Fift 〜クリスタルクロニクル〜

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クリスタルに誘われる者達

ジュラ大森林の攻防 ゾーン

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 ほぼ全てが森で覆われたこの地帯は、猿系の魔物が多く、ほぼ中心に位置する場所にクリスタルが祀られている。
 一見簡単そうに見えるのだが方向感覚が狂わされる特殊な地帯の為、中々中心にはたどり着く事ができない。その代わりカガチと同じ様に一定の魔物を討伐すると方向感覚を狂わせる力は弱まりクリスタルもその光を上空に放ち存在を知らせる様になる。

 このジュラ大森林にゾーンは初めから多めに人を導入していた。
 ゾーン共和国はそれぞれ5つの領が自治している為か、異世界でも一つの大きな部隊と言うのが無く、唯一5IQ聖騎士団が大きな部隊となる。なぜなら5IQは初めて統一のクリスタルを制覇したゾーン領のアキラを筆頭に各々の領主が選んだ代表者の集まりだからである。
 そんな多種に渡る部隊のゾーンだが各領で異世界での対応にと転移者会議を行い5IQのメンバーを中心に作戦を練るのである。
 
 今回の作戦はバスカリア、カガチ、テオ、ジュラの4つを狙っており5IQの主力を他の3つに振り分けていた為、当然ジュラ大森林は5IQ以外の様々な部隊が乱立し、5IQの新米幹部の蒼天では少し扱いきれないでいた。

 「…蒼天…どんな状況?」

 春暁ら一行はジュラに到着し雪斗が蒼天と念話で打ち合わせ、合流すると春暁は静かに蒼天に問いかけた。

 「はい!多くの他部隊で扱いに困りましたが、ヤナ殿のお陰で上手く放射状に部隊を配置でき、中心部らしい位置は右側にあると予測できています。尚、我々の放射状線の中央ではヤナ一家がアステラとの戦闘が始まったと連絡がありました。」

 「…ヤナ…僕と同じカガチ領の親分か…なら…右クリスタルに向かう…」

 そう言いながら春暁はゾーンが配置した放射状右側のクリスタル中心部へ向けて動き出した。


 一方、放射状中央ヤナ一家総勢50名では

 「やれやれ…どうやら的が外れたみてぇだなぁ…アステラの奴さんにも当たっちまうたぁ運がねえ」

 口に含み針を咥える貫禄のある男が刀を四方に振りながらブツブツ言うと、隣で肩を並べ大きな矛を振るう一回り大きい男が言い返す。

 「コココ、ヤナの主よ。それこそ戦の醍醐味でしょう。」

 「親分に王騎さんも平気かもしれませんが下っ端の僕達にいきなり乱戦はキツイでし。指示下さ~い!」

 変な語尾を付ける少し割腹の良い男が2人に叫ぶとヤナは激を飛ばした。

 「てめぇら見て解かんねぇのかい!こいつら同じ坊主見てぇな格好して同じ動きしてんだから、ウチらは自由に乱れて戦えばいいんだよ!解ったかぁ!」

 「へい!わかりやした!!」

 ヤナの激で指揮が上がった一家は倍近くいる黒い僧衣を着た集団を蹴散らしていく。

「おい!エクレア!てめぇさっきは指示を出せたぁいい度胸だな!いいだろう出してやらぁ、てめぇ含めてウチのクレリック全員集めて死にそうなヤツをどんどん回復させて行きな!一家全員死なすんじゃねぇぞ!解ったらさっさと行きやがれ!!」

 割腹の良いエクレアはヤナにケツを叩かれ急いでクレリック達を探しに行った。

 「さて…奥の方に嫌な気配がするねぇ…やれやれ今回は本当についてねぇなぁ…」

 黒い僧衣の集団の奥からゆっくりと金の僧衣を着た大仏の様な男が歩いて来たのであった。



 
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