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「なんですって? 結婚?!」
目の前で口を大きく開けて目を見開いているのは、友達のルビア。
ひとつ上の彼女の家は侯爵家で、領地が隣同士だったことと父親同士が学生時代から付き合いがあった事で彼女とは幼い時から姉妹の様に仲良くしている。
「ええ、急な事なんだけれどね」
私はルビアに隠す事なく全てを話しました。
彼女は家族以外では最も信頼出来る人だから。
「そう… 今回の事ではうちはあまり力になれなかったものね…」
侯爵家ではルビアの姉のレリア様が結構な持参金を持って隣国へ嫁がれる事になっていました。
そこへ今回の大嵐が来たのです。
隣の領地である侯爵家も少なからず被害が出ていた。
娘の為の支度金と、領地の建て直し予算で侯爵家の財政は一時的に厳しくなっていて、我が家を助ける余裕なんてなかったのです
ルビアはその事を気に病んでいるらしい。
「ルビアったら、そんなのお互い様でしょ?
レリア姉様のお祝いも保留にしていただいているのだから。
それに、あなたも知っているでしょ?
私が婚約者もいない上に全然相手探しもしていなかった事」
「そうね✨、あなたったら、男の人の誘いをかわしてばかりだったわよね」
ルビアは気乗りしない私をせっせと社交場に連れて行ってくれていた。
「だって、寄ってくる男なんて見るからにハズレなんだもの」
貴族の次男三男で成績が悪くて、なんとか騎士団に入ったけど、落ちこぼれ寸前の人とか…
文官見習いから昇格出来ない人とか…
私の相手になれば、伯爵家のコネでなんとか将来が開けると本気で考えてる。
頭に花が咲いているようなお気楽な人ばかりなんですもの。
「いつかはこの家の為になる結婚はしようと覚悟はあったけど、なかなかまともな人がいないから。
私の理想があるとすれば、優秀で仕事の出来る人っていつも言っていたでしょ?
これは叶えられそうだと思わない?
探す手間も省けた事だね」
そう…ロエベ子爵令息はやり手だからこそ、今この国にはいないのだから。
「でも、まだ会っていないのよ?
顔も知らないじゃない。
もしスッゴい不細工とか、背がめちゃくちゃ低いとかだったらどうするの?」
半分心配半分からかう様に言うルビア。
「あら? ルビアもロエベ子爵は見たことあるでしょ?
子爵曰く、息子は私によく似ている。
ですって」
「うーん。そうね…
なら、問題無さそうよね…」
「それに、2年後にもし私が嫌なら離婚しても良いそうよ」
まだ、考え込んでるルビアに
もしもの時の切り札を切る。
それを聞いたルビアは、少し考えて息を吐いた。
「おめでとう、リディアーヌ。
あーあ あなたに先を越されるとは思わなかったわ」
やっと納得してくれた、心配性の友。
「ところで領地復興の目処がついたら、あなたの町に帰るの?」
「ええ、 でもその前に大きな行事をひとつこなさないとね」
「1ヶ月後の王妃様主催のお茶会ね。
そこで結婚のご報告はするの」
「いいえ、二人一緒に陛下にご挨拶していないから、内々に報告して、御披露目やパーティーなんかはずーと先よ。
名目的には、テオバルド様の不在とうちの領地復興で忙しい為って事で国王陛下にはお許しを頂いたの」
「そう、でも…
1ヶ月後なら噂は出てる頃よね」
とちょっと心配そうにルビアが言う。
ロエベ子爵の商いの為に早めた結婚だ。
我が家が大々的に広めなくても、お父様がロエベ子爵と連れ立って知り合いの所へは挨拶に行くだろうし、1ヶ月もあれば噂は広がっていくわよね。
若い令嬢たちの間では、あることないこと噂話は常に渦巻いている。
今までは外から様子を伺っているだけだったけど、今度は噂の中心に据えられかねない。
優しいルビアはそれを心配しているのだろう。
「まあ、端から見たら電撃結婚だしね」
「端から見なくてもそうよ。
それにあの娘がまた絡んでくるわよ」
「あー」
そうだ、忘れていた。
あの厄介な存在の事を。
*
北の領地もやっと目処がつきそうで本当に良かった。
我が家での顔合わせから数週間、ロエベ子爵がテオバルド様からの手紙を持って再訪してくれました。
子爵様はまた私にいっぱい贈り物を置いて帰っていきました。
子爵曰く、義理の娘へのプレゼントだそうです。
さて、部屋でゆっくり手紙を読むことにします。
