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【 番外編 】ざまぁ、な話。その後の話。
私の婚約者は王子様
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前話の紗夜視点になります。
=====================
流されるまま、という言葉ピッタリくるように、気付けばあっという間にアレクシス殿下の婚約者になってしまっていた。
もう元の世界へは戻らない!
そう決めて、その勢いもあったのかなぁ~?
初めてのお茶会は色々とあり過ぎて疲れて、早めにベッドに入った。目を瞑ると思い出すのはお茶会での出来事で、、、。
っ!!!!
こんなに俊敏に動けるんだ、って驚くほど勢いよくガバッと布団を剥いで上体を起こした。
ちょっと待って!?
この世界、王族・貴族の婚姻て、乙女でなくても大丈夫だったっけ!?
マズイッ!これ、凄く大事な事じゃないの?
カイウスに騙されて半ば強制的に元の世界に戻って約十年。ラノベだけでなく、一般人が投稿する小説投稿サイトが流行り、異世界転生・転移モノ小説が世の中に溢れまくったこの数年間。
異世界系小説を私もたくさん読んだ。聖女系、悪役令嬢系も読み漁った。
何となく、もしかして。
何処かの誰かもこの世界に来た事があって、そして同じように元の世界に戻った人がいるかも知れない。
もしかしたら、私が召喚されたこの世界の事を、本当にあった話を、コッソリと書いている人が居るかも知れない。
そんな風に考えて、投稿された作品を片っ端から読んでいた事がある。勿論、チラリともそれらしき事を書いている作品を見つける事は出来なかったけど。
でも、まぁ、そういう訳で、異世界モノの常識・非常識、テンプレ設定も割と熟知していたりする。
勿論、それらは異世界モノ独自の設定だったり、中世ヨーロッパなどの世界観を元に史実に近い設定で書かれているものなどがあり、この世界にそっくり当てはまる訳ではない事も分かっている。
だけど、元の世界でも似たような価値観があったように、この世界、特に王族に嫁ぐなら乙女であることは絶対条件なのかも!?
どうしよう?
今更、打ち明けて不敬罪とか詐欺罪とかで地下牢に入れられたりしない?命までは取られないよね!?
と・い・う・かっ!
そうじゃない事を自己申告する、って、どんだけ恥ずかしい告白をしないといけない訳!?
無理っ!無理だぁ~!!
何であの時OKしちゃったかなぁ、私。
やっぱり浄化ポーズを見られてテンパって、脳が思考停止していたのが続いてたんだわ~。
早く確認を取った方がいいよねぇ。早く、早く次のお茶会で打ち明けないと!
二回目のお茶会までの間は本当に気が気じゃなかった。
白亜宮はとても居心地の良い場所で、王城とは違って誰の監視の目も無い落ち着いた宮殿だ。その落ち着いた雰囲気の中でただ一人、私は落ち着かずに過ごしていた。
気分はまな板の上の鯉、いや、最後の審判を迎えるかのような気分で望んだ二回目のお茶会の場。
どうか命だけは助けて欲しい。出来れば地下牢行きも避けたい。
出来れば王国の片隅に、一軒家でも充てがわれて、『聖女だ』、『そうじゃない』とかとは無縁の、のんびりした田舎暮らしで勘弁して欲しい。
あれ?それって、罰じゃなくてご褒美になっちゃう?
そんな事をわちゃわちゃと考えて、アレクシス殿下を待っていたら、どう伝えればいいのか?を考えるのをすっかり忘れていた。
時間ピッタリに現れたアレクシス殿下は相変わらずイケメンで、そして何を考えているのかはその表情からは全く読み取れない。
この表情のまま、いきなりお姫様抱っこをするしプロポーズしてくるんだもんなぁ。ちょっぴり謎な人だ。
さて、どうやって言えばいいのかな。
中々、話を切り出せなくてソワソワしている私の様子に、逆にアレクシス殿下から問われてしまった。
「クリス。何か私に言いたい事でも?もしかして白亜宮に何か問題でもあっただろうか?」
言いたい事はあります!でも女性がまだ親しくもない男性に話すには、ちょっと言い辛い事なんです~。
どうしよう。何て言えばいい?
「あ、いえっ。とても落ち着くというか、快適に過ごさせて頂いていて、、、。でも、こんな良い待遇を受けて良いのかと。」
本当に待遇が良すぎて、婚約者の資格なし、と判断された時が恐ろしい。騙すつもりも無かったし、隠すつもりも無かった。
だけどー。
「貴女が何かに困ったり悩みを打ち明ける一番の相手は、いつも私でありたいのだ。
どんな些細な事でも良い。遠慮せずにどうか私にだけは打ち明けて欲しい。」
そんな風にアレクシス殿下に真剣に言われたら、黙ったままでいい訳がない。いずれ確実にバレる事でもある。
それでも侍女さんたちやアレクシス殿下の護衛の皆さんに聞かれるのは避けたい。他の人には聞こえないように、先ずは椅子を持って殿下の隣に移動した。そして彼にだけ聞こえるように耳に口を近付け、小さな声で言った。
「純潔でなくても大丈夫でしょうか?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援をありがとうございます。
当初、番外編は元婚約者、元親友、ナターシャ&公爵、カイウス、アレクシス、初夜、の話を考えていて数話で終わらせる予定でした。ですが、なんだか本編よりも話数が多くなりそうな気配が、、、。
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流されるまま、という言葉ピッタリくるように、気付けばあっという間にアレクシス殿下の婚約者になってしまっていた。
もう元の世界へは戻らない!
