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クリスタルに誘われる者達
ジュラ大森林の攻防 アステラ
しおりを挟む「状況報告をお願い致しますわ。」
ジュラ大森林アステラ側転移ゲートに着いた教団第3師団長チェリーの問いかけに黒い僧衣の男は慌てながら現状を伝えると、チェリーは振り返り一緒にジュラへ来たストライカー第7師団長に問いかけた。
「金殿自らがゾーンの方々と戦ってらっしゃるそうですわ。ストライカー殿は如何致します?」
「ならば、我らはソレの右側に向かう。後は好きにしてくれ。」
そう言うとストライカーはすぐに出発準備をし動き出した。
「わかりましたわ。では後から来る第1師団の皆様にはストライカー殿の方へ、第2師団の皆様は私と共に左側に向かいますわ。…マリアさんも私と御一緒で宜しいですわね?!」
「…あ…はい!」
バスカリアからチェリーと共に行動しているマリアは同じ諜報仲間がジュラにいる事を考えていた為、返答が遅れた。
「あら?何か考え事かしら?マリアさん?」
「いえ…たまたま同じ諜報仲間が今から向かう方角と同じだったので。」
「あら丁度良いわ。連絡をお取りになって下さるかしら?状況報告が聞きたいわ。」
マリアは何となく不安を感じていた為「はい」と返事をするとすぐにウィンドウを開き同じ諜報部隊のにゃおに念話した。
念話とは念話のウィンドウを開き相手を選ぶ事によって離れた場所でも会話が出来る事で、念話出来る相手は同じ部隊同士にかぎられる。
“にゃおさん?私今ジュラに来た所なんですけど状況はどんな感じですか?”
”マリア!ごめん今…モンスターが大量に出てきて…よいしょ!!っと!…3人で応戦中なんだ!後にして!”
声と一緒に激しい戦闘音が聞こえる中、にゃおはそのまま念話を切ってしまった。
諜報部隊が戦闘なんて余り考えられない事からマリアは危険を察知しチェリーに進言した。
「チェリーさん!今諜報仲間が数人で戦闘中です。気になるので私だけ先に向かって宜しいでしょうか?!」
「あら…諜報部隊が戦闘だなんて珍しいわね、良くってよマリアさん。」
マリアの慌てぶりを察したチェリーはすぐに了承すると、マリアはエルメスの靴に魔力を込めチェリーに一礼すると軽やかに飛んで行った。
「ふふ…マリアの慌て方…当たりですわね……恐らく私は間に合いませんわ…それでしたら、せっかくですから金殿の不動の戦いでも見に行こうかしら…」
チェリーは呟きながら自らの部隊を金の率いる部隊「大仏部隊」寄りに進みだした。
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