知らないけど、知ってる【顔も知らない旦那様改定版】

ゆうゆう

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少し暑く感じる程の良い天気…
爽やかな風がそよぐととても気持ちがいい。

芝の緑は青々として、色とりどりの花ばなは咲きみだれています。

庭園の中央に大きなタープテントがいくつも設置され、そこには周りの花にも負けないくらい華やかなドレスの令嬢達がいくつもの輪を作りおしゃべりをしている。


その両側には小さめのテントがありお茶やお菓子軽食の準備をしている者たちが忙しく動いている。

「まだ、始まりの時間には早いのにもう騒いでいるのね」

そんな庭園の様子を眺めていると隣でルビアが胸元を扇子で扇ぎながら言います。

「ほんと… 王妃様の登場まで、まだ結構時間はあるのに…
あんなに張り切ったら疲れるだろうにね」

私達は庭園を見渡せるバルコニーにいた。
ここから階段で会場の庭園に出られる。

すでに会場にいる、噂雀…もといお喋り令嬢たちは招待客の1/3くらい。
もうすでに噂話に花を咲かせて、愉しそうだ。
人の不幸は蜜の味…
興味本位に面白がり騒ぐのが何より大好きで令嬢とは名ばかりで品のないことだ。

あまり関わりたくないけど、今日は私の話をネタにしたいでしょうね。


そして私達がいるバルコニーに続く休憩用の控えの間でゆっくり座って時間の調整をしている令嬢たちが残りの方々です。

控えの間にいる令嬢の半分くらいは顔見知りです。
本当は気になっているかもしれませんが、皆さん私に気を遣って結婚の話は聞いてはきません。

私とルビアは当たり障りのない会話や挨拶を交わしてバルコニーに出てきた所なのです。


「もうすぐあの中へ入って行くと思うと、ちょっと憂鬱だわ」

「あら? リディアーヌらしくないわよ。
当たり障りのない程度に本当の事を言ってあげなさい。
確かに特殊は例だけど、おめでたい事には変わりないじゃない。
誰かの婚約者を取った訳でも、既婚者と遊んじゃった訳でもないのだから、あなたの評価を落とす事にはならない筈よ」

ルビアはわたしの肩を抱きながら、勇気付けてくれました。

そうよね。
私らしくない、堂々としていよう。



        :



「今日はよくきてくれた。
若いそなた達の話を聞く機会は私にとってもとても有意義な時間となるだろう。
そなた達もこのひとときを楽しんでいってくれ」

王妃様からのお言葉を頂き、皆一様にかしこまっている。

さすがのお喋り令嬢たちも王妃様の前では猫をかぶり大人しい。
私とルビアはバルコニーから様子を見ていて、王妃様の到着ギリギリに会場に足を踏み入れたので、彼女たちはまだ私に気付いていなかった。

王妃様用のテーブルの周りにいくつかの円卓が配されている。
席は決められていて、同じ位の家格でテーブルが分かれている為、私の席の円卓には同じ伯爵家の令嬢が6、7人いる。
皆知り合いで半分は親しく付き合いのある令嬢だった。

王妃の挨拶が終わると一斉にお茶が配られた。

そして少しすると数人ごとに王妃様のもとに挨拶に行く。


私達は順番が回ってくるまで、各々お茶を飲みお喋りをしながら待っている。

「あ、あの私、リディアーヌ様に確認したいことがありますの。
お伺いしてもよろしいかしら?」

右隣にいたミンティア伯爵家のナーディア様が意を決したように聞いてきました。

ナディア様の隣にいるガロデア伯爵家のソフィア様も興味津々な事を隠す事なく、目を輝かせて私を凝視しています。

私はニッコリ笑ってこちらから切り出します。
「もしかして、私の結婚についてでしょうか?」

私が自らこう切り出すとは思わなかったのか、回りのテーブルまでざわめきが広がりました。
令嬢たちが息を飲むようにこちらに集中したのがわかりました。
隣や後ろのテーブルからも視線を感じます。

そう大きな声は出してないのに、皆耳がいいのね。

この状況は苦笑いするしかありません。


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