幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第3章 幼子たちと子守役たちはモフモフ巡りをする

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 ・たけ・の森はさらに大きな森の一部だった。その森から広い草原が続いていて、緩い流れの川のほとりの、ぽつぽつと生えた木が、毛玉たちの住む場所だった。この森の長きつねは、二本の尻尾で幼子を包み、川を飛び越えていった。
 「わふっ『ゆきも、かわをとびこえられる、しっぽふたつに、まけない!』」
 「しっぽふたつ、にびでしゅね、にびのおさ二尾の長でしゅか、きゅうびのおさ九尾の長とおなじ・きつね・だし、いいでしゅね~」
 「ぴぃ~『しずくがわたるなら、こっちから、まわりみちつかうしかない、はやくおいかける!』」
幼子たちは、この森と草原の長二尾の長の跡をついて行った。だが、ゆきでも飛び越せない川幅でも、二尾の長は幼子を背中に乗せたまま、平気で飛び越していった。仕方なく、幼子たちは、渡れる場所をかすみに探してもらって向かうのだが、そんな場所にはほとんど、・たけ・の丸太が置かれていた。
 「ぴぃ~『りょうがわのかわぎしのいわに、まるたはおいてある、あんしんしてわたれる!』」
 「これが、このもりのけだまたち小さき者たちの、まるたみち、でしゅか~たしゅかりましゅ~
これがこわれたら、けだまたち、こまりましゅね~だから、まるたいっぱい、あつめてたでしゅか~」
しずくがらくらく川渡りできるのだ、多少の回り道は、大した問題ではなかった。二尾の長の姿は、近づいたり離れたりだ。だが長の尻尾は、ひときわ大きな木々の集まりに向かっていたから、幼子たちもそこへ向かえばいいので、迷うことも無かった。
広い草原にぽつぽつ生える樹も、長が向かう先には纏まって生えていて、目的地としても分かり易かったが、何よりその樹自体も変わった形だった。太い幹だが高くは無くて、枝葉も短くて少ないのだ。長が向かった方の木々は、更に幹が太くて、まるで丸い大岩を集めたようにも見えた。
 「はじめてみましゅね、えだはは、ありましゅか~いわかと、おもいまちた。」
 「ぴぃ~『あれらは、ぜんぶ、おなじき、だった、ただふといだけ、あそこに、うろがある!』」
 「わお~ん『あのいわのきから、けだまと、・たけ・のにおいがする。うろのなか、かな?』」
ゆきの鼻の通り、近くまで来ると、丸い岩の樹毛玉たちのお家の樹のうろから、毛玉たちが頻りに出入りしていた。その毛玉たちは、身の丈と変わらない、大きな・たけ・の皮を、出し入れしていたし、うろの入り口は、どうやってか、何枚もの・たけ・の大皮がぶら下がっていた。
 『…いそいで、ふるいわかめのかわたけの若芽の皮を、あたらしいのととりかえるにぃ』『…あたらしいのは、まだあらってるとこだにぃ』『…あめには、まだまにあう、かわいたものからとりこむにぃ』『…とりあえず、おさなごのぶんは、さきにもってくにぃ』
そう言った毛玉が向かったうろに、幼子たちもこっそりと入っていった。やはりそのうろが、二尾の長のお家だった。小型の切り株を前にして、長と毛玉が相談していた。
 『…雨の時期が来る前に、大型の丸太や、でかい若芽の皮が、仰山見つかって、ホンマに助かったなぁ。
これで、古い丸太道も、うろの雨除けも、新しいのに取り換えられるなぁ。あとは間に合うかやなぁ。
 危なそうな丸太道から取り換えるとして、ワイも手伝いせな、間に合わんわなぁ。その間この幼子の世話、毛玉らに頼めるかなぁ。』
 『…このうろをでたわきなら、このきりかぶごとおいといても、めだつにぃ。かならずだれかがちかくにいて、あんしんだにぃ』
 『…そーやな、そーしてもらおうかなぁ。この幼子も、切り株の中やと、安心みたいでなぁ。よーく寝とるし、このまま入り口脇まで、運んでおこうか。』
二尾の長は、この幼子大毛玉の幼子を・たけ・の切り株毎うろの外に置くと、急いで出掛けて行った。
しずくたちの方は、相談の結果、当分の間この幼子専用切り株のそばに居ようと決めた。もちろんこの丸い岩の樹毛玉たちのお家の樹周りは欠かさずお散歩した。ゆきとかすみに至っては、もっと遠くまで駆け回り、飛び廻っていた。
 「ぴぃ~『おれたまるたはぜんぶ、あたらしい・たけ・のまるたに、かわってた。』」
 「わふっ『あたらしい・たけ・のかわは、あらいおわって、かわいたのから、はこんでる!』」
 「うろのあめよけのかわは、ほそい・たけ・ではさんでまちた。それを、いわのきに、ひっかけるそーでしゅ。けだまたち、じょうず、でちた~」
作業は順調に進んでいったらしい。
 『…何とか間におうたなぁ。これで雨が続いても、何とかなるやろ。それにしても、よう寝る子やなぁ。』
それからすぐに、雨の時期がやって来た。


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