【 完結 】「婚約破棄」されましたので、恥ずかしいから帰っても良いですか?

しずもり

文字の大きさ
15 / 28

罰則と処遇

しおりを挟む
「先ず最初にミレーヌ・シルフィード嬢、本来ならば卒業生たちを、そして貴女の門出を祝う日にこのような事態になった事、本当に申し訳なかった」


学園長が私に向かって小さく頭を下げて謝罪した。


「いえ、このような事が起こるとは誰もが思っていなかった事だと思います。ですからだと思いますわ」


本当に、アル様たち以外は。



「そう言ってもらえると学園としては有り難いが、だからこそ今日の騒動については厳罰に処すつもりだ」


学園長はそう言って、今度はアルたちに向き直った。


「アルフリート殿下、このような事態になり誠に残念です。ギルバート君も殿下を止める立場であった筈だ。

君たちは揃いも揃って学園の校則を知らないばかりか、基本的な学園の事柄についても把握していなかった事に私を始め教師一同、驚きを隠せなかったよ」


学園長が本当に残念そうな声で言った。本当にまさかあそこまで校則は疎か学園の事を知らないとは思わなかっただろう。

アルたちだって毎日学園に通い試験を受け合格し、今日、卒業生として祝われる予定だったのだから。


流石にアルたちも気まずそうにしている。

「まぁ、この様な事態になってしまえばそれも今更だろう。では話を先に進めるとしよう。

先程、シルフィード公爵令嬢が言った通り、我が校には独自の校則があり違反をした場合に罰則が設けられている。

アルフリート殿下たちの行った行為が数々の違反を犯している事は、流石に理解されていると思いますが、そう考えて宜しいですかな?」


「むっ、た、確かに我が校にその様な校則があった事は理解した。しかし ー  」


「理解して下さったようで何よりです」


学園長はこれ以上、アルの言葉を聞きたくない、とばかりに言葉を遮って話を進めるつもりみたいね。

まぁ、これ以上、違反を重ねさせるのは学園長としても本位ではないのでしょう。


アルの方はこのような校則があった事は理解したけれど、納得はしていない、という感じが表情に出ている。アリスさん以外はただ黙って俯いているだけ。

アリスさんも納得していないような顔をしているけれど、こちらは思い通りに事が進まなかったという表情ね。罰則が気にならないのかしら?


「本当に数々の違反を犯している事から退学でもおかしくは無いのだが、シルフィード公爵令嬢はそこまでお望みかな?」


えぇ~、なんか私、試されている感じ?それとも確認しただけかな?


「いえ、確かに校則違反を重ねているかとは思いますが、そこまでは望んでおりません」


本当のところ、一発退場の退学になっている内容ではあるのよ。でも、アリスさんは兎も角、アルたちは今日卒業する筈だったのに、流石に退学ではこの3年間が無駄だった事になってしまうと思うの。どれだけ実のある学校生活だったかは置いとくけど。


「分かりました。先ず、誰にでも過ちを犯す事はあるでしょう。学生という未熟な身であれば余計に。

だから『婚約破棄』『真実の愛』など言ってはいけないという校則については、弾みで言ってしまう可能性も含め2回までは3日から2週間程度の停学処分を言い渡している」


学園長の言葉に子爵と男爵の令息コンビがさっと指で数える素振りをしている。きっと自分達の言動を思い出しているのね。


「あぁ、だが、加えて学校行事の場で婚約破棄宣言をしたというのも当人だけでなく、行った者も罰則を受ける事になるのを忘れずに」


学園長が子爵と男爵令息たちの方を向いて言うと2人は顔に絶望の表情を浮かべた。

その時、ギルがポツリと呟いた。


「あれ、俺たちは今日で卒業だよな?じゃあ、停学なんて関係無いんじゃねえの?」


その言葉に子爵令息たちは嬉しそうな顔になる。


ギル、黙れ!本当に空気を読んで?


学園長が最初に私に退学を望むかどうかを聞いたのを覚えている?


退を聞いたのよ?


「ギルバート君、君はその短絡的思考が今回の騒動に加担する事になったのをもう忘れたのか?もう少しよく考えてから発言するように心掛けなさい」


学園長が呆れた顔でギルを見るけれど本当にそうよ。学園長が何故、この場で発言しているのかを考えれば分かる事じゃない。


「アルフリート・ガルド、ギルバート・ギレアム、ジョセフ・ヨーデル、ルシウス・デリヒ。そして2学年に在籍中のアリス・デリル。

君たち5人は卒業生たちの為の卒業パーティーを『婚約破棄宣言』などという馬鹿げた理由で台無しにした。

そして数々の校則違反を犯した事はこの会場に居る者全てが目撃者である。寄って違反の事実は皆が認めるものだ。

先ず4人の卒業予定者ついては罰則規定の記載に『卒業生が卒業式及びパーティーで違反を犯した場合、卒業は取り消しとなり留年扱いとなる』という追記で記載されている。

よって君たち4人は卒業取り消しとなる。そして在校生のアリス・デリル、君には色々尋ねたい事もあるが、今回の件では3ヵ月の停学処分の上、同じく留年とする」


学園長の言葉で子爵令息たちはヘナヘナと床に座り込んでしまった。ギルはまさかの留年処分に呆気に取られている。そしてアルはー。


「学園長、お、私の処分については致し方ない事だと思っています。ですが、他の者の処遇については再考をお願い出来ないでしょうか」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』

放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」 王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。 しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!? 「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!) 怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

お前との婚約は、ここで破棄する!

ねむたん
恋愛
「公爵令嬢レティシア・フォン・エーデルシュタイン! お前との婚約は、ここで破棄する!」  華やかな舞踏会の中心で、第三王子アレクシス・ローゼンベルクがそう高らかに宣言した。  一瞬の静寂の後、会場がどよめく。  私は心の中でため息をついた。

妹の嘘を信じた婚約者から責められたうえ婚約破棄されましたが、救いの手が差し伸べられました!? ~再会から幕開ける希望ある未来への道~

四季
恋愛
ダリア・フィーオンはある日のパーティー中に王子であり婚約者でもあるエーリオ・ディッセンヴォフから婚約破棄を告げられた。 しかもその決定の裏には、ダリアの妹であるローズの嘘があり。 婚約者と実妹の両方から傷つけられることとなってしまうダリアだった。 ただ、そんな時、一人の青年が現れて……。

【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね

との
恋愛
離婚したいのですか?  喜んでお受けします。 でも、本当に大丈夫なんでしょうか? 伯爵様・・自滅の道を行ってません? まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。 収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。 (父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる) ーーーーーー ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 32話、完結迄予約投稿済みです。 R15は念の為・・

悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~

糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」 「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」 第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。 皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する! 規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした

miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。 婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。 (ゲーム通りになるとは限らないのかも) ・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。 周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。 馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。 冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。 強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!? ※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。

処理中です...