
「そうですね。やはり魔獣の証である魔晶石も見つかりません。ですが、問題はここからです」
そして次に来るべく戦いに備えるため、ミチルは今もなお魔力を探知しているセレナに話しかける。
「どうだ?今の戦いの中で、ゴーレムに何かおかしいところはなかったか?」
「ないの・・・」
「ん?」
ミチルは思わず聞き返した。
「ないって、おかしいところがか?」
「そういう意味の“ない”じゃなくて、“なくなった”の。さっきまでは確かにあったはずなのに、今はもう微塵も感じられない」
「だから何のことだ?ゴーレムから魔力がなくなったとかか?だが討伐したんだから、それは当然・・・」
「違う。いや、違くはないんだけど、無くなったのは魔力だけじゃなくて。なんというか・・・命そのものがなくなった」
数日の宿泊を見越しての準備は昨日のうちに終わらせ、全員の士気はかなり高まっている。
「行っといで。しっかりやるんだよ」
「はい、行ってまいります」
聖獣奏者学部の初陣を聞きつけ、寮母のカナリアとヒリス学部長、そしてセレナの両親が出発前に激励を送ってくれた。
「達成困難な依頼と聞いてはいますが、あなたたちなら大丈夫と信じています。同行できないのは心苦しいですが、あなたたちが無事に帰ってくれることを祈っていますよ」
セレナの両親もセレナに激励の言葉を投げかける。
「しっかりな。周りを頼ることも忘れてはならんぞ」
「わかってるってば」
「皆さん、セレナのことよろしくお願いしますね。特にミリアちゃん」
「任せて、おばさま」
「もう・・・」
ミリアはすっかり、セレナの両親とも打ち解けていた。形だけとはいえ、妹となったミリアを両親に説明しないわけにはいかないと判断したセレナは、あの出来事の後、事のいきさつを両親に説明した。
両親はミリアの事情を知ってか、すんなりと受け入れてくれ、以後ミリアも本当の家族のように接してくれている。
激励を受けた一同は聖獣寮を出て、目的地へと出発した。
目的地は、人目につかないとある山奥にある遺跡であり。列車を3本乗り継ぐ必要がある。本来なら交通費は自己負担だが、学園長からの直々の推薦ということもあり、今回の旅費は特別に学園が出してくれた。
その列車での移動中、これから挑む戦いに向けて、それぞれの目的が冠水できるよう、各々が様々な思いに浸っていた。
「いやー、交通費だけでなく旅費まで出してくれるとは、学園長様様だな」
「下品な言い方はやめてください、アイリク。私たちの将来に期待してくださっている学園長の投資のようななものなんですから。期待に応えられるよう気を引き締めないと」
「わかってるって。注意一秒、怪我一生ってやつだろ?俺だって馬鹿じゃないんだ。油断して命を無駄に捨てるような真似をするつもりはないさ。俺もセレナのように属性と獣能を使いこなして、全員を必ず守って見せる」
「頼りにしてますよ」
2人のやり取りを傍で見ていたセレナは、ふとあることに気付く。
「(そういえば、自己紹介の時もそうだったけど、ヴィランの中で唯一、アイリクだけが呼び捨てなんだよね)」
ただふと気づいただけで、特に今解決するべき問題でもないと判断したセレナは、その疑問を胸の奥の引き出しにそっと閉まった。
「そういえば、サラ。今回の依頼の件、べらべらと他の学部の奴らに話していないだろうね?」
「・・・なんで?」
「だって君、他学部の奴と模擬戦をするたびにセレナのこと話していただろ?」
「えっ、そうなの?」
ミチルの話によると、サラは根っからの対人戦好きだという。だがそれに関しては、寮での特訓の段階で薄々気づいていた。
だがその好戦的な性格は寮内だけに留まらず、この学園に入学してからずっと、暇を見つけては他学部の人に模擬戦を申し込んでいるという。その数はもうすでに両手を使っても足りないほどに。
「へぇー。戦績はどれくらいなの?」
「勝率7割」
「すごっ・・・」
そのため、他学部との顔見知りが多く、学園内でも“狂戦士(バーサーカー)”という異名をつけられるほどのちょっとした有名人だ。
「何その異名・・・」
「それがサラちゃんの戦闘スタイルなんだよね。普段とは全然想像つかないでしょ?」
「うん」
本題はここからだ。サラは戦闘に入ると、戦闘スタイルだけでなく、口までも饒舌になり、普段の無口とは想像できないほど口が軽くなってしまう。
