神の創造し魔法世界

アネモイ

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2人の救世主

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 世界を新たに創り直すため、まずは自身が国王となる国を起こそうとするアネモイ。その第一の足掛かりとするべく町に到着すると、町はアネモイの予想を裏切るように、たくさんの人口で賑わいを見せていた。

 ある国の領主が武力で町を乗っ取り、過酷な労働を住民に虐げているとばかり思いこんでいたアネモイ。しかし現実は、経済が潤沢に回り、人々は活気を見せつけ、アネモイが理想とする平和そのものの姿。平和すぎて、逆に不気味にも思えるほどに。
 しかし、その平和な裏には何かが潜んでいるとにらんだアネモイは、この町を調べて回ることにした。
 
 町へ到着して翌日。日が高く昇り、宿にて朝食を終えたアネモイたちは、さっそく町に散策に出ていた。
 
 「昼も夜に負けないぐらい賑わってるね。敵であるはずの他国からも人が流れているようだし、本国でもない植民地が、たった数年でここまで活性化されることってあるのかな?」
 「神である私ですら知らないシステムを人間が作り出したとしか思えない。それが世界の発展に繋がるのならまだいいが、悪影響を与える尊司ならば話は別だ。神として無視することはできん」
 
 アネモイたちはさっそく町にて聞き込みを始めた。
 まずは道で露店を開いている、40代前後のおおらかそうな女性店主に目を向けた。
 アネモイたちは買い物がてら、その女性に話を聞いた。
 
 話を聞くと、この活性化における貢献者は、この町のシンボルである教会の関係者だという。
 
 「この町には教会が存在するのか?」
 「3年前の話さね。かつて独立国家だったこの土地が、スプリブルク王国によって襲われ、独立国家の住民たちはその国に引き抜かれ、領民となった。だがこの土地はもともと、独立国家の者たちの努力で畑や田んぼは手入れが行き届いていたがために壊滅されることなく、町はその姿を保ったまま、植民地として国に税を払うことだけを命じられたのさ」
 「今までの暮らしの中に、税の支払いが追加されただけじゃん。ここにいた独立国家の人たちは、そんな一方的な負担をすんなりと受け入れたんですか?」
 
 女性店主は首を左右に振った。
 
 「当然最初は反発をしたさね。でも武器を持った軍隊を前に、成す術なんてあるはずもない。当時の独立国家の者たちは、諦めて降伏したのさ。とはいえ、税を搾り取られるばかりではなかったさね。近くに軍人基地が建設され、他国からの強襲があってもすぐに軍のものが駆けつけてくれるようになった恩恵はある」
 
 ちなみに、その軍人基地には普段は片手で足りるほどの人数しか配属されておらず、緊急時には転移魔法陣にて本国から応援が駆けつける仕組みになっている。
 この転移魔法陣も、アネモイが原初の人間に与えた魔法の1つだ。
 
 「神の力、いいように利用されてるね」
 「人間の進化の発展のために与えたものだったのだがな。まさか、人間の楽を支援する道具に成り下がってしまうとは・・・」
 「考えればわかることじゃん」
 
 フィルスは呆れてものも言えない様子。
 それを傍らで聞いていた店主の女性の頭にクエスチョンマークが浮かび上がる中、アネモイは話題を切り替える。
 
 「確かに、町周辺に武器を携えた男たちがうろうろしてたな。彼らは国から派遣された軍人だったというわけか」
 「律儀に通行税までむしり取られたもんね」
 「植民地の民を守る名目ではあるのだろうが、見方を変えれば見張りの役も兼ねている。もはやここは、檻のない牢屋だ」
 
 店主の女性は乾いた笑いを浮かべる。
 
 「でも悪いことばかりではないさね。この地が植民地となってから1年後、国からの使者様が2人来てくださってからは、この町には思いもよらなかった活性が生まれた」
 「使者?」
 「その使者様はどちらも神術使いでね、1人の使者様はどうやら未来を予知できる神術らしく、この町にある予言をくださった」
 
 この瞬間。アネモイの目の前に初めて、この町に潜む影との対面を表すような緊迫感が襲いかかる。
 
 「その聞かされた予言とやらを聞いてもいいか?」
 「数日後、この町に疫病が蔓延するという予言さね。その病気から自国の民を守るため、我々は領主様の命令で国から派遣されてきたと申してあった」
 
 アネモイの胸がざわつき始める。
 
 「それからどうなった?」
 「それから国によって、この町に教会を造れとの命令があった。町の男たちが駆り出され、簡易的ではあるが教会と呼べる施設が出来上がった。それから数日後、その予言通り、国に疫病が蔓延した。罹ったものは発熱を起こし、呼吸困難を患い、命の危機にも苛まれる始末。そこを救ってくださったのが、もう1人の使者様さ」
 
