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予想外のバイロン
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先程と違って帽子を取り、真後ろに立っていたのは、確かにバイロン様だった。
一瞬息を飲んでしまったが、大丈夫、大丈夫。
やはり、先程は気を失うと言う体にショックを与えて免疫を作ったのだろう。
寝ている間に巡っている聖女の力で奥底に残っていた心の傷を癒すことが出来たようだ。
私は素知らぬ振りでニッコリ笑うと、
「何かご用ですか?」そう聞いた。
「こちらに、見事なハニーブロンドの若い女性がいると思うのだが…」
ん? エレーナの事じゃないの?
いや、エレーナには違いないけど、あの姿の私をエレーナとは思ってないわよね?
それにあの姿で会った覚えはないのだけど…
私とカイルはそっと顔を見合わせてしまった。
「確かにおりますが… 失礼ですが、どう言ったご用で?」
カイルがいぶかしながら、聞く。
「いや、あの…こ、この前お見かけして、是非お話させてもらいたくて…」
「はぁ…」
私は何を言っているのか分からないのと、こんなバイロン様を見るのが初めてで、面食らってしまった。
だって、いつももっと偉そうだったし、もっと根拠のない自信にまみれたような不遜な態度でいたし、いけ好かない王子様だったのに…
今はずいぶんと下手に出てると言うか、自信なさげというか…
「わ、私はアランソルから来ている旅の者だが、決して怪しい者ではない。あのハニーブロンドの君に会わせては頂けないか?」
ハ、ハニーブロンドの君ですって!?
本当にどうしちゃったの?
私が驚きのあまり固まっているので、カイルが対応する。
「あいにく、今日はここにはおりません、隣町に出ていまして…
それに聖女様の元で過ごしておりますので、聖女様に聞いてみないと、お会い出来るかは、分かりません」
「そうか…」
バイロン様はそれを聞いて肩をガックリと、落とし下を向く。
そこまで、落ち込む?って言う感じです。
そして次の瞬間今度はガバッと顔を上げて、
「いつお戻りになる? 聖女様の許可はどうやって取ればよいのだ?
いや、それより聖女様には会えるか?」
と矢継ぎ早に質問をして来ます。
「えっ! あ、あの ちょっと落ち着いて」
カイルもいきなりの質問攻撃に慌ててます。
私は深呼吸を一つしてから、答えました。
「申し訳ありません、本日は催しの最中で、聖女様も時間が取れません。
2日後に来てみてください。
聖女様にはお話ししておきます。
ただ、セシリア様に会えるかは分かりませんよ」
私の話を聞いて、少し落ち着いたバイロン様は頷きました。
「ハニーブロンドの君はセシリアと言うのか?」
「…ええ」
「そうか、セシリア。はあー いい名だ。 セシリア… セシリアか…」
1人で顔を赤らめて、ぶつぶつと呟いている。
何か… 気持ち悪いから呼ばないでほしい。
「あの~」
ぼーとしているバイロン様に声を掛けると、はっと我に返ったようで、
「す、すまない。 では2日後に来ることにする。
くれぐれも聖女様に伝言をよろしく頼む」
そう言ってスタスタと歩いて行ってしまった。
「なんだ? あれは…」
私達は呆れてしまった。
一瞬息を飲んでしまったが、大丈夫、大丈夫。
やはり、先程は気を失うと言う体にショックを与えて免疫を作ったのだろう。
寝ている間に巡っている聖女の力で奥底に残っていた心の傷を癒すことが出来たようだ。
私は素知らぬ振りでニッコリ笑うと、
「何かご用ですか?」そう聞いた。
「こちらに、見事なハニーブロンドの若い女性がいると思うのだが…」
ん? エレーナの事じゃないの?
いや、エレーナには違いないけど、あの姿の私をエレーナとは思ってないわよね?
それにあの姿で会った覚えはないのだけど…
私とカイルはそっと顔を見合わせてしまった。
「確かにおりますが… 失礼ですが、どう言ったご用で?」
カイルがいぶかしながら、聞く。
「いや、あの…こ、この前お見かけして、是非お話させてもらいたくて…」
「はぁ…」
私は何を言っているのか分からないのと、こんなバイロン様を見るのが初めてで、面食らってしまった。
だって、いつももっと偉そうだったし、もっと根拠のない自信にまみれたような不遜な態度でいたし、いけ好かない王子様だったのに…
今はずいぶんと下手に出てると言うか、自信なさげというか…
「わ、私はアランソルから来ている旅の者だが、決して怪しい者ではない。あのハニーブロンドの君に会わせては頂けないか?」
ハ、ハニーブロンドの君ですって!?
本当にどうしちゃったの?
私が驚きのあまり固まっているので、カイルが対応する。
「あいにく、今日はここにはおりません、隣町に出ていまして…
それに聖女様の元で過ごしておりますので、聖女様に聞いてみないと、お会い出来るかは、分かりません」
「そうか…」
バイロン様はそれを聞いて肩をガックリと、落とし下を向く。
そこまで、落ち込む?って言う感じです。
そして次の瞬間今度はガバッと顔を上げて、
「いつお戻りになる? 聖女様の許可はどうやって取ればよいのだ?
いや、それより聖女様には会えるか?」
と矢継ぎ早に質問をして来ます。
「えっ! あ、あの ちょっと落ち着いて」
カイルもいきなりの質問攻撃に慌ててます。
私は深呼吸を一つしてから、答えました。
「申し訳ありません、本日は催しの最中で、聖女様も時間が取れません。
2日後に来てみてください。
聖女様にはお話ししておきます。
ただ、セシリア様に会えるかは分かりませんよ」
私の話を聞いて、少し落ち着いたバイロン様は頷きました。
「ハニーブロンドの君はセシリアと言うのか?」
「…ええ」
「そうか、セシリア。はあー いい名だ。 セシリア… セシリアか…」
1人で顔を赤らめて、ぶつぶつと呟いている。
何か… 気持ち悪いから呼ばないでほしい。
「あの~」
ぼーとしているバイロン様に声を掛けると、はっと我に返ったようで、
「す、すまない。 では2日後に来ることにする。
くれぐれも聖女様に伝言をよろしく頼む」
そう言ってスタスタと歩いて行ってしまった。
「なんだ? あれは…」
私達は呆れてしまった。
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