幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第3章 幼子たちと子守役たちはモフモフ巡りをする

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 幼子たちは夢の中でもお散歩を楽しんでいた。夢の中だと分かっているためか、自分の体の動きが良い。
一蹴りで、いつもより早く遠くまで進んだ。しずくは根っこ道を下りても上まで、簡単に戻った。ゆきなら一蹴りで根っこ道を昇り降りができた。かすみは、足でけって羽を広げただけでも、すうっと進んでいった。思い通りに動けるのが嬉しくて、幼子たちは遊びのように繰り返して蹴り歩いていた。更にそこに蒼い鬣の長あおいたてがみのおさが現れて、幼子たちを背中に乗せてくれたのだ。長の背中で揺られてのお散歩を楽しみながら、幼子たちはいい夢だなと思っていた。

目覚めてすぐいつものふわふわかすみもふもふゆきの擽り攻撃という名のゆきとかすみの尾っぽでの挨拶を受けた後で、しずくが楽しかった夢の話を始めた。すると驚いたことに、ゆきとかすみも同じ夢を見ていた。
 「いいゆめでちた、でもふちぎでしゅね~」
ゆきとかすみに、御返しのなでなで攻撃をしていたしずくがつぶやくと、
 『…あなたたち、起きた途端に元気でよかった、なの。その夢は、ほとんど実際に起こった事なの。どこまで覚えてるのかしら、なの。』
正面の壁の窪みで休んでいた薄紅色の尻尾りすは、幼子たちがお家の樹森の中心にある巨木の樹に帰るとすぐに寝てしまって、皆が心配していたと教えてくれた。そこでまずは広場へ行って、長たちに元気な顔を見せようということになった。

 「わふっ!『おきたよ、げんきだよ、あそぼ~』」
 「ぴぃ~『おきた~いつでもとべる~』」
 「おはよーごじゃましゅ、げんき、なりまちた、おしゃんぽ、いちゅでも、いきましゅ!」
起き抜けから元気な幼子たちの挨拶を受けて、長たちは、気が抜けた。帰ってきたときのぐったりした幼子たちを見ていたので、ひときわ安心した。
 『ほほっ、その様子なら、良い体験をしたのですかの~儂と留守番の長たち他の森の長たちに、お散歩のお話を聞かせてくれますかの~』
楽しみにしていたといわれて、幼子たちは張り切ってお散歩中の出来事を話し出した。
 「わふっ『みかんいろのしっぽももんがとねっこみちでかけっこして、ゆきがかった。』」
 『それはきっと夢でも見たのね~実際はあたしがゆきに勝ったのね~』
 「ぴぃ~『うすべにいろのしっぽりすといっしょにくさのうえをとんで、べにいろいっぱいみつけた。』」
 『それ大体その通りだけど、かすみと並んで飛び廻ったのは、りすの毛玉たち小さき者たちなのね~』
 「あおいたてがみのおさのもりに、おとまりにいく、やくしょくしまちた。」
 『ほほっ、その約束なら、留守番の長たち他の森の長たちともしてましたかの~』
時々みかん色の尻尾ももんがの訂正の振りしたヤジを交えながら、幼子たちはお散歩中の出来事を挙げていった。
 「わお~ん!『いっぽでねっこみちをのぼって、いっぽでおりた。』」
 「ぴぴ~っ『ひろげたはねだけで、となりのみちまでひとけりですすんだ。』」
 「いちごいっぱいとって、みちのうえまではこんだ。」
これはどうだと、幼子たちが問うと、
 『こっちは確かにあった事なのね~ゆきは一蹴りが無駄なく強くなってきたなのね~かすみは一瞬浮いたようになって遠くまですすんでたなのね~。しずくも、手に持ったいちごをつぶさずに、蹴り足だけで道を登ってたなのね~
あなたたちは、前よりも手足や羽を上手に使うようになったなのね~』
幼子たちはみかん色の尻尾ももんがだけでなく、金目の長長たちの代表留守番の長たち他の森の長たちからも大いに褒められた。

幼子たちは照れながらも、大いに喜んだ。








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