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22年前の騒動
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・・・・・。
アルフリート様の発言で周囲はシンと静まり返ってしまった。
それはそうだろう。
彼は私がしたという嫌がらせの全てが無かった事と証明されてしまったので、『真実の愛』で乗り切ろうとしたのかも知れない。
その言葉によって国王陛下は顔色が真っ青になりながら半泣き状態になっている。
けれど王妃様は彼の発言で更に目をキラキラさせているんだよね~。
自分たちの話が出て嬉しいのか、『父上たちのようにー』という言葉に喜んでいるの?
いえ、全然喜べませんからね?
「アルフリート様、貴方が仰った言葉が全てですわ」
「は!?何を言っている。お前が22年前、と、煩いのと父上たちの様に真実の愛を貫くのとどう関係が、、、、」
アルフリート様が意味が分からない、という様に言葉を繰り返して途中で止まる。
やっと気づいてくれた?
「えぇ、22年前の騒動とは、この学園の卒業パーティーで起きた、当時王太子だった陛下による婚約破棄騒動ですわ」
あぁ、とうとう国王陛下が両手に顔を埋めてしまったわ。この22年間で陛下も己の過ちに気づいて恥じていたのか、それとも同じ過ちを犯した息子の行く末を嘆いているのか?
でも、それを言ったら私の方が恥ずかしいですからね。私は何もしていないのにこんな状態になっているんですよ?瑕疵のついた令嬢ってやつですからね。
22年前の騒動を受けて、法律が変わって取り締まりも強化されてから20年近く公衆の面前で『婚約破棄宣言』される人は居なかったのに!
ポジティブに考えれば、超レアな時の人?
いや、そんなレアは要らないや。
陛下たちの話は最初こそ『真実の愛』だと貴族や平民の一部から称賛されて貴族子息子女を中心に婚約破棄が流行ったらしい。
けれど、後に第二妃様に対して冤罪が証明された事と同時に王妃様の失態が続いた事によって『アレは王太子の愚行だった』と言われるようになった。
そこで一方的な婚約破棄の抑制と騒動の教訓も含めて法律が制定されたのだ。
それからは公衆の面前での婚約破棄は無くなり、騒動を元にした小説の発禁、陛下たちを称賛する話を語る吟遊詩人の取締りなどが行われるようになった。
金輪際、真似をする人が出ない様に、と。
今ではそんな『婚約破棄宣言』なんて流行遅れどころか、そんな馬鹿な事をするやつは居ない、というのが貴族一般の考え方だった。
えぇ、そうよ!
その流行遅れで『卒業パーティーで婚約破棄される』なんて恥ずかしい事をされちゃったのが私なのよ!!
アリスさん?アルフリート様の胸で泣き真似していますけど、泣きたいのは私の方なんですからね。
「簡単に説明しますと、22年前に陛下の第二妃様にイジメられた、と王妃様の相談に乗っている内にお二人は恋人関係になったそうです。
そして陛下は卒業パーティーで婚約破棄をしました。
当時のお二人は一部の方々に好意的に受け取られ祝福され、時を置いてご結婚されましたが、この騒動によって後に多くの問題が出てきたのです。
一番の問題は陛下の真似をする輩が増え、公衆の面前での一方的な断罪とさっきのアレと同じ事が貴族の間で起こるようになったそうです。
また、結婚したものの王妃様には王太子妃教育が不十分な上、1年経っても懐妊の兆しがなかった為にレティシア様が結局、第二妃として嫁ぐ事にもなりました。
そう言った訳でこの騒動はあらゆる方面に多大な影響が出たそうですわ、主に悪い意味で、ですが」
オブラートに包んで言えたわよね?言ってはいけないあの言葉はなるべく言うつもりは無いわよ?カウントされたら困るもの。
ちょっと王妃様、不服そうな顔をしているけど事実ですからね!
卒業後、王妃様は王太子妃教育すら満足に習得出来ずに2年が経ち仕方なく結婚式が行われる事になった。けれど案の定、王太子妃としての公務も満足に出来なかったそうです。
その為に『懐妊の兆し無し』という建前の元にレティシア様が第二妃として嫁ぐ事になったのよ。レティシア様の気持ちなど関係無しに。
「う、嘘っ。だってそんな事、吟遊詩人さんは言ってなかった!」
アリスさんがポツリと呟いたが、そういう事だったのか。
何年か前に王都の下町で三流の吟遊詩人が捕まった、と騒がれけれどそれが今回のきっかけになったのかぁ。
それを鵜呑みにしたアリスさんが野望を持ってしまった、と。
いくら平民には22年前の真実を知る者は少ないとはいえ、陛下たちの小説を持っているのも禁止、語るのも禁止になっている事ぐらい知っていても良いと思うのだけど。
あ、もしかしたら禁止になって20年ほど経ってしまったからその話自体が忘れられていたのかも。
貴族たちは同じ過ちを子息子女が犯さないように学園の校則もあって、幼少の頃より教えられていたから当たり前の事、と思っていたけれど、こんなところで身分の差の違いが出るとはね。
アルフリート様の発言で周囲はシンと静まり返ってしまった。
それはそうだろう。
彼は私がしたという嫌がらせの全てが無かった事と証明されてしまったので、『真実の愛』で乗り切ろうとしたのかも知れない。
その言葉によって国王陛下は顔色が真っ青になりながら半泣き状態になっている。
けれど王妃様は彼の発言で更に目をキラキラさせているんだよね~。
自分たちの話が出て嬉しいのか、『父上たちのようにー』という言葉に喜んでいるの?