 店主の女性は誇らしげにもう1人に使者様について語りだした。
 
 「その方が恩恵を受けた神術は、神との対話」
 「神との対話だと!?」
 「そうさね。この世界で、天から見守ってくださる神様と唯一対話を許された存在。それがもう1人の使者様の神術。使者様はその神術を用いて、病を患った者たちに神を経由しながら神からの祝福を与えてくださった。それを授かった者たちの病はみるみる回復。やがてその方を神の巫女様と崇めるようになったというわけさ」
 「ほう・・・それは興味深い」
 
 フィルスはアネモイの表情に不気味な笑みが浮かび上がるのが見てわかった。
 
 「(明らかに疑ってるな。まあ、気持ちはわかるけどね。まずこの世界を創造した張本人に心当たりがないんだから)」
 
 のちに町民たちは、この町を救った国への感謝と、未来への忠誠を誓って、1年の歳月を使ってこの町に立派な教会を造り上げたそうだ。
 
 「なるほど。この町に1つだけ、やけに立派な建物があるとは思ったが、あれがその教会というものか」
 
 アネモイはすべての話を聞き終えると、ふと思い浮かんだ疑問を店主の女性に投げかける。
 
 「1つ聞いてもいいか?」
 「なんだい?」
 「その疫病とやらが蔓延した原因。その使者たちである可能性はないのか?」
 「アネモイ、そんな言い方・・・」
 
 すると先ほどまで穏やかな店主の女性が、突然大きな怒声を発した。
 
 「馬鹿を言うんじゃないよ!!!」
 「!?」
 
 あまりの怒声にその場にいた通行人たちも足を止めた。
 
 「いいかい!聖人様方は、我らをお救いくださった。それは紛れもない事実であり、この町にいる誰もが聖人様方に恩を感じ、忠誠を誓っている。その象徴があの教会さね。使者様方は今でなお、病気に苦しむ住民をあの教会で救ってくださっている。そんな恩人に、今度無礼なことを言ってみな。軍に報告して、この町から追い出してやる!」
 「わかった。私が悪かった」
 
 アネモイは慌てて買った物の代金を店に置いた。
 
 「迷惑料として多めに置いておく。気分を害してしまってすまなかった」
 「ふん・・・あんたもこの町にいるんだったら、あんなこと二度と言うんじゃないよ」
 「肝に銘じておく」
 
 アネモイたちは周囲の視線を感じながら、逃げるようにその場を後にした。
 
 「びっくりしたー。まさかあんなに怒るなんて。でもあれはアネモイが悪いよ」
 「あの程度で怒るとは思わなかったんだ」
 「あの人にとってはそれぐらいのことだったんだよ。価値なんて人それぞれっていうじゃん?むやみやたらに人を疑うものじゃないよ」
 
 アネモイは少し考えたのち、ここで初めてフィルスの意見を否定した。
 
 「いや、私はこれでいいと思う」
 「なにが!?」
 
 フィルスは怒り交じりに聞き返す。
 
 「落ち着け。あの露店の女性のことではない」
 「じゃあ、これでいいってどういう意味よ?」
 
 アネモイは必死にフィルスをなだめる。
 
 「聞き取り調査についてのことだ。聞き取りを行ったうえで、私たちは1つの結論にたどり着く必要がある。だがその結論に至るまで、私たちが同じ道筋をたどる必要はないだろう。お前は信じる立場で、私は疑う立場で話を聞けば、それぞれ別の解釈を持つことができる。そう言いたいんだ」
 「まあ、確かに一理あるかもだけど・・・」
 「お前が教えてくれたのではないか。“仲間は常に一緒である必要はない。互いの意見を交わしながら、最善の道を一緒に見つけてゆく”と。お互いに利となるやり方で、最後に意見を混ぜ合わせる。それでよいではないか」
 「でもだからって、疑いを目の前の人にぶつけるのは違うと思うよ。聞き取りはあくまで聞き取り。そこで確信にまで踏み込む必要はないと私は思うな」
 「そうだな。確かにそこは私の反省点だ」
 
 アネモイは、先ほど女性を怒らせたことを反省し、次に生かそうと心掛ける。

 「それで、これからどうするの?」
 「決まっているだろ。例の教会とやらに話を聞きに行く」
 「やっぱりそうだよね」

 いきなり敵陣に殴り込みなど気の進まないフィルスだったが、一番の手がかりがあるのがそこしか考えられないため、渋々了承する。
 
 だがここで、フィルスにとって予想外な命令がアネモイから下される。

 「そこでの使者とやらへの挨拶はお前に任せる」
 「なんでよ!?」
 「初対面相手のコミュニケーションはお前の得意分野であろう?それに相手は神術を使うという。できれば、いつでも対抗できるよう、常に感知できるようにしておきたい。まあ、適材適所ってやつだ」
 「なんか面倒ごとを全部押し付けられている気がする」
 「そう拗ねるな。お前のそのコミュニケーション力の優秀を買ったうえで、頼んでいるのだ」
 「わかったよ・・・」