侍女にお茶の用意をしてもらい、早速封を切りました。
:
拝啓
取り急ぎ、ご挨拶申します。
丁寧な手紙を頂き感激いたしました。
この度は父の非礼とも言える申し出を受けていただいたそうで、お礼申し上げます。
しかも、このように前向きに私との関係を作ろうとしてくれるなど、感謝の念に堪えません。
父からも手紙でリディアーヌ様の美しさや、人柄の良さを聞き及んでおります。
私はなんとも運のよい男だと、喜んでおりますれば、少しでもあなたに相応しい男になるべく精進しようと、決心したところです。
また私の都合で直ぐにお会いできず、誠に申し訳なく思っておりますが、これからは
お互いの気持ちを通わせるべく、できる限り便りを出す所存でおります……
と、この後も続くんですが、こんな感じでとても気を遣って下さっているお手紙が頂けました。
あちらも親が決めた相手を嫌がってはいなそうで、ホッとしました。
顔も気になりますが、やっぱり性格が良い方が大事ですものね。
これなら、心配はなさそうです。
そして最後に王妃様主催のお茶会について触れていました。
:
父からききましたが、王妃様主催のお茶会があるとの事。
本来ならちゃんと婚約式や陛下へのご報告などを二人揃って行えれば、良かったのですが生憎と後1年はこの国を離れられない事情があり誠に申し訳ない。
あなたに肩身の狭い思いをさせる事がとても心苦しい。
もしもの時の為に私の友人によろしく頼むと手紙を送っておりますのできっとお役にはたつと思います。
無事に終わる事を祈って…
そうでした、子爵様にお会いした時も最後にその話をしたのですよね。
王妃様は事情を察して下さるだろうけど、うるさい噂雀どもがいっぱいいるだろうと…
本当は噂雀って言うのは町でお金を貰って噂を広める人の事らしいけど、若い令嬢達の間では、噂話を聞いて、しゃべって大騒ぎしている若い令嬢達の比喩としても使うのだ。
私の周りにも噂好きの令嬢は多いのです。
子爵様やテオバルド様はその事を気にしてくださっているのだろう。
でも友人って男の人?
お茶会は令嬢たちが主な招待客だ。
男の友達では役にたたないと思うのだけど…
それとも女の方なのかしら?
テオバルド様の手紙に嬉しいやらほっとしたやら、気持ちが大忙しでしたが、最後に少しだけ不安な気持ちがのこりました。
目の前で口を大きく開けて目を見開いているのは、友達のルビア。
ひとつ上の彼女の家は侯爵家で、領地が隣同士だったことと父親同士が学生時代から付き合いがあった事で彼女とは幼い時から姉妹の様に仲良くしている。
「ええ、急な事なんだけれどね」
私はルビアに隠す事なく全てを話しました。
彼女は家族以外では最も信頼出来る人だから。
「そう… 今回の事ではうちはあまり力になれなかったものね…」
侯爵家ではルビアの姉のレリア様が結構な持参金を持って隣国へ嫁がれる事になっていました。
そこへ今回の大嵐が来たのです。
隣の領地である侯爵家も少なからず被害が出ていた。
娘の為の支度金と、領地の建て直し予算で侯爵家の財政は一時的に厳しくなっていて、我が家を助ける余裕なんてなかったのです
ルビアはその事を気に病んでいるらしい。
「ルビアったら、そんなのお互い様でしょ?
レリア姉様のお祝いも保留にしていただいているのだから。
それに、あなたも知っているでしょ?
私が婚約者もいない上に全然相手探しもしていなかった事」
「そうね✨、あなたったら、男の人の誘いをかわしてばかりだったわよね」
ルビアは気乗りしない私をせっせと社交場に連れて行ってくれていた。
「だって、寄ってくる男なんて見るからにハズレなんだもの」
貴族の次男三男で成績が悪くて、なんとか騎士団に入ったけど、落ちこぼれ寸前の人とか…
文官見習いから昇格出来ない人とか…
私の相手になれば、伯爵家のコネでなんとか将来が開けると本気で考えてる。
頭に花が咲いているようなお気楽な人ばかりなんですもの。
「いつかはこの家の為になる結婚はしようと覚悟はあったけど、なかなかまともな人がいないから。
私の理想があるとすれば、優秀で仕事の出来る人っていつも言っていたでしょ?
これは叶えられそうだと思わない?
探す手間も省けた事だね」
そう…ロエベ子爵令息はやり手だからこそ、今この国にはいないのだから。
「でも、まだ会っていないのよ?