いえ、全然喜べませんからね?
「アルフリート様、貴方が仰った言葉が全てですわ」
「は!?何を言っている。お前が22年前、と、煩いのと父上たちの様に真実の愛を貫くのとどう関係が、、、、」
アルフリート様が意味が分からない、という様に言葉を繰り返して途中で止まる。
やっと気づいてくれた?
「えぇ、22年前の騒動とは、この学園の卒業パーティーで起きた、当時王太子だった陛下による婚約破棄騒動ですわ」
あぁ、とうとう国王陛下が両手に顔を埋めてしまったわ。この22年間で陛下も己の過ちに気づいて恥じていたのか、それとも同じ過ちを犯した息子の行く末を嘆いているのか?
でも、それを言ったら私の方が恥ずかしいですからね。私は何もしていないのにこんな状態になっているんですよ?瑕疵のついた令嬢ってやつですからね。
22年前の騒動を受けて、法律が変わって取り締まりも強化されてから20年近く公衆の面前で『婚約破棄宣言』される人は居なかったのに!
ポジティブに考えれば、超レアな時の人?
いや、そんなレアは要らないや。
陛下たちの話は最初こそ『真実の愛』だと貴族や平民の一部から称賛されて貴族子息子女を中心に婚約破棄が流行ったらしい。
けれど、後に第二妃様に対して冤罪が証明された事と同時に王妃様の失態が続いた事によって『アレは王太子の愚行だった』と言われるようになった。
そこで一方的な婚約破棄の抑制と騒動の教訓も含めて法律が制定されたのだ。
それからは公衆の面前での婚約破棄は無くなり、騒動を元にした小説の発禁、陛下たちを称賛する話を語る吟遊詩人の取締りなどが行われるようになった。
金輪際、真似をする人が出ない様に、と。
今ではそんな『婚約破棄宣言』なんて流行遅れどころか、そんな馬鹿な事をするやつは居ない、というのが貴族一般の考え方だった。
えぇ、そうよ!
その流行遅れで『卒業パーティーで婚約破棄される』なんて恥ずかしい事をされちゃったのが私なのよ!!
アリスさん?アルフリート様の胸で泣き真似していますけど、泣きたいのは私の方なんですからね。
「簡単に説明しますと、22年前に陛下の第二妃様にイジメられた、と王妃様の相談に乗っている内にお二人は恋人関係になったそうです。
そして陛下は卒業パーティーで婚約破棄をしました。
当時のお二人は一部の方々に好意的に受け取られ祝福され、時を置いてご結婚されましたが、この騒動によって後に多くの問題が出てきたのです。
一番の問題は陛下の真似をする輩が増え、公衆の面前での一方的な断罪とさっきのアレと同じ事が貴族の間で起こるようになったそうです。
また、結婚したものの王妃様には王太子妃教育が不十分な上、1年経っても懐妊の兆しがなかった為にレティシア様が結局、第二妃として嫁ぐ事にもなりました。
そう言った訳でこの騒動はあらゆる方面に多大な影響が出たそうですわ、主に悪い意味で、ですが」
オブラートに包んで言えたわよね?言ってはいけないあの言葉はなるべく言うつもりは無いわよ?カウントされたら困るもの。
ちょっと王妃様、不服そうな顔をしているけど事実ですからね!
卒業後、王妃様は王太子妃教育すら満足に習得出来ずに2年が経ち仕方なく結婚式が行われる事になった。けれど案の定、王太子妃としての公務も満足に出来なかったそうです。
その為に『懐妊の兆し無し』という建前の元にレティシア様が第二妃として嫁ぐ事になったのよ。レティシア様の気持ちなど関係無しに。
「う、嘘っ。だってそんな事、吟遊詩人さんは言ってなかった!」
アリスさんがポツリと呟いたが、そういう事だったのか。
何年か前に王都の下町で三流の吟遊詩人が捕まった、と騒がれけれどそれが今回のきっかけになったのかぁ。
それを鵜呑みにしたアリスさんが野望を持ってしまった、と。
いくら平民には22年前の真実を知る者は少ないとはいえ、陛下たちの小説を持っているのも禁止、語るのも禁止になっている事ぐらい知っていても良いと思うのだけど。
あ、もしかしたら禁止になって20年ほど経ってしまったからその話自体が忘れられていたのかも。
貴族たちは同じ過ちを子息子女が犯さないように学園の校則もあって、幼少の頃より教えられていたから当たり前の事、と思っていたけれど、こんなところで身分の差の違いが出るとはね。
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