【 本編 完結 】結婚式当日に召喚された花嫁は、余興で呼ばれた聖女、でした!?

しずもり

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【 番外編 】ざまぁ、な話。その後の話。

元婚約者のその後 1

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「きゃー!!」

「うわっ!まさか教会ここで新郎自ら余興?マジで?」


「えっ?紗夜?どこなの?」


突然、足元が光りだした事に驚いてヨロけて思わず尻餅をついたら余計に眩しくてギュッと目を瞑った。


そうしている内に周囲がザワザワと騒がしくなって、悲鳴や笑い声なんかが聞こえてきた。

紗夜のお母さんらしき人の声でそろりと閉じていた目を開くと目の前で驚愕の表情を浮かべている神父の姿が見えた。何故だか尻餅をついたままの僕を凝視している。


視線は何故か僕の下半身を見ているような?


周囲の騒めきよりも気になって僕も僕自身の下半身に目を向ければ、、、。


何で全裸!?


意味の分からない状態に脳内はパニックで、それと同時になんで騒がしいのかを理解してまたパニックになって、だから直ぐには気付かなかったんだ。
紗夜の姿が何処にもないなんて。
そのまま紗夜がフツリと消えて居なくなってしまうなんて。




僕は小学生だった頃、所謂ボッチな子どもだった。

虐めにあった訳でもなく嫌われているというでもなく、ただ傍には居て欲しくない存在だったらしい。


僕が何かした訳でもない。いじめっ子やクラスの中心人物たちに目をつけられたとか嫌われた訳でもなく、彼らは日常のちょっとした事を僕と関連付けて僕とは積極的に関わるのを避けた方が良い、と判断したらしかった。


単に僕と居る時に何かが壊れたとか変な音がしただとか根拠の無い言いがかりなような理由が大半だった。皆が集まって話しているところをコッソリと聞いていたんだから間違いない。


「アイツといると変な事ばっかり起きねぇ?」

「そうそう!俺、アイツと一緒に遊んでたら急にゲーム機の電源が落ちてさ~、本体が壊れちまって母ちゃんにめっちゃ怒られた。」

「マジ?俺んちにアイツが来た時は電気がチカチカと点いたり消えたりして電球が割れて片付けが大変だったんだよ。アイツ、一体何なんだよ。」


「なんかアイツといると運が無いっていうか貧乏神みたいな?」



そんなの、こっちが何なんだよ!って言いたかった。

物が壊れる事なんてよくある事じゃないか!ウチだってよく物が壊れるし壊れやすい物が壊れるなんて当たり前の事だ。


なんだよ、貧乏神って!


つまり彼らは壊れた責任を僕に押し付けて適当な理由を付けて勝手に怒っているんだ。


そう思ったら随分と子どもっぽい理由に悩むのも馬鹿らしくなって、僕の方から相手をするのを辞めた。


そうして中学生になったら僕の印象は男女問わず" 陰キャ "というものになったらしい。

普通にしているだけで" 陰キャ "と呼ばれる事に抵抗が無い訳ではないけれど、だからと言って元ボッチの僕が社交的かと言われればそんな事は無かったので放っておいた。

僕には友達が居ない訳で無かったし周囲の友人はという不思議少年だったりだったりと、陽キャな奴らから見たら確かに陰キャな集まりだったからね。

だけど僕自身はそういうのに一切興味が無かったから『はい、はい。』と彼らとの会話はいつも聞き役に徹していたんだよ。


そういう友人付き合いが高校、大学と続いて、けど大学生になった頃には僕にも彼女というものが出来たりするようになった。


「~君て実は結構カッコ良かったんだね。いつも顔色悪そうにしてたから気付かなかった!」


初めて出来た彼女にそう言われた時に僕は長年の謎が解けた気がしたんだ。


" なんだ。今まで僕に友だちが少なかったのは嫉妬されてたからだったんだ。"ってね。


なんて初めて言われたけれど、きっと今までは無意識に引け目を感じて目立たないように自分の容姿に気に掛けていなかったからじゃないかな。

受験勉強でいつも睡眠不足だったから目の下に隈があったりとかさ。ずっと机に向かっていて肩凝りもひどかったし。

でも自分を変えようと一念発起して大学生デビューして良かった!


この時は心底そう思ったけど、何故か彼女との付き合いは長続きしなかった。次の子ともその次の子とも。


皆、付き合うようになって少しすると体調を崩したり情緒不安定気味になってしまう。


" 女の人が~ "とか" 誰か他の人が~"とか僕のアパートで過ごしているとような事を言ってくる事が多かった。
きっと言い寄られる事が多い僕に対して勝手に不安になっていたんだと思う。


けど、学生の頃の恋愛なんてそんなもんだと思っていたから、学生の頃は" 来る者拒まず去る者は追わず "で良いかと思って気にしていなかった。


けれど、あの日。

僕はに落ちたんだ。


栗栖紗夜。


初めて僕から好きになった彼女紗夜は会った瞬間、光り輝いて見えて心も体もフワフワと軽くなったような不思議な感覚になった。


きっとあれが一目惚れ、というものだったんだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ここまでお読み下さりありがとうございます。


拙い作品ではありますが、宜しければ引き続きお付き合いをよろしくお願いします。


皆様、良いお年を。
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