2 / 29
2
しおりを挟む
「わ、わたし、ずぅ~っと待っていたんです。
だってクラリスはルーの婚約者で悪役令嬢でしょう?
ルーが私の事を愛してしまってクラリスは蔑ろにされてたんだから、嫉妬心と憎しみで私を虐めたくなるのは当たり前の事だもの。
なのに私の事なんてまるで眼中になくて相手にしてくれないし。
何なら他の女子生徒の皆さんも、全く嫌がらせもしなければ注意してくる事もないなんて、、、そんなのおかしいでしょう?」
えっと、今の言葉のどこに泣く要素があるのでしょう?
ルーシェ殿下の側近候補であり、私とも幼馴染の仲であった宰相の次男アルベルト様が、痛ましそうな表情を浮かべてハンカチを彼女に差し伸べている。
かなり意味不明な事を彼女が言っていた事には、気付いていらっしゃらないのかしら?
そもそも今の発言内容は色々と不敬ではなくて?
私とは会話もした事がないのに何故か呼び捨ての上、悪役令嬢と悪し様に言っているのよ?
しかもルーシェ殿下が婚約者を蔑ろにしている、などと公衆の面前で発言すれば、彼の不誠実さを広く知らしめた事にならない?
「え~っと、アン様・・・だったかしら?
嫌がらせなどされない方がよろしいのではなくて?
何故、態々虐げられるのを待っていたのでしょう?」
本っ当、意味不明なのですけれど!
嫌がらせをして断罪されるならまだしも、嫌がらせをしない事を理由に断罪って有りなの?
これって一体、何の罪になるっていうのよっ。
「宜しいわけないじゃない!
クラリスたちが嫌がらせをしてこないから、イベントが発生しなくて聖女にはなれないし、隠しキャラも出てきてくれないのよっ。
私の一押しがいつまで経っても出て来ないなんて冗談じゃないわよぉ~!!
私はそれを楽しみにクソ真面目でつまらないケインや性欲ばっかり強くて頭空っぽのルーを攻略したり、護衛だとか言ってストーカーみたいに付き纏ってくるウザい男の相手までしたのに!
肝心の推しが出て来なきゃ意味が無いっての!!」
あら、やだ。コレって魂の叫びというやつかな?
でも、それよりも・・・」
あの、色々と本当に意味不明なのですけれど、ものすごぉ~い問題発言をサラッとぶっちゃけてしまいましたが大丈夫なの?
宰相の次男も、元婚約者も、騎士団長令息もみんな驚愕の表情を浮かべているじゃない。
聖女になれないって、どういうことなのかしら?
もしかして、もしかしなくても、彼女は関わっちゃいけないヒト?
「あの、隠しキャラというのが何なのか、サッパリ分かりませんが・・・」
ルーシェ殿下、お申し出の通り婚約の破棄を受け入れますわ。
早速、父に報告して婚約破棄の手続きを取らせて頂きます。
今まで至らない婚約者で申し訳ございませんでした」
彼女の目的がよく分からないし、意味不明な彼女の発言を思い返してみると、このままでは殿下からの婚約破棄が有耶無耶にされてしまいそうな気がするわ。
それは絶対嫌よ!!
ならば、彼女のまさかの爆弾発言からルーシェ殿下が立ち直る前に、サッサと手続きをしてしまわないと逃げ出せなくなってしまう予感がビンビンしてきたわ!
私の背後に立っていた侍女に目配せをすると、彼女は小さく頷いて私の意を汲んでスッとその場を立ち去る。持つべきものは出来る侍女よね。
だって王命による政略結婚だったのよ?
