幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第3章 幼子たちと子守役たちはモフモフ巡りをする

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 幼子たちは・たけ・の森を出ると、即座に周りの確認に出かけた。ゆきは・たけ・の森の周りを見に走り、かすみは森の外を見に飛び立った。しずくは、丸太を集めた広場で、大毛玉大きな者達の話を聞いてみることにした。
ほっそりした大毛玉いたちが運んできた大きな切り株大きな入れ物を前に、丸い大毛玉大きな者・たぬき・は唸っていた。
 『集めた木の皮たけの芽の皮だけかと思ったら~、とんでもな~い、拾いモンだーに~』
 『この森の幼子だろうし、誰か知ってる者がいるだろうに~その様子だと、お前らは知らないのかに~』
 『俺たちの所でも、この幼子を知る者はいないだろに~森の長に尋ねるのが、この幼子のためにも一番いいだに~すぐに呼んで来るに~』
 『そんなら、俺らーは、入れる所ーの、丸太ーでも、持ってくるーかに~この子ーは、任せたに~』
 『少しの間、俺のこの作業に、付き合ってもらうかに~』
残ったほっそりした大毛玉いたちは、幼子を抱えると、集まった丸太を調べ出した。
そのうち、ゆきとかすみがお出かけから戻ったが、どうもしずくには落ち込んで見えた。
 「おかえりでしゅ~どーでちたか、・たけ・のもりのほかに、なにがあったでしゅか?」
 「わお~ん!『まわりは、いろんなきのもりだった。おおきいけだまたち、ふといきの、おおきなうろで、ねてた。』」
 「ぴぴぃ~『ここは、とてもおおきなもりの、いちぶの・たけ・のもり、たかいやまは、みえなかった。きょぼくのもりも、みえなかった。』」
 「わふっ『おおきいけだまの、おうちのきは、きょぼくじゃない、しらないきだった。』」
 「そーでちたか、やっぱし、しらないもり、でちたか~もーしゅぐ、このもりの、おさが、くるみたいでしゅから、あのこ毛玉の幼子のことも、わかりゅかも、でしゅ~」
だからあまり落ち込まないようにと元気づけていると、この森の長がやって来た。
 『森の切り株ん中に、幼子が居ったとゆうんは、どうゆう事や。その幼子はどこや?』
 『こっちですに~この切り株のうろに入れて、そのまま持ってきましたに~ずっと寝てますんで、長もお静かに願いますに~』
長と呼ばれた大毛玉を見て、幼子たちは予想が当たって驚いていた。よく似た大毛玉この森の大きな者毛玉たち九尾の長の森の小さき者たち
、・たけ・の広がった森。
 「あのおおきなけだまが、ここのおさでしゅか~やっぱり、きゅうびのおさに、にてましゅね~」
 「ぴぃ~『あのおおきなけだまは、みためも、はなしかたも、たぶん・きつね・!』」
 「わふっ『でも、ぜったい、きゅうびのおさじゃない!』」
幼子たちは、やはり期待した分だけ、がっかりもしていた。
 「『『おさのしっぽが、ふたつしかない!・きつね・なのに、しっぽを、かくしていない!』』」
この森が、九尾の長の森ではないことは、もう間違いなかった。だが、幼子たちにできるのは、とりあえずこの場の観察だと、見続けることにした。
 『この中かいな、ふーん、確かに幼子やなぁ。ワイは特には聞いておらんけど、念のためや、他のモンにも聞いてみよか。』
この森の長きつねは、毛玉の幼子を尻尾で包んで背中に乗せて歩き出した。
 『先に戻っとくから、若芽の皮は、配達を頼むでなぁ。大物やって聞いて、皆でお待ちかねやったで。』
どうやら、やっとこの森の毛玉たちが集まる場所に向かいそうで、幼子たちもいそいそと後を追いかけた。
 長が向かったのは、太い樹がぽつぽつ生えているだけの、広い草原だった。ただ、草原にはゆっくりとした流れの浅い川があって、そこに毛玉たちが集まっていた。
 『みんな、ちょっと手を止めてくれんかなぁ。この子やけど、森の中で見つかってなぁ。誰か何でもいいから、判るやろか?』
水際で、何やらバシャバシャやっていた毛玉たち小さき者たちが、一斉に振り向いて話し出した。
 『…わかぎのかわが、もうないにぃ』『…まだまだたりないにぃ』『…まるたも、はやくとりかえてほしいにぃ』『…もうすぐ、むこうのまるたみちが、つかえなくなるにぃ』
 『…そのおさなご、どうしたにぃ』『…あたらしいおさなごがくるとは、きいてないにぃ』
 『…やっぱり誰も知らないか~ほな、当分はワイのうろで一緒しような~そんな訳で、幼子の分も、ワイのうろに届けてくれるかなぁ。頼むで~』
長は幼子を連れて、太い樹に向かった。


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