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第4章 もふもふな幼子たちと子守役は森にお出掛けする
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しおりを挟む白い御山の幼子たちは、幾つもの綺麗なお花を見比べながら、一塊になってお喋りしていた。あまり熱心に見ているので、幼子たちは自分たちでも気が付かないうちに、少しずつ草の方に近寄って行った。
『それ以上前に出ると、丸太から外れて、沼に落ちてしまうだに~気を付けるだに~』
幼子たちを見守っていたほっそりした大毛玉が、危ういところで声をかけ、注意を促した。
「えっ、ほんとーでしゅ、このしたは、おみじゅでしゅ、あぶなかった~きをちゅけましゅ、ありがとーでしゅ~」
声を掛けられて、幼子たちが足元を見ると、もう丸太の端っこまで来ていた。
「ぴぴ~っ『おちたら、あぶない、かすみは、しずくの、あたまのうえで、みてる!』」
体が小さいかすみは念のために、しずくの頭上に避難した。
ゆきも同じく足元を見ていたが、気にしたのは草の根元だった。
「わふっ『このくさのはっぱ、ぜんぶねっこから、はえてる?』」
花ばかり見ていたしずくは、この葉っぱを上から根本まで、もう一度見直した。
「そーでしゅね~、ほそながいはっぱが、おなじとこから、いっぱいでてる、でしゅかね~
おはなつけた、はっぱも、おなじとこから、でてましゅね~でも、くっついて、ないでしゅ、べちゅのくさ、でしゅかね~」
『この草は、根っこからいきなり葉っぱを出すんだに~抜いてみると、根っこは一つで、そこから一杯葉っぱを伸ばしてるだに~
だから、この葉っぱの塊ひとつで、ひとつの草だに~』
「しょれなら、くさのかたまり、ひとつひとつで、ちがうおはな、さいてゆでしゅね~」
「わふっ『ちがうおはなでも、においは、いっしょだから、おなじくさ、だよ。』」
大毛玉の話を聞きながら、ゆきとしずくは今度は草の根元ばかり覗き込んでいた。
一方で、しずくの頭上から見ているかすみには、離れた場所でもよく見えた。
「ぴぴ~っ『あっちに、おはながさいてないくさが、あつまってる、あれも、おなじくさ?』」
どうだろうという事で、かすみの誘導に従って、幼子たちは丸太の上から落ちないように気を付けて進んでいった。
かすみが見つけた場所は、お花が咲いていた場所から随分離れていた。
「ほんとーに、おはなひとつも、さいてないでしゅね~ちゅぼみも、ないでしゅか?」
もっと近くで見ようと、しずくが近寄っていくと、辺りを見廻っていた大毛玉が、急いでやって来た。
『この草に近付いたら、危ないだに~この草の葉っぱは硬くて、触るととても痛いだに~ちび達や小毛玉たちだと、ケガするだに~幼子たちも、注意するだに~
後、この草の事なら、花は咲かないんだに~探しても、無駄だに~』
「わふっ『さっきのくさと、においちがう、あんまりいいにおいじゃない、べつのくさ!』」
ゆきがふんふんと鼻を鳴らして、、すぐに大毛玉に同意した。かすみも、しずくの頭上から、あちこちを見比べていたが、
「ぴぴ~っ『こっちのくさのはっぱは、さっきのくさのはっぱよりも、ほそいし、みじかい。なのに、はっぱのかずは、おおい。だいぶ、ちがう。』」
やはり、大毛玉に同意した。
「たしかに、このはっぱ、ほそいのに、かたくて、ぎざぎざ、ちてましゅね~やっぱり、おはな、さかない、べちゅのくさ、でしゅか~ざんねんでしゅ~」
しずくも違いを見付けて納得したが、お花が見れずガッカリもしていた。そんな幼子を慰めようとして、大毛玉が尻尾で優しく撫でていると、ちび達を背中に乗せて二尾の長がやって来た。
大毛玉から、幼子たちがしょげている理由を聞いて、二尾の長が話し出した。
『この草にも良い所はあるんやで。この草はな、花も咲かんのに、実だけは仰山付けるんや。あんまり仰山付けるんで、実の重さで草が倒れそうになる程や。
数は多くても、小さい実でな、しかも皮も硬くて食べ辛いんやが、面白い味でな、ワイは結構好きなんや。』
「わふっ『おもしろいあじのみ、ゆきも、たべたい!』」
ゆきは尻尾を振り回して、おねだりをした。
『あ~、残念なお知らせや、この草の実の食べ時には、実が重くなって倒れそうになるだけやなく、葉っぱの色が変わるんや。
葉っぱも、もっと長く伸びるしな、今やとまだ早すぎや。実が食えるんは、もっと後やな~』
「わふっ『おもしろいあじのみ、ゆきも、たべたかった。』」
ゆきの尻尾は、すっかり萎れてしまった。
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皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
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