顔も知らないじゃない。
もしスッゴい不細工とか、背がめちゃくちゃ低いとかだったらどうするの?」
半分心配半分からかう様に言うルビア。
「あら? ルビアもロエベ子爵は見たことあるでしょ?
子爵曰く、息子は私によく似ている。
ですって」
「うーん。そうね…
なら、問題無さそうよね…」
「それに、2年後にもし私が嫌なら離婚しても良いそうよ」
まだ、考え込んでるルビアに
もしもの時の切り札を切る。
それを聞いたルビアは、少し考えて息を吐いた。
「おめでとう、リディアーヌ。
あーあ あなたに先を越されるとは思わなかったわ」
やっと納得してくれた、心配性の友。
「ところで領地復興の目処がついたら、あなたの町に帰るの?」
「ええ、 でもその前に大きな行事をひとつこなさないとね」
「1ヶ月後の王妃様主催のお茶会ね。
そこで結婚のご報告はするの」
「いいえ、二人一緒に陛下にご挨拶していないから、内々に報告して、御披露目やパーティーなんかはずーと先よ。
名目的には、テオバルド様の不在とうちの領地復興で忙しい為って事で国王陛下にはお許しを頂いたの」
「そう、でも…
1ヶ月後なら噂は出てる頃よね」
とちょっと心配そうにルビアが言う。
ロエベ子爵の商いの為に早めた結婚だ。
我が家が大々的に広めなくても、お父様がロエベ子爵と連れ立って知り合いの所へは挨拶に行くだろうし、1ヶ月もあれば噂は広がっていくわよね。
若い令嬢たちの間では、あることないこと噂話は常に渦巻いている。
今までは外から様子を伺っているだけだったけど、今度は噂の中心に据えられかねない。
優しいルビアはそれを心配しているのだろう。
「まあ、端から見たら電撃結婚だしね」
「端から見なくてもそうよ。
それにあの娘がまた絡んでくるわよ」
「あー」
そうだ、忘れていた。
あの厄介な存在の事を。
*
北の領地もやっと目処がつきそうで本当に良かった。
我が家での顔合わせから数週間、ロエベ子爵がテオバルド様からの手紙を持って再訪してくれました。
子爵様はまた私にいっぱい贈り物を置いて帰っていきました。
子爵曰く、義理の娘へのプレゼントだそうです。
さて、部屋でゆっくり手紙を読むことにします。
侍女にお茶の用意をしてもらい、早速封を切りました。
:
拝啓
取り急ぎ、ご挨拶申します。
丁寧な手紙を頂き感激いたしました。
この度は父の非礼とも言える申し出を受けていただいたそうで、お礼申し上げます。
しかも、このように前向きに私との関係を作ろうとしてくれるなど、感謝の念に堪えません。
父からも手紙でリディアーヌ様の美しさや、人柄の良さを聞き及んでおります。
私はなんとも運のよい男だと、喜んでおりますれば、少しでもあなたに相応しい男になるべく精進しようと、決心したところです。
また私の都合で直ぐにお会いできず、誠に申し訳なく思っておりますが、これからは
お互いの気持ちを通わせるべく、できる限り便りを出す所存でおります……
と、この後も続くんですが、こんな感じでとても気を遣って下さっているお手紙が頂けました。
あちらも親が決めた相手を嫌がってはいなそうで、ホッとしました。
顔も気になりますが、やっぱり性格が良い方が大事ですものね。
これなら、心配はなさそうです。
そして最後に王妃様主催のお茶会について触れていました。
:
父からききましたが、王妃様主催のお茶会があるとの事。
本来ならちゃんと婚約式や陛下へのご報告などを二人揃って行えれば、良かったのですが生憎と後1年はこの国を離れられない事情があり誠に申し訳ない。
あなたに肩身の狭い思いをさせる事がとても心苦しい。
もしもの時の為に私の友人によろしく頼むと手紙を送っておりますのできっとお役にはたつと思います。
無事に終わる事を祈って…
そうでした、子爵様にお会いした時も最後にその話をしたのですよね。
王妃様は事情を察して下さるだろうけど、うるさい噂雀どもがいっぱいいるだろうと…
本当は噂雀って言うのは町でお金を貰って噂を広める人の事らしいけど、若い令嬢達の間では、噂話を聞いて、しゃべって大騒ぎしている若い令嬢達の比喩としても使うのだ。
私の周りにも噂好きの令嬢は多いのです。
子爵様やテオバルド様はその事を気にしてくださっているのだろう。
でも友人って男の人?
お茶会は令嬢たちが主な招待客だ。
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それとも女の方なのかしら?
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