5歳からの付き合いとはいえ、私はルーシェ殿下の好みではなかったようで
『白い髪なんて婆さんみたいだ!』
ー これはプラチナブロンドというのです。 ー
『血みたいな真っ赤な瞳なんてキモいだろ』
ー そこはルビーのような綺麗な瞳、と言うべきではありませんの? ー
『チビで胸は無いわ、ガリガリで骸骨みたいだ』
ー ボンッ、キュッ、ボン!でなくて済みませんねっ!! ー
というような暴言を散々吐かれていたのよ?もちろん、反論は心の中だけでですけれども。
いくら見目麗しく地位の高い相手でも愛情など芽生える訳がないわ。
それに性欲が強いだけの頭空っぽ男、なんて・・・ねぇ?
いくらこの国の王子だったとしても無理でしょ。
「えっ?あっ、ちょっ、まっ、クラリス!
待ってくれ!
さっきのは、ほんの冗談ーー」
「ルーシェ殿下が隣にいる女子生徒と、ふか~い仲だというのはよく分かりましたわ。
お二人の仲を裂くなど私には心苦しくて、潔く身を引かせて頂きます。
殿下に付いていらっしゃった影の方も、きっと今頃は王城に報告に行っていると思いますもの。どうぞ存分にアン様に愛を囁いて下さいませ。
では私はこれで失礼します」
ルーシェ殿下の言葉を途中でぶった切って言うと、私はクルリと背を向けて歩き出しました。
殿下が後ろで何か言っていたようだけれどもう関係ない。
関係ないったら無いのよ!
やった!これで私は自由よっ!
彼女・・・え~とアン様でしかしら?
結局、彼女がどこの誰かも分からなかったけれど、本当にありがとう!
アナタのお蔭で私は自由になれましたわっ。
隠しキャラ、だったかしら?
その言葉の意味はよく分かりませんが、それに出会えるように祈っていますわぁ~。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
だってクラリスはルーの婚約者で悪役令嬢でしょう?
ルーが私の事を愛してしまってクラリスは蔑ろにされてたんだから、嫉妬心と憎しみで私を虐めたくなるのは当たり前の事だもの。
なのに私の事なんてまるで眼中になくて相手にしてくれないし。
何なら他の女子生徒の皆さんも、全く嫌がらせもしなければ注意してくる事もないなんて、、、そんなのおかしいでしょう?」
えっと、今の言葉のどこに泣く要素があるのでしょう?
ルーシェ殿下の側近候補であり、私とも幼馴染の仲であった宰相の次男アルベルト様が、痛ましそうな表情を浮かべてハンカチを彼女に差し伸べている。
かなり意味不明な事を彼女が言っていた事には、気付いていらっしゃらないのかしら?
そもそも今の発言内容は色々と不敬ではなくて?
私とは会話もした事がないのに何故か呼び捨ての上、悪役令嬢と悪し様に言っているのよ?
しかもルーシェ殿下が婚約者を蔑ろにしている、などと公衆の面前で発言すれば、彼の不誠実さを広く知らしめた事にならない?
「え~っと、アン様・・・だったかしら?
嫌がらせなどされない方がよろしいのではなくて?
何故、態々虐げられるのを待っていたのでしょう?」
本っ当、意味不明なのですけれど!
嫌がらせをして断罪されるならまだしも、嫌がらせをしない事を理由に断罪って有りなの?
これって一体、何の罪になるっていうのよっ。
「宜しいわけないじゃない!
クラリスたちが嫌がらせをしてこないから、イベントが発生しなくて聖女にはなれないし、隠しキャラも出てきてくれないのよっ。
私の一押しがいつまで経っても出て来ないなんて冗談じゃないわよぉ~!!
私はそれを楽しみにクソ真面目でつまらないケインや性欲ばっかり強くて頭空っぽのルーを攻略したり、護衛だとか言ってストーカーみたいに付き纏ってくるウザい男の相手までしたのに!
肝心の推しが出て来なきゃ意味が無いっての!!」
あら、やだ。コレって魂の叫びというやつかな?
でも、それよりも・・・」
あの、色々と本当に意味不明なのですけれど、ものすごぉ~い問題発言をサラッとぶっちゃけてしまいましたが大丈夫なの?
