幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第1章 幼子は、もふもふな幼子たちと子守役に出会う

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 ふわっと浮かんだ葉も、驚いたしずくがぼんやり見てるうちに掌の上に戻っていた。


 『感覚が掴めたな、しずく、その調子だ。

 次はもっと長く保持できるように考えてみろ。』


落ち着いた声の師匠にお褒めの言葉をかけられて、しずくもはっと気が付いた。

 (やっと一つできた、うれしいよ~)

なんとなくこの辺と思う方を向いて、

 「ありあとごじゃましゅ、でちまちた。

 うれちいでしゅ、ちちょう~

 うん…あい、がんぱゆましゅ。」

ぺこりとお辞儀をするとお礼を言いながら、お褒めの言葉もうれしくて、しずくの心は浮上していった。


張り切って何度も試していると、コツがつかめた気がして力の入れ方を変えてみたりもした。


 (はっぱを、力で包んで持つつもりで…)

 「あったかぽかぽか、はっぱもぽかぽか

  ふわふわなって...」

今度は葉も、落ちも飛び去りもせずに、しずくが気を抜くまで、浮かんでいた。


 『しずく、うまくできたわね~

 今の感じを忘れないでね~

 いろいろと試していたのがよかったわ~

 力の使い方がわかってきたのかしら~』


 『力はいろんなことに使われる。

 速く走る、高く跳ぶだけではないぞ。

 力の流れを自由に動かせれば、しずくもいつかはゆきやかすみと同じ事ができるだろう。』


 「うれちいでしゅ、(落ち着いた声の)ちちょう!

 もう片方の(明るい声の)ちちょうも、ありあとごじゃましゅ、がんぱゆましゅ。」


 『落ち着いた声の師匠とは、われのことか。

 心語で届いてるぞ、しずく。』

 『あら~明るい声の師匠って~私かしら~

 嬉しいわね~』

この場の勢いでその呼び方に許可をもらって、しずくの心は浮かれたまま回復していった。


ゆきとかすみも、いつの間にかしずくのそばにいてふわふわな尾と長い尾羽をふりふりして、しずくの頑張りをほめてくれているみたいだ。


 「ゆち(ゆき)も、かしゅみ(かすみ)も、ありあとごじゃましゅ、うれちいでしゅ。

 ゆちと、かしゅみのれんちゅうも、みたいてちゅ。
 みてても、いいでしゅか?」

ゆきとかすみの方に向き直ったしずくは、かわいいふわふわたちの姿に癒されてニコニコになり、更に前向きになっていた。

 「わふん!」「ぴいー!」

ゆきもかすみも、見せてくれるらしく一鳴きすると、先ずはゆきがしっぽを振り振り水辺の岩の上に移動した。


それからゆきはしずくの方に向き直ると、おもむろに片足を挙げてとんと岩に下した。

足元の水面が盛り上がり、水玉を残して平らに戻る。

ゆきが水玉をちらりと見て、唸り声を漏らした。

 「ワゥゥ…」

水玉が唸り声に押されるように、震えながらしずくの方へ向かってきた。

急いでしずくが両掌を差し出すと、水玉は急に崩れて水に戻り、その手に溜まった。


「ゆち(ゆき)、しゅごいでしゅ~

 じょうじゅになたでしゅね~

 おみじゅ、しじゅくにくれゆでしゅか?

 ありあとごじゃましゅ、いたらきましゅ。」

 
一口飲んでみるといつもよりおいしく感じたしずくはひとりで飲むのはもったいないと思った。

 「ゆち(ゆき)も、かしゅみ(かすみ)も、いっちょにのみまちょう~

 と~てもおいちいの~」


差し出した手から、交代しながら一口ずつ水を飲めば、皆もやっぱりいつもよりおいしくて体に染み渡る気がしたようだ。


 「おいちかった~ごちしょうしゃまでちた。」

飲み干してから、ゆきに向かって、かすみと一緒にぺこりとしてお礼を言うと、


「わふん…くうん…」

一鳴き返したゆきは、照れくさそうにそのふわふわなしっぽをふりふりしたのだった。

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