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レイチェルの章
女神信仰への嫌悪
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カンターナ伯爵はリネットの母親である、サマンサと学生の頃からずっと恋人同士だった。
しかし、当時の伯爵が亡くなった夫人との婚約を決めてしまった。
伯爵は夫人と自分の名前を申請した紙を盗みだし、代わりに自分とサマンサの名前を書いた物を置いておいた。
しかし、それは女神の承認はされず、父親にもばれてしまい、激しく叱責され謹慎させられた。
謹慎している間に、正しい申請をされ、それが受理してしまった。
カンターナ伯爵は泣く泣く夫人と結婚したのだ。
そして、一旦は別れたサマンサと偶然再会し、よりを戻してしまった。
結婚して分かった事だったが、夫人はとても嫉妬深く、プライドが高かった。
もし、サマンサの事を知られてしまった時の事を考えるとおそろしかった。
そんな時にサマンサが身籠った。
伯爵はサマンサに纏まったお金を持たせ、隣国の友人宛の手紙も渡し彼を頼るように言って逃がした。
数ヶ月に1度、学生時代の友人達との集いを計画し、隣国へ赴くようにして、彼女の存在をひた隠しにした。
そして、2人に運が味方した。
夫人が馬車の事故に巻き込まれ、亡くなってしまったのだ。
伯爵は秘かにサマンサを呼び戻した。
隣国へ渡った後、サマンサはリネットを生んでいて、やっと親子3人の生活が送れるようになった。
ただし、カンターナ伯爵は二度と女神に結婚の承認をもらおうとはしなかった。
もう女神は信用しない。
自分たちで、幸せになってやる。
そう思っていた。
だから、リネットにも、女神信仰を教えなかった。
そのせいで、大変な事になろうとしているとは、思ってもいなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ジェフリー・アッシュベリー公爵は、サンテ・クルザードリー王国の国王であるアーサーに面会を求めていた。
2人ははとこにあたる。お互いの祖父が兄弟だった。
年も近いこともあり、昔から兄弟のように仲良く育った。
今も、公爵はアーサー王の右腕と言ってもいい働きと忠誠を誓っていた。
そんなジェフリーが急ぎの面会を求めて来た時、アーサーは一体どんな緊急な案件が持ち上がったのか?
と考えていた。
「ジェフリー どうした?」
「ニコラス王子の事ですがね」
「ニコラス?」
「レイチェルに婚約破棄を突きつけてる」
「なんだって!」
アーサー王は、信じられない物を見るように、ジェフリーを見ている
「そんなバカな…この国で、しかも王族がそんな事をする筈は…」
そう言って考え込んだ。
「いや、そうか…ニコラスならやりかねない」
「どういう意味です?」
ジェフリーが怪訝そうな顔をする
「あいつは女神信仰を信用していない」
「なんですって!」
国で信仰を、認めているものを一国の王子が否定するなんて、アッシュベリー公爵は信じられない気持ちだった。
しかし、当時の伯爵が亡くなった夫人との婚約を決めてしまった。
伯爵は夫人と自分の名前を申請した紙を盗みだし、代わりに自分とサマンサの名前を書いた物を置いておいた。
しかし、それは女神の承認はされず、父親にもばれてしまい、激しく叱責され謹慎させられた。
謹慎している間に、正しい申請をされ、それが受理してしまった。
カンターナ伯爵は泣く泣く夫人と結婚したのだ。
そして、一旦は別れたサマンサと偶然再会し、よりを戻してしまった。
結婚して分かった事だったが、夫人はとても嫉妬深く、プライドが高かった。
もし、サマンサの事を知られてしまった時の事を考えるとおそろしかった。
そんな時にサマンサが身籠った。
伯爵はサマンサに纏まったお金を持たせ、隣国の友人宛の手紙も渡し彼を頼るように言って逃がした。
数ヶ月に1度、学生時代の友人達との集いを計画し、隣国へ赴くようにして、彼女の存在をひた隠しにした。
そして、2人に運が味方した。
夫人が馬車の事故に巻き込まれ、亡くなってしまったのだ。
伯爵は秘かにサマンサを呼び戻した。
隣国へ渡った後、サマンサはリネットを生んでいて、やっと親子3人の生活が送れるようになった。
ただし、カンターナ伯爵は二度と女神に結婚の承認をもらおうとはしなかった。
もう女神は信用しない。
自分たちで、幸せになってやる。
そう思っていた。
だから、リネットにも、女神信仰を教えなかった。
そのせいで、大変な事になろうとしているとは、思ってもいなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ジェフリー・アッシュベリー公爵は、サンテ・クルザードリー王国の国王であるアーサーに面会を求めていた。
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そんなジェフリーが急ぎの面会を求めて来た時、アーサーは一体どんな緊急な案件が持ち上がったのか?
と考えていた。
「ジェフリー どうした?」
「ニコラス王子の事ですがね」
「ニコラス?」
「レイチェルに婚約破棄を突きつけてる」
「なんだって!」
アーサー王は、信じられない物を見るように、ジェフリーを見ている
「そんなバカな…この国で、しかも王族がそんな事をする筈は…」
そう言って考え込んだ。
「いや、そうか…ニコラスならやりかねない」
「どういう意味です?」
ジェフリーが怪訝そうな顔をする
「あいつは女神信仰を信用していない」
「なんですって!」
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