宰相の次男も、元婚約者も、騎士団長令息もみんな驚愕の表情を浮かべているじゃない。
聖女になれないって、どういうことなのかしら?
もしかして、もしかしなくても、彼女は関わっちゃいけないヒト?
「あの、隠しキャラというのが何なのか、サッパリ分かりませんが・・・」
ルーシェ殿下、お申し出の通り婚約の破棄を受け入れますわ。
早速、父に報告して婚約破棄の手続きを取らせて頂きます。
今まで至らない婚約者で申し訳ございませんでした」
彼女の目的がよく分からないし、意味不明な彼女の発言を思い返してみると、このままでは殿下からの婚約破棄が有耶無耶にされてしまいそうな気がするわ。
それは絶対嫌よ!!
ならば、彼女のまさかの爆弾発言からルーシェ殿下が立ち直る前に、サッサと手続きをしてしまわないと逃げ出せなくなってしまう予感がビンビンしてきたわ!
私の背後に立っていた侍女に目配せをすると、彼女は小さく頷いて私の意を汲んでスッとその場を立ち去る。持つべきものは出来る侍女よね。
だって王命による政略結婚だったのよ?
5歳からの付き合いとはいえ、私はルーシェ殿下の好みではなかったようで
『白い髪なんて婆さんみたいだ!』
ー これはプラチナブロンドというのです。 ー
『血みたいな真っ赤な瞳なんてキモいだろ』
ー そこはルビーのような綺麗な瞳、と言うべきではありませんの? ー
『チビで胸は無いわ、ガリガリで骸骨みたいだ』
ー ボンッ、キュッ、ボン!でなくて済みませんねっ!! ー
というような暴言を散々吐かれていたのよ?もちろん、反論は心の中だけでですけれども。
いくら見目麗しく地位の高い相手でも愛情など芽生える訳がないわ。
それに性欲が強いだけの頭空っぽ男、なんて・・・ねぇ?
いくらこの国の王子だったとしても無理でしょ。
「えっ?あっ、ちょっ、まっ、クラリス!
待ってくれ!
さっきのは、ほんの冗談ーー」
「ルーシェ殿下が隣にいる女子生徒と、ふか~い仲だというのはよく分かりましたわ。
お二人の仲を裂くなど私には心苦しくて、潔く身を引かせて頂きます。
殿下に付いていらっしゃった影の方も、きっと今頃は王城に報告に行っていると思いますもの。どうぞ存分にアン様に愛を囁いて下さいませ。
では私はこれで失礼します」
ルーシェ殿下の言葉を途中でぶった切って言うと、私はクルリと背を向けて歩き出しました。
殿下が後ろで何か言っていたようだけれどもう関係ない。
関係ないったら無いのよ!
やった!これで私は自由よっ!
彼女・・・え~とアン様でしかしら?
結局、彼女がどこの誰かも分からなかったけれど、本当にありがとう!
アナタのお蔭で私は自由になれましたわっ。
隠しキャラ、だったかしら?
その言葉の意味はよく分かりませんが、それに出会えるように祈っていますわぁ~。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
70
あなたにおすすめの小説
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
悪役令嬢ですが、今日も元婚約者とヒロインにざまぁされました(なお、全員私を溺愛しています)
ほーみ
恋愛
「レティシア・エルフォード! お前との婚約は破棄する!」
王太子アレクシス・ヴォルフェンがそう宣言した瞬間、広間はざわめいた。私は静かに紅茶を口にしながら、その言葉を聞き流す。どうやら、今日もまた「ざまぁ」される日らしい。
ここは王宮の舞踏会場。華やかな装飾と甘い香りが漂う中、私はまたしても断罪劇の主役に据えられていた。目の前では、王太子が優雅に微笑みながら、私に婚約破棄を突きつけている。その隣には、栗色の髪をふわりと揺らした少女――リリア・エヴァンスが涙ぐんでいた。
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる