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「わ、わたし、ずぅ~っと待っていたんです。
だってクラリスはルーの婚約者で悪役令嬢でしょう?
ルーが私の事を愛してしまってクラリスは蔑ろにされてたんだから、嫉妬心と憎しみで私を虐めたくなるのは当たり前の事だもの。
なのに私の事なんてまるで眼中になくて相手にしてくれないし。
何なら他の女子生徒の皆さんも、全く嫌がらせもしなければ注意してくる事もないなんて、、、そんなのおかしいでしょう?」
えっと、今の言葉のどこに泣く要素があるのでしょう?
ルーシェ殿下の側近候補であり、私とも幼馴染の仲であった宰相の次男アルベルト様が、痛ましそうな表情を浮かべてハンカチを彼女に差し伸べている。
かなり意味不明な事を彼女が言っていた事には、気付いていらっしゃらないのかしら?
そもそも今の発言内容は色々と不敬ではなくて?
私とは会話もした事がないのに何故か呼び捨ての上、悪役令嬢と悪し様に言っているのよ?
しかもルーシェ殿下が婚約者を蔑ろにしている、などと公衆の面前で発言すれば、彼の不誠実さを広く知らしめた事にならない?
「え~っと、アン様・・・だったかしら?
嫌がらせなどされない方がよろしいのではなくて?
何故、態々虐げられるのを待っていたのでしょう?」
本っ当、意味不明なのですけれど!
嫌がらせをして断罪されるならまだしも、嫌がらせをしない事を理由に断罪って有りなの?
これって一体、何の罪になるっていうのよっ。
「宜しいわけないじゃない!
クラリスたちが嫌がらせをしてこないから、イベントが発生しなくて聖女にはなれないし、隠しキャラも出てきてくれないのよっ。
私の一押しがいつまで経っても出て来ないなんて冗談じゃないわよぉ~!!
私はそれを楽しみにクソ真面目でつまらないケインや性欲ばっかり強くて頭空っぽのルーを攻略したり、護衛だとか言ってストーカーみたいに付き纏ってくるウザい男の相手までしたのに!
肝心の推しが出て来なきゃ意味が無いっての!!」
あら、やだ。コレって魂の叫びというやつかな?
でも、それよりも・・・。
あの、色々と本当に意味不明なのですけれど、ものすごぉ~い問題発言をサラッとぶっちゃけてしまいましたが大丈夫なの?
宰相の次男も、元婚約者も、騎士団長令息もみんな驚愕の表情を浮かべているじゃない。
聖女になれないって、どういうことなのかしら?
もしかして、もしかしなくても、彼女は関わっちゃいけないヒト?
「あの、隠しキャラというのが何なのか、サッパリ分かりませんが・・・。
ルーシェ殿下、お申し出の通り婚約の破棄を受け入れますわ。
早速、父に報告して婚約破棄の手続きを取らせて頂きます。
今まで至らない婚約者で申し訳ございませんでした」
彼女の目的がよく分からないし、意味不明な彼女の発言を思い返してみると、このままでは殿下からの婚約破棄が有耶無耶にされてしまいそうな気がするわ。
それは絶対嫌よ!!
ならば、彼女のまさかの爆弾発言からルーシェ殿下が立ち直る前に、サッサと手続きをしてしまわないと逃げ出せなくなってしまう予感がビンビンしてきたわ!
私の背後に立っていた侍女に目配せをすると、彼女は小さく頷いて私の意を汲んでスッとその場を立ち去る。持つべきものは出来る侍女よね。
だって王命による政略結婚だったのよ?
5歳からの付き合いとはいえ、私はルーシェ殿下の好みではなかったようで
『白い髪なんて婆さんみたいだ!』
(これはプラチナブロンドというのです。)
『血みたいな真っ赤な瞳なんてキモいだろ』
(そこはルビーのような綺麗な瞳、と言うべきではありませんの? )
『チビで胸は無いわ、ガリガリで骸骨みたいだ』
(ボンッ、キュッ、ボン!でなくて済みませんねっ!!)
というような暴言を散々吐かれていたのよ?もちろん、反論は心の中だけでですけれども。
いくら見目麗しく地位の高い相手でも愛情など芽生える訳がないわ。
それに性欲が強いだけの頭空っぽ男、なんて・・・ねぇ?
いくらこの国の王子だったとしても無理でしょ。
「えっ?あっ、ちょっ、まっ、クラリス!
待ってくれ!
さっきのは、ほんの冗談ーー」
「ルーシェ殿下が隣にいる女子生徒と、ふか~い仲だというのはよく分かりましたわ。
お二人の仲を裂くなどわたくしには心苦しくて、潔く身を引かせて頂きます。
殿下に付いていらっしゃった影の方も、きっと今頃は王城に報告に行っていると思いますもの。どうぞ存分にアン様に愛を囁いて下さいませ。ではわたくしはこれで失礼致します」
ルーシェ殿下の言葉を途中でぶった切って言うと、私はクルリと背を向けて歩き出しました。
殿下が後ろで何か言っていたようだけれどもう関係ない。
関係ないったら無いのよ!
やった!これで私は自由よっ!
彼女・・・え~とアン様でしかしら?
結局、彼女がどこの誰かも分からなかったけれど、本当にありがとう!
アナタのお蔭で私は自由になれましたわっ。
隠しキャラ、だったかしら?
その言葉の意味はよく分かりませんが、それに出会えるように祈っていますわぁ~。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
だってクラリスはルーの婚約者で悪役令嬢でしょう?