模擬戦が終わり、興奮状態がハイとなると、その軽くなった口で対戦者やその友達らと、それぞれの学部についての情報交換を行うのがお約束だという。
「セレナがこの学園に来る前から、何度も模擬戦をやっては、その度に次ぎ来る新メンバーの情報を他学部に漏らしていたんだ。当然、セレナが4属性を使えるという情報も他学部には筒抜けだ」
「それじゃあ、昨日の今日で決まったあの模擬戦にあれだけの人がいたのは・・・」
「噂が噂を呼んだんでしょうね。サラさんが広めた情報の真偽を知るべくして」
「なるほどね」
セレナの中で1つ問題が解決した。いくらあれだけの大人数の前で模擬戦の取り決めを行ったとはいえ、ただの戦闘初心者の戦いにあれだけの注目が集まるとは思えなかった。
だが事前にサラがセレナの情報を広めていたとすれば、他学部の生徒や講師からすると、これまで無敗の優等生と4つの属性を使いこなす大型ルーキーの試合と捉えられ、興味を引くのはむしろ当然だろう。
「そういうことだったんだ」
「あの模擬戦が終わっての数日間、お姉ちゃん大変だったもんね。噂が真実と知られて、模擬戦の申し込みや知り合いになりたいっていう他学部からの勧誘が凄かったからね」
「断るのが大変だったよ・・・」
「それについては、ごめん」
サラが珍しく落ち込んだ様子を見せる。
模擬戦の後、サラはヒリス学部長から呼び出しを受け、厳しく注意を受けていた。学園内での学生同士の交流によるものであったため、幸いにも大きな問題にはならなかった。
しかしこれが大人の世界となり、有力な新人の情報が他国に漏れたとなれば、戦力を削ぐための暗殺に繋がりかねない。これから戦闘を職に置く者として、改善すべき体質であるからだ。
「あれから模擬戦はヴィランにお願いして、付き添ってもらうようになった。暴走して口を滑らせないように」
「模擬戦を控えるとかじゃないのか・・・」
「まずは癖を直すのが優先ですからね。同じ釜の飯を食う仲間の頼みならばと引き受けた次第です。ですので、ご安心を。あれ以降、サラさんが他学部に聖獣奏者学部の情報を漏らすことはなかったと私が保証します」
「それならいいが。ところで、依頼に挑む前に僕からある提案があるんだが」
すると突然、ミチルが仕切りだした。
「この依頼をこなすにあたって、重要になるのはチームワークだ。各自バラバラに戦っていたんじゃ、入り乱れた際に同士討ちもあり得る。そこである程度のフォーメーションを決めておきたいのだが」
「なるほど、確かにそれはそうですね」
フォーメーションは、基本的に前衛、中衛、後衛に分かれて、それぞれに役割が与えられる。
「まずは僕の案を聞いてもらいたい。まず前衛だが、戦闘が接近タイプのアイリクとサラに任せる。サラは接近して攻撃し、アイリクは敵の攻撃を受け止める盾の役割だ」
「ん。任された」
「おうよ」
「次に中衛。これはセレナ一択だ。接近と遠距離の両方をこなし、状況に応じてアタッカーとサポートを使い分けてもらう」
「了解」
「最後に後衛。遠距離タイプのヴィランとミリア。前衛の2人のサポート役だ。以上が僕の考えたフォーメーションだが、意見のある者はいないか?」
きちんと地に足の着いたフォーメーションに反論の余地はなく、誰もが首を縦に振った。しかし、ここまでで役割が与えられていない人物がいることにミリアが気付く。
「ちょっと待って、ミチルは何するの?」
「僕は指揮官を務める。チーム全体を見ながら、状況に合わせて指示を与える役だ。戦場において、戦況を把握する人物は絶対に必要だ。当然君たちは僕の指示通りに動いてもらうことになる」
「なるほど。いろんな意味でミチルらしい配役だね」
するとミチルはちらりとヴィランの方を見る。ヴィランはミチルと目が合おうと、少し驚いたような表情をした。
「各自の戦闘スタイルを見た結果、僕はこれが一番いいと思うのだが。君はどう思う?」
「なぜ私に?」
「君はこの学部のリーダー的ポジションだろ?僕が指揮官であれば、納得できない部分もあるんじゃないか?そんなぎすぎすした状態は、戦場においては命取りになるからね。こんなこと、さっさと解決しておきたいんだ」
ヴィランは思わずふっと笑い、ゆっくりと首を横に振った。
「そうですね。つい最近の私であれば、恐らく自身の立ち位置に納得がいかず、無理にでも反論していたかもしれません。ですが、私はもうある人の真似事はやめました。これからは私らしく、今の私ができることを精一杯務めるつもりです」
