幼子達と子守役のモフモフたちと

神無月

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第4章 もふもふな幼子たちと子守役は森にお出掛けする

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 ほっそりした大毛玉いたちは楽しそうに、そして素早く草の実を集めていった。もちろん白い御山の幼子たちゆき・かすみ・しずくもちび達も精一杯のお手伝いをしていた。
それも、毛玉と羽玉のちびたち二尾の長の森の幼子たちが実をつけた草を倒したまま押さえていると、その間に、ゆきとしずくで実だけを草から採り外していく。するとかすみが実を浮かべて集めていくといった風に、なかなかいい手際だった。
しかもゆきとしずくはこの実を採る時、一瞬だけ手足の先に力を集めて、棘から身を守っていた。
すぐそばで同じく実を集めながら、幼子たちの作業を見守っていた二尾の長森と草原の長・二つ尻尾のきつねは、幼子たちが使っている、この力を制御する技術に驚いた。
 『おいおい、白い御山の森では、こんな幼子らでも、こんな精密に力の制御をするんかいな。見てみい、下手したら、ワイらよりも細かく制御しとるで。』
長が夢中で実を集める大毛玉に声をかけると、手も尻尾も止めずに振り向いた大毛玉は、一瞬全身の動きを止めた。
 『なるほど、確かにここからではほとんど力を感じないだに~でも、幼子達をよく見たら、手足の先から時々力が出てるだに~
なるべく力を外に出さないようにしてるだに~俺たちは、これを見習うんだに~』
再び実を集めようとした大毛玉は、実を草から切り取るために振った尻尾から、いつもは出しっぱなしの力を、短時間だけにしてみた。
その結果は、上手く力が出て当たった草からは、それまで通り実が取れた。だが、力を出す瞬間を間違えると、ただただ草を揺らすだけだった。
 『これは、尻尾を振る動きと、力を出す瞬間を合わせないとだめだに~思ったよりも、難しいだに~』
二尾の長は、何度も尻尾を振り回して試している大毛玉を観察しながら、自分でも同じように尻尾で実を切り取って試していた。
するとある時一振りした尻尾が切り取ったのは、草の実だけだったらしかった。それまでは、まわりの草が巻き込まれて切り飛ばされ、実と共に集める羽目になっていた。なのに、その時集まったのは、草の実だけだったのだ。
 『なるほどな~、力を上手いこと制御できたら、こんなお得な効果もあるんやなぁ。
 小さいモンら小毛玉達も喜ぶし、こりゃあ時間かけてでも身に付ける価値あり、やなぁ。他の森の長共にも、教えた方が良いな、これは。』
力試しにと、草を切り飛ばしまくった長と大毛玉の働きもあり、見渡す限りの草の実は、切り取り集められた。もちろん、切り飛ばされた草の山から実だけを探し出したのは、幼子たちとちび達だった。
 「くう~ん『このくさのやまに、いっぱい、みがある』」
 「ちちっ『あっちの、くさむらに、とんでった。』」
少しずつ探しては集めていったのだが、ついに用意してきた入れ物は、草の実で一杯になった。
 『幼子らもちび共も、お手伝いありがとうなぁ。お陰でずいぶんと手早く集め終わったからな、思ったより早くお家の樹丸岩の樹に帰れるなぁ。
幼子らも、ちび共も、自分でもしっかりと掴まっといてや、帰りは入れ物にも気を配らないかんからな。』
 『ここに来る前に、心話心で伝える言葉を飛ばして、草の実を集めに行くと伝えてあるだに~もしかしたら途中まで、荷物持ちのお迎えが来てるかもだに~』
長と大毛玉は、背中の荷物に気を配りながらも、軽快に草原を駆けていった。長の背中の荷物たちは、大人しく毛皮に包まっていたが、行く先を見ていたかすみが何かを見つけた。
 「ぴぃ~『このさき、つちが、ぬれてる、ぬまもある。』」
 『忠告、感謝やで~。ここからは、慎重にいかんとなぁ。転ぶなや~』
長たちが速度を落として、ゆっくりと走り出し、しばらくすると大きな・たけ・の切り株を担いだ、もうひとりのほっそりした大毛玉いたちが、こちらに向かってきた。
 「くう~ん『おむかえだ~?』」
 「ちちっ『にもつもち、かも?』」
背中で騒ぐちび達を後目に、長と大毛玉は足を止めた。
 『思ったより、来るのが早かったんだに~助かるに~荷物の半分は、任せたに~』
 『そう来ると思ったで、急いだに~草の実は、こっちの入れ物に半分移すだに~
でも、長の荷物は、預かれないに~長、もう少し頑張ってだに~広場でみんなして、帰りを待ってるだに~』
 『そうやな、もうひと頑張り、走るかいな。ほな、行こか。』
二尾の長と大毛玉達は、足元と背中の荷物に気をつけながら、家路を急いだ。長の背中の荷物たちは、ついにウトウトとし始めて、頭が前後に揺れていた。 



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