【 本編完結 】聖なる夜に私は叫ぶ

しずもり

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【番外編】クリスマス 朝8時

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 自己紹介をしたかどうかの確認で、誠意を示してベッドの上で正座をして深く頭を下げると、頭の上から大きなため息が聞こえてきた。

聖夜青年の反応は分かる。分かるよ!

お酒が入ってからの昨夜の事は、殆ど覚えていない。その前日の夜の事もね。
たぶんその2日間で色々と話したと思う。何しろ、ホテルで一緒に過ごしちゃうくらいには!

だけど、覚えていないのに話を進められないじゃない?
年齢はもうすぐ22歳になる21歳なのだと聞いたけどさ。他にも色々と確認が必要でしょう?

・・・良かった。未成年じゃなくて。


世の中、選挙権を得られる18歳で大人の仲間入り的な感じはあるけれど、お酒も煙草も20歳からだし、成人式も20歳でしょ。

やっぱり相手が男性とはいえ、10代の子に手を出すのと、20代の子に手を出すのは大きく違うじゃない?
いや、アイアンクローをキメただけで、手を出してはいないけども!

だって私、26だよ?
あと30年ぐらい経てば、気にならない年齢差だけど、20代の時の5歳差は大きいし、それに色々と・・・ねぇ?


 彼の話を聞くと、聖夜青年は私の住む町の大学に通っていて一昨日の夜はコンビニ近くのアパートに住んでいた友人の家で遊んだ後に皆でカラオケに行くところだったらしい。

 彼も一人暮らしをしているが、ケーキ屋から徒歩十分ほどの場所に住んでいて、一昨日の夜は電車で二駅の距離を歩いて帰宅したとのこと。
因みに私の自己紹介はというと、この二日間で散々聞いたので不要と言われてしまった。

ここでまた何度目かの謝罪。

「もう、佳奈さんたらそんなに謝んないで下さいよ」

「いや、だって真冬の真夜中に、二駅分も歩かすとか鬼の所業・・・」

「お金無くて歩いて帰るのもよくあることですって」

いや、真冬の夜中に歩いて帰るのは滅多にないんじゃないかな。

「それに見ず知らずの君に二日続けて付き合わせちゃって申し訳なくって」


「佳奈さん、申し訳ないなんて言わないで下さいよ!それに僕たちはもう見ず知らずなんてことはないです。立派な友達です!

友達なら友達が落ち込んでいる時に、一日や二日ぐらい付き合うのは当たり前じゃないですか」

「友達?」

「そうです。僕たちはもう友達です!」

聖夜青年にきっぱりと言い切られた。とびきりの笑顔付きで。

確かに友達が落ち込んだり悩んだりした時に相談されたら付き合う。やけ酒でもやけ食いでも。

でも私と彼は友達、なのかな?

『友達になりましょう』と言葉にしなくても、会話を何度かしていると、いつの間にか友達になっているものだけれど。

私と聖夜青年の場合は、ちょっと特殊な出会い方で、私は会話も半分以上覚えていない状況のような・・・。


「この二日間、僕たちはあんなに話をして、そして昨夜は楽しくクリスマスイブを過ごしたんですよ?これを友達と呼ばずしてなんと呼ぶんですか!?」

うっ・・・そう言われてしまうと、クリスマスイブの日まで彼を振り回してしまったことに罪悪感が湧いてくるんだけど。何しろ殆ど覚えていないし。


「そっか。そうですね。確かに佳奈さんはあまり覚えていないから、僕のことを友達だなんて思えないですよね・・・」


どう返事をしたら良いのか分からずに黙っていた私を見て、聖夜青年はしゅんとして捨てられたワンコのような目をしながらぽつりと呟いた。

うぅっ・・・更に罪悪感がマシマシに。


「だ、大丈夫!友達だよ!友達なんて五分も会話すればなれるもんだからっ。そうだよ。私たち、クリスマスイブにこんな豪華なスイートルームで飲んで食べて楽しく過ごした仲じゃん。ただ友達じゃなくて、これってもう、ほぼ親友に近いぐらいの友達って呼べるよ」

「そこは親友じゃなくて・・・」

「ん?何?」

「いえ!そうですよね。僕達、もうすごく仲良しな友達ですよね。だからーー」


犬派か猫派のどちらか?と聞かれれば、ズバリ犬派!と答える私は、しょんぼりワンコ耳の幻影が見える彼のフォローをするのに夢中で、彼の言葉を聞かずに全肯定した結果・・・。




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ここまでお読みいただきありがとうございます。
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