婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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またやって来たバイロン

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次の日、いつもの様に畑に向かって祝福の力を使っていると、思った通りまたバイロン様がやって来ました。

「セシリア嬢 おはよう。
昨日はいきなりのすまなかった」

私は驚いたフリをして、振り向きます。

「まぁ、バイロン様おはようございます。
いいえ、昨日はびっくりしましたけど…
それに私は今修行の身ですし、もし貴族のお遊びなら他でお願いします。」とうつ向いて恥ずかしそうにしてみます。


「き、昨日はあなたを見ていたら、つい気持ちを伝えたくなってしまったんだ。
あなたの立場も考えず、先走ってしまって、すまない。
でも、軽い気持ちで言った訳ではない。
それは分かってほしい」
と真摯に言ってきます。
知らない人が見たらとても誠実な男に映るのかしら?


「なぜ私を? バイロン様とは数回お会いしただけだし、大した話もした事ありませんよね?」

「前に教会前であなたを見かけた時からずっと忘れられなくなったのだ。あなたのそのハニーブロンドの美しさを」

「髪の色? バイロン様はこの髪色の女性が好きなのですか?」
とぼけて言います。

「い、いやいやそんな訳ない。
セシリアあなただから好きなんだ。
あなたのその美しいさに私は…」
自分が言えば言うほど墓穴を掘っている事に気がついてないバイロン様はいかに自分がセシリアの美しさに参っているか話します。

「先程から聞いていると、バイロン様は私の外見の事しか言われませんよね?
あなたは私を知りもしないで、ただ外側の見えている所を誉めているだけではありませんか?
それで好きだと言われて嬉しがる程愚かな人間だと、私は思われているのですか?」


「そ、そんなことは…ない…」

私に指摘されたバイロン様はどんどん声が小さくなって下を向いてしまった。

しかし少し考えて、おもむろに顔をあげて言ってきます。

「あ、あなたは聖女だ。
心が美しくないわけがない。
私はあなたの中身も素晴らしい事をわかっている。
だ、だからあえてあなたの見た目の美しさを褒め称えたのだ」

物は言いようだわ。
まったく… 本当ならもっと言い返したいけど、それではだめなのよね。

「それでは、バイロン様は人は性格や教養などの中身の美しさのが大事だと思いますか?」

「あ、当たり前ではないか…
心の美しさが1番大事だ。
た、ただやはり心の美しい人は外見も美しいと思う。
あなたはまさに見た目も心も美しい。
だから、私はあなたに惚れたのだ」

ふーん。
恥ずかし気もなく言うものだわね。

「お気持ちは嬉しいですが、私はバイロン様の事を何も知りません。
あなたは私の事をよく知っている様におっしゃいますが、私はバイロン様の事を名前以外何ひとつ知らない。
誉められたから好きになったり、付き合ったりする程私はすぐに気持ちが決められる人間ではありません。
どうか時間を下さい」

「もちろんだ。
いきなり、拒否されないだけで私は安堵している。
いつまでも待つし、また話をしに来る
私を知って貰うために」
そう言って帰っていきました。
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