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クリスタルに誘われる者達
バスカリアの雄は慌て驚き戸惑う
しおりを挟む寝ている背中を起こされる様に抱きかかえられ、首に手を当てられている青銅のファイターは目を覚した。
ゆっくりと思考を取り戻しつつ目を開けると、さっきまで一緒に戦っていた男に抱きかかえられている事に気づいた。
頬を赤らめ戸惑うのだが、気を失う瞬間の出来事を思い出し飛び起きた!
当然、飛び起きれば青銅のヘルムはFRDの顎を打ち抜く事となり、そのままFRDは吹き飛ばされた。
通常の精神状態ならFRDは避けるなり受け止めるなり出来るのだが、脈を確認した時、細く柔らかい首と、良く見ると胸当てが隆起していた事で女性だと驚いた為、見事クリティカルヒットをくらった。
「ゴファァ!」
「え?……キャァ!ごめんなさい!!」
立ち上がった青銅のファイターはすぐに謝り、周りを確認して改めてFRDに話しかけた。
「助けて頂いて本当にありがとうございます。残りのゴブリンファイターも倒して頂いて…」
「いやいや、実は私もかなりピンチで貴女が居てくれて良かったよ。それに…最後のポーションがあったから助けられて…本当に良かったよ。無かったら…」
助けてもらい感謝の気持ちでいっぱいの彼女だが、余りにも慌てた様子のFRDに少し疑問を感じ問いかけた。
「あのぉ…もしかしてこの異世界で死んだら元の場所に強制帰還されて蘇るの知らない…のでしょうか?」
「…え?!………エェェぇ!!」
FRDは一瞬驚き戸惑うが、そういえばそんな様な事を転移者会議で言ってたのを思い出した。
少し首を傾げながら考え、頷き喋りかける。
「…たとえ知ってても私は使ってるな!うん!間違いないや。……さぁそんな事よりもゴブリンファイターのドロップアイテムとあそこにあるクリア報酬らしい宝箱を取りに行こう!!」
あっけらかんと答え、そそくさとドロップアイテムを拾うFRDに彼女は「クスッ…」と笑い一緒に拾い始めた。
ゴブリンファイターのドロップアイテムを全て拾い集め、分け前はイーブンだと突っ張るFRDに渋々了承した彼女は自己紹介がまだだと気づき、胸に手を当て拳を握りしめ、堂々とにこやかに話し始めた。
「申し遅れました。私、首都アストラム騎士団親衛隊所属のマリアと申します。以後宜しくお願い致しますわ。」
(…………え?…首都はゾーンだよな…アストラム?騎士団…からの親衛隊?……まさか?)
考えて見たら納得行く。この異世界では相手の全体を眼視で確認すると種族がステータスウィンドウとして現れ自分が認識するとウィンドウが閉じるのだ。
それにゾーンの連中の殆どはそんなに上から下まで綺麗にフル装備する奴は少ない、騎士団でもフル装備なんてのは稀だ。(FRDの様な格好はゾーンの中でも更に稀である。)
慌て驚き戸惑いながらも、FRDは恐る恐る頭を掻きながらそれに答えたのだった。
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