そう決めて、その勢いもあったのかなぁ~?
初めてのお茶会は色々とあり過ぎて疲れて、早めにベッドに入った。目を瞑ると思い出すのはお茶会での出来事で、、、。
っ!!!!
こんなに俊敏に動けるんだ、って驚くほど勢いよくガバッと布団を剥いで上体を起こした。
ちょっと待って!?
この世界、王族・貴族の婚姻て、乙女でなくても大丈夫だったっけ!?
マズイッ!これ、凄く大事な事じゃないの?
カイウスに騙されて半ば強制的に元の世界に戻って約十年。ラノベだけでなく、一般人が投稿する小説投稿サイトが流行り、異世界転生・転移モノ小説が世の中に溢れまくったこの数年間。
異世界系小説を私もたくさん読んだ。聖女系、悪役令嬢系も読み漁った。
何となく、もしかして。
何処かの誰かもこの世界に来た事があって、そして同じように元の世界に戻った人がいるかも知れない。
もしかしたら、私が召喚されたこの世界の事を、本当にあった話を、コッソリと書いている人が居るかも知れない。
そんな風に考えて、投稿された作品を片っ端から読んでいた事がある。勿論、チラリともそれらしき事を書いている作品を見つける事は出来なかったけど。
でも、まぁ、そういう訳で、異世界モノの常識・非常識、テンプレ設定も割と熟知していたりする。
勿論、それらは異世界モノ独自の設定だったり、中世ヨーロッパなどの世界観を元に史実に近い設定で書かれているものなどがあり、この世界にそっくり当てはまる訳ではない事も分かっている。
だけど、元の世界でも似たような価値観があったように、この世界、特に王族に嫁ぐなら乙女であることは絶対条件なのかも!?
どうしよう?
今更、打ち明けて不敬罪とか詐欺罪とかで地下牢に入れられたりしない?命までは取られないよね!?
と・い・う・かっ!
そうじゃない事を自己申告する、って、どんだけ恥ずかしい告白をしないといけない訳!?
無理っ!無理だぁ~!!
何であの時OKしちゃったかなぁ、私。
やっぱり浄化ポーズを見られてテンパって、脳が思考停止していたのが続いてたんだわ~。
早く確認を取った方がいいよねぇ。早く、早く次のお茶会で打ち明けないと!
二回目のお茶会までの間は本当に気が気じゃなかった。
白亜宮はとても居心地の良い場所で、王城とは違って誰の監視の目も無い落ち着いた宮殿だ。その落ち着いた雰囲気の中でただ一人、私は落ち着かずに過ごしていた。
気分はまな板の上の鯉、いや、最後の審判を迎えるかのような気分で望んだ二回目のお茶会の場。
どうか命だけは助けて欲しい。出来れば地下牢行きも避けたい。
出来れば王国の片隅に、一軒家でも充てがわれて、『聖女だ』、『そうじゃない』とかとは無縁の、のんびりした田舎暮らしで勘弁して欲しい。
あれ?それって、罰じゃなくてご褒美になっちゃう?
そんな事をわちゃわちゃと考えて、アレクシス殿下を待っていたら、どう伝えればいいのか?を考えるのをすっかり忘れていた。
時間ピッタリに現れたアレクシス殿下は相変わらずイケメンで、そして何を考えているのかはその表情からは全く読み取れない。
この表情のまま、いきなりお姫様抱っこをするしプロポーズしてくるんだもんなぁ。ちょっぴり謎な人だ。
さて、どうやって言えばいいのかな。
中々、話を切り出せなくてソワソワしている私の様子に、逆にアレクシス殿下から問われてしまった。
「クリス。何か私に言いたい事でも?もしかして白亜宮に何か問題でもあっただろうか?」
言いたい事はあります!でも女性がまだ親しくもない男性に話すには、ちょっと言い辛い事なんです~。
どうしよう。何て言えばいい?
「あ、いえっ。とても落ち着くというか、快適に過ごさせて頂いていて、、、。でも、こんな良い待遇を受けて良いのかと。」
本当に待遇が良すぎて、婚約者の資格なし、と判断された時が恐ろしい。騙すつもりも無かったし、隠すつもりも無かった。
だけどー。
「貴女が何かに困ったり悩みを打ち明ける一番の相手は、いつも私でありたいのだ。
どんな些細な事でも良い。遠慮せずにどうか私にだけは打ち明けて欲しい。」
そんな風にアレクシス殿下に真剣に言われたら、黙ったままでいい訳がない。いずれ確実にバレる事でもある。
それでも侍女さんたちやアレクシス殿下の護衛の皆さんに聞かれるのは避けたい。他の人には聞こえないように、先ずは椅子を持って殿下の隣に移動した。そして彼にだけ聞こえるように耳に口を近付け、小さな声で言った。
「純潔でなくても大丈夫でしょうか?」
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ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援をありがとうございます。
当初、番外編は元婚約者、元親友、ナターシャ&公爵、カイウス、アレクシス、初夜、の話を考えていて数話で終わらせる予定でした。ですが、なんだか本編よりも話数が多くなりそうな気配が、、、。
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