籠の中の令嬢

ワゾースキー

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第二章

親友

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 フレッドは、本能のままミカエラの口内を犯し、満足したのか唇を離す。すると、拘束していた手が緩まり、ミカエラは、ホッとしたのも束の間、フレッドは服を脱がそうとファスナーに手を伸ばす。ギョッとし、目を見開いたミカエラは、ごくりと生唾を呑み込み、意を決してフレッドに語りかける。

「お兄様…っ! 私は…お兄様が好きです…! でも…それは家族愛であって、それ以上の特別な思いはありません。 お兄様の…気持ちに応えることは出来ませんっ。」

 恐怖で震えながら、涙を浮かべ、必死に訴える。すると、フレッドの手が引っ込む。しかし、目が細まり、光が消える。

「そうか…。 では他の3人はどうだ?」

「…他の3人も同じです。 エレンお兄様も同じ家族愛しかなく、クラウドは幼なじみというだけです。ルイズ様も…共に勉学に励んだ学友、兄の様に慕ってはおりすが、私にとって、それ以上の特別な感情はありません。 私は誰に対しても特別な感情を抱いたことがありません。」

「だ、そうだぞ。」

 フレッドの言葉が誰かに投げられたのか分からず、バッとドアの方を見ると、そこにはルイズが立っていた。

「分かっていたことですが、実際言われると傷付きますね。まぁ、私たちの想いは、時間をかけて身をもって感じて頂ければ良いだけでしょう。そうすれば、私たち無しでは生きていけないと理解するでしょう?」 

…何を言っているの…?

 理解が出来ないミカエラは、眉間に皺を寄せ、閉じ込められた空間から出ようとフレッドの胸に手を置き、距離を取ろうとする。

「フレッドお兄様、退いてください。 私の気持ちは変わりません。」

 手にぐっと力を入れて、フレッドを押し戻そうとするが、ビクともしない。それどころか、スッと脚に手を伸ばし、お姫様抱っこのような姿勢にされる。

「きゃっ?! おっお兄様?!」

 ミカエラが呼びかけても無言のままスタスタと歩き出し、ベットへ向かう。
 ふと、クラウド達にされたことを思い出し、さーっと血の気が引くように青褪めミカエラは身じろぐ。

「ミア。本意ではないが、まだ奴ならマシだからな。大人しくしてなさい。」
「クスクス。親友に向かって酷い言い様ですね。」
「仕事ではお前以上の優秀な人材はいないし、プライベートでもここまで気を許せる奴はお前以外いない。だが、愛する女まで気を許すつもりはなかったのだがな。」

 ぎしっとベットが軋む音がする。するとどこから出したのか手錠がミカエラにつけられる。

「ひっ…こ…これは…」

「ん?ミカエラが暴れない様に?かな?」

 クスクスとフレッドが笑う中、ミカエラは笑えない。

に…逃げなきゃっ…!

 隙を見て、ベットから飛び降り、逃げ出す。しかし、足首に付けられた足枷に絡まり、バタっと転ける。

「ほら、どうしたの? 逃げなきゃ…悪戯しちゃうよ?」

 ニヤニヤと笑いながら2人の男性がミカエラをゆっくりと、追い詰める。ミカエラは、気が動転しながらも、必死に立ち上がり、出来るだけ彼らから逃げる様に部屋の端の方へ走り出す。すると、何かに引っ張られる様に鎖がピンッと張り、また転ける。

「ぅ゛…いっ…たぁ……」

 先程部屋を歩き回り、伸び切る長さは把握していたミカエラは、突然のことに驚きつつ、鎖のついた足首がジンジンする。派手に転んだので、肘も打った。でも痛みより恐怖が勝る。
 恐る恐る鎖の先を見る。ルイズが鎖を踏んでいた。ミカエラは絶望し、血の気が引く。

もう…ダメ…

 2人の影が重なる。するとノックの音がする。



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