メンバーは黙ってヴィランの言葉に耳を傾ける。
「私もこれが一番いいと思います。今の私では恐らく、皆さんを自在に動かす握力を持ち合わせていない。指揮はあなたにお願いします」
「・・・君はやはり変わったね。どういう心境の変化だい?」
「もう私は、リーダーという立ち位置に甘えて、無理に自分の目線を高くするのをやめました。無理に背伸びせず、皆さんと同じ目線でいたいと思った。それだけです」
学園のシステム上、リーダーという立ち位置は辞められないが、誰かの真似をしてリーダーらしく自分を装うのを止めたヴィラン。失うことを決めたはずなのに、その表情は活き活きとしていた。
「ですが、1つだけお願いがあります」
「なんだい?」
「戦場において、犠牲はつきものだということはわかっています。だからこそ甘い考えであることは重々承知の上ですが、私は誰1人として欠けることなくこの依頼を達成したい。それはここにいるメンバーもそうだと思います。ですから、この中にいる誰かを囮にしたり、犠牲になったりするような采配だけは絶対にしないでください」
「・・・わかった。肝に銘じておくよ」
ヴィランはミチルにしっかりとお灸をすえた。ミチルにはおそらくそんな気はなかっただろうが、咄嗟の機転でそういう作戦を取る可能性も十分にあるという、ヴィランなりの観察眼だ。
それから目的地までの到着の間、細かな打ち合わせを幾度となく行い、予想外のトラブルを除いては完璧な段取りとなった。
「あとは、運を天に任せるだけかな」
するとミリアがセレナの手をぎゅっと握る。
「頑張ろうね、お姉ちゃん」
「うん、ミリア」
それから数時間の列車の旅を終え、一同は目的地に最も近い町に降り立った。打ち合わせの中で、今日はこのままこの町のホテルで一泊し、明日の朝に調査に向かうことになった。
それからホテルで楽しいひと時を過ごした翌日。
「さて、それじゃあ覚悟を決めて行きますか!」
「ん。楽しみ」
「この状況を楽しんでいるのはサラちゃんぐらいだよ・・・。私なんて緊張であんまり眠れなかったっていうのに・・・」
この依頼に対しての意気込みに対し多少の温度差はあれど、モチベーションだけはみな高いままで保てている。その気持ちが落ち込まない内に、一同は遺跡に向かって足を進めた。
遺跡は情報通り山奥にあるようで、しばらくは登山が続く。
「遺跡についた途端、ゴーレムが出てくるのかな?」
「そうですね。ミチルさん、初動はどうするつもりですか?」
ミチルは少し頭を悩ませた。
「まずは基本通りに、前衛の2人に任せよう。ギルドからの情報によれば、ゴーレム自体はそれほど強くないらしい。問題は・・・」
「アンデッドのように、何度倒されてもしつこく起き上がってくることだね。それが何度も繰り返され、最終的に体力や魔力が切れて撤退を余儀なくされる」
ギルドから受けた情報はもう1つあった。それは本来魔獣であれば、その体内に魔晶石があるのだが、倒したゴーレムからはそれが見つからなかったという。
「つまり、そのゴーレムは魔獣の姿をした、新種の生物ってわけか?」
「粉々にされても復活する以上、生物と呼べるかも怪しいけどね」
するとミチルはセレナにある作戦を指示した。
「そこでセレナ、君は戦闘には参加はするな」
「えっ、なんで?」
「アイが持つ獣能“魔力探知”を使って、そのゴーレムを観察し続けろ。生物でないとするならば、その不死身には何かしらのカラクリがあるはずだ」
「なるほど、了解!」
「ヴィランとミリアは、前衛2人とセレナのフォローだ」
「わかりました」
「お姉ちゃんは私が守る!」
「俺らも守れよな・・・」
こうして作戦が決まり、一同は森の中を進み続ける。
歩数が増えるたびに胸の鼓動が高まっていくのを地肌で感じながら、それでも前へと足を踏み出し続ける。
そしてついに・・・。
「見えてきた」
先頭を行くサラが森の中にある広場を見つけた。その奥には情報通り、石で造られた遺跡のような建造物があった。
『おのれ、また人間が来おったか』
「まあいいじゃない。あの人たちからも有難く頂いちゃいましょう。お願いできる?」
『任せろ』
広場に足を踏み入れた一同。広場には、風を受けながら揺れる葉同士が重なる音だけが響き渡る。
「どうだ、セレナ。何か感じるか?」
「今のところは何も・・・アイも何か気づいたら教えてね」