フィルスは渋々納得した。

 「そういえば、この町を発展させた人物の話だけでなく、その人たちの使う神術まで判明するとは思わなかったよ。えっとー・・・片方が“予知”で、もう片方が“神との対話”だっけ?」
 「その片方は間違いなくフェイクだろうがな。何せ神である私自身に、そんな対話をしたという記憶がない。だからこそ用心する必要がある」
 「でも、天界には他にも神様はいるんでしょ?そのうちの1柱が、アネモイの見ていないところで、そういうことやってるのかもしれないよ?」
 「・・・確かに、その可能性は捨てきれないか。何せ、創造を命じられていない神共は、暇つぶしの感覚で、平気で世界に干渉しようとしてくるからな。その可能性を考慮すると、頭が痛くなってきた」

 段々とアネモイの教会へと向かう足が重くなり始める。
 一方それはフィルスも同じなようだ。気軽に挨拶に行くだけなら何ら問題はないフィルスだったが、探りを踏まえた敵情視察を踏まえながらの挨拶となると話が変わる。嘘とは無縁のまっすぐな性格のフィルスにとって、どちらかというとそれは苦手な分野だ。

 そうこうしているうちに教会に到着した2人。周囲の建物とはあまりにも出来が違う見た目に、思わず言葉を失う。

 「わー、すごーい。頑張って建てたんだね。この町の人たち」
 「いくら恩を感じているとはいえ、ここまでのものを造る必要があるのか?城といっても差し支えない出来だぞ」
 
 アネモイたちがまるで城のような風格の建物に目を奪われていると、来客に反応するセンサーがあったのか、タイミングを見計らったように1人の男性が中から出てきた。

 「ようこそ、我らが領主スプリブルク王国が経営する教会へ。おや、見ない顔ですね。もしかして旅のお方ですか?」
 「は、はい!旅の途中で偶然立ち寄って。立派な建物だなぁって」
 「そうですか、そうですか。ここはわが町が唯一、胸を張ってシンボルと言える建物ですからな。申し遅れた。私はここで神父を勤めていますグールスと申します。どうぞせっかくですから、中へと進んでお祈りでもしてやってください」

 アネモイたちはグールスに案内されるがまま、教会の中へと入る。

 「ねえ、アネモイ。もしかしてこの人・・・」
 「ああ。この男から神術を感じる。話の中に出てきた使者の1人だろう」
 「でも神父って・・・」
 「教会に合わせたカモフラージュ、形だけのようなものだろう。その時点でだいぶ怪しいが。用心しとけよ」
 「うん」

 早速アネモイの目が疑いの目へと形を変える。

 教会内の身廊を抜け、奥へと案内されるアネモイたち。すると教会らしく神が祀られていると思われる大きな祭壇がアネモイたちを待ち受ける。

 「中も随分と立派なものだ」
 「ありがとうございます。町の住民が頑張ってくれましたので」
 「(その頑張りが異常なような気もするが)」

 まるで電飾でも使っているような神々しい見た目の祭壇にアネモイは思わず顔を引きつる。

 すると、祭壇のすぐ前の席に腰を掛けている、1人の聖女らしき服装を身に付けた女性を見つける。
 アネモイは、その女性からも神術を探知し、すぐにその女性がもう1人の使者だと気づいた。それもかなり大きな力だった。

 「(人間にしてはかなりの魔力だな。恐らくこれまでに会ったどの神術使いよりも。私はともかく、フィルスには警戒を厳重にするよう・・・)」

 すると、傍にいたはずのフィルスの姿がどこにもない。焦って辺りを見回すアネモイが祭壇の方に目を向けると、今考えられる上で最悪の状況を目にする。

 「こんにちは!私フィルスって言うの。あなたの名前は?」
 「え、えっとー・・・」
 「まさか、使者様の1人がこんなにも年が近い子とは思わなかった。よかったら私と・・・」

 ゴンッ!!!
 周囲に鈍い音が響き渡る。

 「いったー!!!」
 「コミュニケーション力を発揮しろとは言ったが、その勢いのまま友達にまで進展するんじゃない!お前は私の心臓を止める気か!?」
 「いや、あんたに心臓なんて・・・」

 ゴンッ!!!
 
 「っつー・・・」

 声にならない悲痛の叫びが名も知らない少女を慌てさせてしまう。

 「だ、大丈夫ですか!?というかあなた方、神の御前で・・・」
 「心配するな。私が神・・・」
 
 ずんっ!!!

 「ぐふっ!!!」

 フィルスの肘うちがアネモイの腹に直撃し、アネモイはあまりの痛さに蹲る。

 「いや、あなたまで!」

 フィルスは蹲るアネモイにだけ聞こえるよう、屈みながら小声で話しかける。

 「馬鹿なの!?偽物の教会になにムキになっているのよ!あんたのプライドはそんなものか!」
 「す、すまん・・・というか、お前こそ似たようなこと言ってなかったか?」
 「私は・・・あんたみたいにはっきりとは言ってないから!」
 「理不尽・・・」
 
 戸惑う少女とグールスを放っておいて、言い争いを繰り広げる2人。
 穏やかに挨拶だけ済まそうと思った矢先、逆に疑いの目が向けられ、先行き不安な2人であった。
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