婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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不思議なバイロン

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「セシリア、大丈夫か?」
カイルが後ろから肩を抱いて覗き込みます。


「ええ、さっきのが免疫になったのかも… 何ともないわ」
私は肩に置かれたカイルの手に自分の手を重ねて、言います。

「なら、いいが…」

「カイル、私にはよく顔も見えないから、あの人がバイロン様だって分からないのだけど、バイロン様で間違いないのね?」

「ああ、あいつさっきマリナ様が渡した栞を胸の内ポケットに入れているんだ。
いくら帽子を被ってマントを羽織っても、その気配があるから、間違いない」

「カイルってそんな事出来たの?」
私は驚いて聞きます。

「あれ? 言ってなかったか?
祖父が強い魔法が使えたって言っただろ?」

「ええ、大叔母様と一緒に攻めて来たアランソルを抑え込んだのよね?」

「よく覚えてたね。僕はその祖父の力を少し受け継いでいてね。
それもあってマリナ様と親しくさせてもらっていると言う側面もあるんだ。
祖父の力を1番知っているのはマリナ様だから」

「そうだったのね」
やっと、納得出来ました。
そんなカイルが言うなら、あれはバイロン様なのだろう。

話をしている間もずっと木陰からこちらを伺っている人物。
彼からは目を離さずにいましたが、あちらは見られているとは全く気づいていない様子です。

「バイロン様は何をあんなに見ているのかしら?」

視線は教会の屋根の下辺りをじーっと見つめている。

「さあな。
だがエレーナを探しているにしては何だか変な気もするな」

「そうよね。窓の内側を気にしてるのとも違うし…」


「お姉ちゃん!」

そんな事を話している内に、数人の子供たちがやってきた。

「あら! いらっしゃい 皆だけで来たの?」

「ちがうよ。 院長先生は後からくるよ」

「そう じゃあ先ずはシスタークレアの所へ行ってご挨拶してらっしゃい」

「「わかった」」
子供達は元気に走っていきました。

それを2人で見送っていると、
「あの子達よくセシリアの事わかったな」

「ああ、孤児院に行く時はこの格好なのよ。
この国でハニーブロンドの髪は目立つでしょ?」

「なるほどね。そう言うことか…」
カイルも納得しています。


「こんにちはセシリア」
後ろから孤児院の院長先生がはあはあと息が上がった様子でやってきた。

「院長先生ご苦労様さまです。子供達はシスタークレアの元へむかわせましたよ」

「ああ、ありがとう。
やれやれ、子供達のパワーには付いていけないよ」
院長先生はもう人頑張りと呟いて教会へ入っていった。

「ふふふ、院長先生ったら」
今度は院長を見送る。


「すまない… 少し‥聞きたい事があるのだか…」

また後ろから声が聞こえて、振り返ると、先程まで木陰に隠れていたバイロン様が立っていた。
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