幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第1章 幼子は、もふもふな幼子たちと子守役に出会う

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 それからしばらく、幼子たちは、林を抜けるまでにもいくつか食べられる葉や木の芽を教わった。

緑色の葉が重なった毬のような芽や、小枝にしか見えない木や草の芽は、その姿の時だけ食べられるそうだ。

 (育った姿は知らなくてもいいかな?

 食べられないし、覚えきれる気がしない~)


しかも、ちくちくした毛でいっぱいの草の芽は、土の中に隠れていて、深く掘らないと採れない。

やっぱり細かい毛でいっぱいの木の芽は、高い木の枝先に、いっぱいのとげと一緒に生えていた。


 (あれらは、わたしが採るのは無理だよね~)

 
しずくがあきらめた目で見ていたのに気が付かれたのか、師匠が新しい訓練を言い足した。


 『では力の使い方、応用編だ。

 ゆき、地面を掘ってみなさい。

 わかるかな、このあたりだ。』

 
するとゆきの近くの土が淡く光っている。

 「くうん、わうん…わふん」

光る場所をじっと見て、少し小首を傾げて考えていたらしいゆきは、一鳴きすると足元をトンと叩いた。

すると師匠が指示したらしいその場所が盛り上がり、土の小山が出来上がった。

ゆきが、更にトンと叩くと、土の小山は崩れながら横に動いていった。

後にはぽっかりと穴が開いて居て、その穴の底には埋まっていたらしい草の芽が姿を見せていた。

 (すごい、あの土を全部掘り出したのか~)


感心したしずくが拍手でゆきをほめていると、今度は楽しそうな声がかすみを促した。


 『次はかすみノ番よ。さぁ、あの芽をどうするのかしら?』

やっぱりかすみも、少し考えていたが、穴をにらむようにしながらその長い尾羽を揺らし始めた。

すると尾羽の動きに合わせるように、草の芽の根元の土が渦巻きながら舞い上がり、穴の外に出てきた。

最後に、しっかり根ごと掘り出された草の芽が、飛び出してきた。


 『ゆきもかすみも、上出来だ。

 どうだ、しずく、こんなこともできるぞ?』


 「ゆちも、かしゅみも、かんがえたでしゅか。

 しゅごかったでしゅ~

 しじゅくも、かんがえて、ぽかぽかしゅる…」


しずくが座って、ゆきとかすみが作った小山を見ながら考えていると、足元が温かく感じた。

見るとゆきとかすみがしずくの脚に乗っかっていて、そのままそこで寛いでいる。

しずくにとっては嬉しいことなので、そのままそのふわふわな毛と羽をなでなでしながら考え続けた。


 (この態度は、励ましてくれてるんだろうな~

 頑張って、自分にできることから始めよう~

 わたしにできること、体をぽかぽか、手と脚をぽかぽかして、岩を登って飛び降りた?

 それから手に乗せた葉っぱをぽかぽかして、少し浮かせた...?)

 
膝の上で寛ぐゆきとかすみを、撫でながらじっと見て更に考える。


(脚をぽかぽかした時、足元を他よりも多めにぽかぽかしたらどうかな?

 体が浮くかな?

 高く跳べるのかな?

 あの木の芽に、届くかな?)


わくわくしてきたしずくが試してみようと、ゆきとかすみをそっと膝から降ろして立ち上がった。

(どうなるのかな、うまくいくかな~

 どきどきするね~)


 「やってみましゅ。

 あったかぽかぽか、あんよのぽかぽか、もっちょしゃちまでぽかぽかなって、おねまいちまちゅ...」


しずくは脚がぽかぽかして、足先はもっとぽかぽかな気がしていた。

でも体が浮いたかどうかまでは、しずくにはわからなかった。

 (あの木の芽に向かって、跳びついてみようか~

 高く跳べるかもしれないし、届くかも~)


しずくが少しかがんで跳ぼうと脚に力を入れたとき、焦ったような師匠の声がした。


 『待てしずく、跳ぶな!』

 
 
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