ルーが私の事を愛してしまってクラリスは蔑ろにされてたんだから、嫉妬心と憎しみで私を虐めたくなるのは当たり前の事だもの。
なのに私の事なんてまるで眼中になくて相手にしてくれないし。
何なら他の女子生徒の皆さんも、全く嫌がらせもしなければ注意してくる事もないなんて、、、そんなのおかしいでしょう?」
えっと、今の言葉のどこに泣く要素があるのでしょう?
ルーシェ殿下の側近候補であり、私とも幼馴染の仲であった宰相の次男アルベルト様が、痛ましそうな表情を浮かべてハンカチを彼女に差し伸べている。
かなり意味不明な事を彼女が言っていた事には、気付いていらっしゃらないのかしら?
そもそも今の発言内容は色々と不敬ではなくて?
私とは会話もした事がないのに何故か呼び捨ての上、悪役令嬢と悪し様に言っているのよ?
しかもルーシェ殿下が婚約者を蔑ろにしている、などと公衆の面前で発言すれば、彼の不誠実さを広く知らしめた事にならない?
「え~っと、アン様・・・だったかしら?
嫌がらせなどされない方がよろしいのではなくて?
何故、態々虐げられるのを待っていたのでしょう?」
本っ当、意味不明なのですけれど!
嫌がらせをして断罪されるならまだしも、嫌がらせをしない事を理由に断罪って有りなの?
これって一体、何の罪になるっていうのよっ。
「宜しいわけないじゃない!
クラリスたちが嫌がらせをしてこないから、イベントが発生しなくて聖女にはなれないし、隠しキャラも出てきてくれないのよっ。
私の一押しがいつまで経っても出て来ないなんて冗談じゃないわよぉ~!!
私はそれを楽しみにクソ真面目でつまらないケインや性欲ばっかり強くて頭空っぽのルーを攻略したり、護衛だとか言ってストーカーみたいに付き纏ってくるウザい男の相手までしたのに!
肝心の推しが出て来なきゃ意味が無いっての!!」
あら、やだ。コレって魂の叫びというやつかな?
でも、それよりも・・・。
あの、色々と本当に意味不明なのですけれど、ものすごぉ~い問題発言をサラッとぶっちゃけてしまいましたが大丈夫なの?
宰相の次男も、元婚約者も、騎士団長令息もみんな驚愕の表情を浮かべているじゃない。
聖女になれないって、どういうことなのかしら?
もしかして、もしかしなくても、彼女は関わっちゃいけないヒト?
「あの、隠しキャラというのが何なのか、サッパリ分かりませんが・・・。
ルーシェ殿下、お申し出の通り婚約の破棄を受け入れますわ。
早速、父に報告して婚約破棄の手続きを取らせて頂きます。
今まで至らない婚約者で申し訳ございませんでした」
彼女の目的がよく分からないし、意味不明な彼女の発言を思い返してみると、このままでは殿下からの婚約破棄が有耶無耶にされてしまいそうな気がするわ。
それは絶対嫌よ!!
ならば、彼女のまさかの爆弾発言からルーシェ殿下が立ち直る前に、サッサと手続きをしてしまわないと逃げ出せなくなってしまう予感がビンビンしてきたわ!
私の背後に立っていた侍女に目配せをすると、彼女は小さく頷いて私の意を汲んでスッとその場を立ち去る。持つべきものは出来る侍女よね。
だって王命による政略結婚だったのよ?
5歳からの付き合いとはいえ、私はルーシェ殿下の好みではなかったようで
『白い髪なんて婆さんみたいだ!』
(これはプラチナブロンドというのです。)
『血みたいな真っ赤な瞳なんてキモいだろ』
(そこはルビーのような綺麗な瞳、と言うべきではありませんの? )
『チビで胸は無いわ、ガリガリで骸骨みたいだ』
(ボンッ、キュッ、ボン!でなくて済みませんねっ!!)
というような暴言を散々吐かれていたのよ?もちろん、反論は心の中だけでですけれども。
いくら見目麗しく地位の高い相手でも愛情など芽生える訳がないわ。
それに性欲が強いだけの頭空っぽ男、なんて・・・ねぇ?
いくらこの国の王子だったとしても無理でしょ。
「えっ?あっ、ちょっ、まっ、クラリス!
待ってくれ!
さっきのは、ほんの冗談ーー」
「ルーシェ殿下が隣にいる女子生徒と、ふか~い仲だというのはよく分かりましたわ。
お二人の仲を裂くなどわたくしには心苦しくて、潔く身を引かせて頂きます。
殿下に付いていらっしゃった影の方も、きっと今頃は王城に報告に行っていると思いますもの。どうぞ存分にアン様に愛を囁いて下さいませ。ではわたくしはこれで失礼致します」
ルーシェ殿下の言葉を途中でぶった切って言うと、私はクルリと背を向けて歩き出しました。
殿下が後ろで何か言っていたようだけれどもう関係ない。
関係ないったら無いのよ!
やった!これで私は自由よっ!
彼女・・・え~とアン様でしかしら?
結局、彼女がどこの誰かも分からなかったけれど、本当にありがとう!
アナタのお蔭で私は自由になれましたわっ。
隠しキャラ、だったかしら?
その言葉の意味はよく分かりませんが、それに出会えるように祈っていますわぁ~。
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ここまでお読み下さりありがとうございます。
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