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罰則についてお話ししましょう

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「アル様、私たちの婚約は王命により成立したもの、と言うのはお互いによく理解しているかと思います。」


「えぇっ!?」


えぇっ!ちょっと待って、アルってば何でそこで驚くの?



「お前がシルフィード公爵に強請って無理矢理に結んだ婚約ではなかったのか。」


そんな訳あるか~い!!


アルが焦ったように王妃様とアリスさんを交互に見ているわ。

王妃様はアルの言葉で『ん?』というように可愛らしく小首を傾げているけれど、そのポーズは何かを誤魔化す時のポーズでは?

お父様がギッと陛下の方を向いて睨めば、陛下は全力で首を横に振っている。


アリスさんに至っては


「えぇ~。だって悪役令嬢ってそういう事をするんでしょ?」


と。いや、何でそうなるのよ。5歳の時から私は既に悪役令嬢なの?強請って何でも受け入れられるなら、今すぐ公爵領に私専用の邸を建てて貰って一生、楽しく引き篭もり生活をするわよ!


アリスさんのそのテンプレートな悪役令嬢のイメージって、誰の影響なの?三流吟遊詩人、許すまじ!!一生服役していて欲しい。


「その誤解が生まれたのかは言及しませんが、完全な王命です。王命により私はアル様と婚約をし、我が公爵家は殿下の後見人となったのです。

まぁ、それは婚約解消となるでしょうからもう良いのです。」


「本当かっ!アリスと結婚出来るならば婚約破棄だろうが、婚約解消だろうがどちらでも俺は構わない!」


アルが嬉しそうな声を上げた。またカウント、、、いや、もうどうでも良いか。

けれどアルはブレないな。本当にアリスさんと結婚したいんだね。少し寂しい気もする。

それは私がアルを婚約者として好きだったから、ではない。幼馴染としての情から、かな。

私は幼馴染としてはアルの事を大事に思っていたんだけどなぁ。それだけ長い付き合いだったんだよ?


でもその気持ちはアルからは伝わってこない。アリスさんのことで頭の中はいっぱいなんだろうね。


「私たちの間には婚約している、という事実しかありませんでした。アル様は勿論、私もアル様の事を愛してはいませんでした。幼馴染としての情はありましたが。」


またも驚いた顔をするの?そんな素振りをした事は無かったと思うけど。


「だから幼馴染として今回の事は残念です。起きた事はどうしようも無いけれど、せめてアル様たちへの罰則が軽く済むようにと、これ以上違反が増えないように先にご自分たちで犯した過ちに気づいて欲しかったのです。」


本当にそう思う。卒業パーティーの場で婚約破棄を言われて腹が立つよりも恥ずかしい気持ちと『アルたちはどうなってしまうのだろう?』という心配があった。

だって罰則は ー 。


「その罰則については私から説明しましょう。今回は色々と違反事項も多く特殊事例になるでしょうから。」


そう言って周囲の輪の中から学園長が歩み出てきた。その際に学年主任からメモをしっかりと受け取っていた。


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