『任せて!』
静寂に包まれる時間の中、全員に緊張が走り、その時が来るのを待つ。
そしてそれは唐突だった。
『セレナ!』
「12時方向、遺跡入り口!魔力察知!!!」
「全員、戦闘準備!!!」
セレナが指示する方角へ注目が集まる。すると遺跡の入り口から体が岩でできたゴーレムが複数体出てきた。
「情報にあった通りだね。セレナ、数は?」
「3体!」
「よし、まずは手筈通りに。行け、アイリク、サラ!」
ミチルの声と同時に勢いよくサラが駆け出す。
「ミント、お願い!」
『にゃ!』
サラが手に魔力をこめた瞬間、水がサラの手を覆いつくす。
サラの聖獣である猫型聖獣ミントの属性は“水”。しかし、体内の魔力を水に変えるだけで、セレナの蛇型聖獣ジイロンの風属性と同じく、水自体には攻撃力はなく、特別な力が備わっているわけでもない。しかし・・・。
「“青の鉤爪”!!!」
サラは手にまとった水を、武器の鉤爪のような形に変化させ、ゴーレムをひっかくように攻撃した。すると、特別な力を持たないはずのサラの水が、ゴーレムに引っ掻き傷を与える。
「どうだ!」
サラの強力な一撃にゴレームの体の一部が砕け、ゴーレムは怯みを見せる。
これがミントの獣能である。魔力で生成した水に“斬”という性能を付与し、剣のような鋭い斬撃を与えることができる。水の形状は剣や斧など、属性の力で様々な武器に形を変えることができるが、サラは自身の聖獣に倣って、鉤爪のみしか使わない強いこだわりがある。そのこだわりは、自身の獣能を“鉤爪”と呼称するほどだ。
「にゃにゃにゃにゃにゃ!!!」
猫のような雰囲気を醸し出しながら、ゴーレムに目に見えないほどの素早い斬撃を喰らわせていくサラ。
「本当に普段とは別人だね。あんなにインファイトな戦い方をするなんて」
「ほかの学部から“狂戦士”と異名をつけられるのも納得でしょ?」
「うん、これ以上ないぐらいしっくりくる」
サラは2体のゴーレムを同時に相手取り、水の斬撃で2体のゴーレムをあっという間に粉々にした。
しかし、3体目のゴーレムがその隙をついて、セレナたちに接近してくる。
「来るぞ!!!」
「させるかよ!ガルド!」
『ぐわっ!!!』
セリフとともに飛び出したアイリクが、ゴーレムの迫力のある突進を正面から受け止める。
「俺のガルドの獣能“怪力”は、お前の重さ程度じゃびくともしないんだよ!」
アイリクの熊型聖獣ガルドの獣能は“怪力”。文字通り、力を中心とした自身の身体能力を向上させる獣能である。その力は、体重が3倍近くあるであろうゴーレムの重さを軽々と止めるほどのものだ。
「この程度、ヴィランたちに任せるまでもねえ。喰らえ、“アイアンナックル”!!!」
そして、怪力で向上させた身体能力をさらに強固なものにするガルドの属性“鋼”。体を金属化させることで、怪力で得た力に加え、重量感のある攻撃を与えることができる。
また、その鋼のごとく硬さから、どんな攻撃も受け止めることができ、こういったチーム戦においては楯の役割も担うことがある。
「よっしゃ!一丁上がり!」
「こっちも完了した」
アイリクとサラ、2人の活躍によって3体のゴーレムはあっという間に討伐が完了した。
『くっ・・・やりおるな』
あっさりと終ったが、ここまでは一応計画通りだ。休息の必要はないと判断したミチルは、アイリクとサラに周囲への警戒をさせつつ、ヴィランたちと現状を確認する。
「情報通り、大したことはなかったな」
「そうですね。やはり魔獣の証である魔晶石も見つかりません。ですが、問題はここからです」
そして次に来るべく戦いに備えるため、ミチルは今もなお魔力を探知しているセレナに話しかける。
「どうだ?今の戦いの中で、ゴーレムに何かおかしいところはなかったか?」
「ないの・・・」
「ん?」
ミチルは思わず聞き返した。
「ないって、おかしいところがか?」
「そういう意味の“ない”じゃなくて、“なくなった”の。さっきまでは確かにあったはずなのに、今はもう微塵も感じられない」
「だから何のことだ?ゴーレムから魔力がなくなったとかか?だが討伐したんだから、それは当然・・・」
「違う。いや、違くはないんだけど、無くなったのは魔力だけじゃなくて。なんというか・・・命そのものがなくなった」
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる