知らないけど、知ってる【顔も知らない旦那様改定版】

ゆうゆう

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私は社交界でこの羽飾りが受け入れられる事を確信しました。
そして、その為には絶対お母様の力が不可欠です。

「お母様、今度の夜会にこの羽飾りを付けて行きませんか?
お母様が付けてくだされば、すぐに注目されますし、人気も出ます」

お母様は社交界の花と呼ばれ、一目置かれる存在です。
そしておしゃれ上手として有名なのです。

「あら?
リディも一緒に付けて行くでしょう?」

「はい、お供いたしますので、是非私の商品を宣伝してくださいお母様」

苦手な社交だけれど、今回は頑張ってこの羽飾りをアピールしないと。

 
「社交嫌いなリディが珍しいわね。
そうだわ、ちょうど今夜、私が招待を受けている侯爵家主催の夜会があるから、一緒に行きましょう。ね?」

今夜… いきなりですが腹をくくりました。


早速、お母様と着ていくドレスなどを決めていきます。

お母様も私の見せた髪飾りを中心にドレスを変更するようです。

侍女たちも呼んでいっきに大忙しになりました。


お母様が選んだ髪飾りは黄色の羽根を主体に少し白の羽根をアクセントにしているもので造花と組み合わせて作ったものでした。
羽自体は小ぶりな物ですが、とても綺麗な黄色い羽とよく見ると虹色に光る白い羽なのです。
造花は白いユリの様な花と回りに小さくて繊細な黄色い花を幾つかまとめて羽の根本につけています。
この造花もメルビがとても精巧に美しく作り上げた自信作です。


お母様は赤いドレスの予定だったのですが、薄紫と白のドレスに変えられ、ウエスト辺りの左側に薄黄色のリボンをあしらってポイントにされています。

ここで同色の黄色のドレスを選ばないのがさすがおしゃれ上級者です。


宝石はきれいなレモン色のイエローサファイアとダイヤを使ったイヤリングと首飾りにしたようです。

私は、テオバルド様が贈ってくれたサファイアとダイヤのイヤリングとネックレスを付けるつもりで、ドレスを選びます。

お母様曰くブルー系のドレスだと、ネックレスや髪飾りが目立たないとのこと。

そこでお母様はクリーム色と薄いオレンジ色のドレス2着を候補に選んできました。
どちらも素敵ですが、ドレスのデザインでオレンジを選びました。
オレンジのドレスの方がAラインのスッキリとしたものでわたしの好みに合いました。
スカート部分は白い生地の上にオレンジ色の透ける薄い生地が重なっている感じがとても素敵だと思いました。

オレンジと青と聞くと奇抜ですが、とても淡いパステルオレンジなので派手ではありません。

そこに私の作った髪飾りですが
濃い鮮やかな青の羽根と水色の薄い青色の産毛の様な羽根を使っていて、大きめの青いガラスで作った三日月をあしらった髪飾りです。

私の渾身のデザインですが、どう評価されるか楽しみです。

私は鏡に映る自分を見ながら
、テオバルド様の事を想います。
この頃、綺麗に着飾った私を見て欲しいと言う欲求が出てきてしまっているのです。

テオバルド様が贈ってくれたこの深い青色の宝石。
きっとこれは、テオバルド様の瞳の様な色なのでしょう。

いつかこの旦那様の瞳の色の宝石を付けて、あなたの為だけに着飾ってみたいです。



        :




お母様と馬車に揺られて、今日の夜会会場である、プルミエル侯爵邸に向かいます。



プルミエル侯爵邸に到着して、会場に入って行くと、皆さんの視線が降り注ぎます。

ドレス、宝石、そして今流行りの羽根飾りを品評されているのでしょう。

でも…悪くない感触ですね。
鋭い視線ではなく、羨望というか熱い視線と感じます。

まず、お母様とプルミエル夫妻の所へご挨拶にいきました。

「プルミエル侯爵、侯爵夫人
本日はお招き頂きましてありがとうございます。
娘がちょうど領地より戻って参りましたので、連れて参りましたの」
お母様が私を連れてきた事をおふたりに告げます。

「侯爵様、マリエンヌ様、お久しぶりでごさいます。
本日は母に誘われて、お邪魔いたしました」

「ようこそ、おふたりとも今夜は一段とお綺麗ですね」

「エヴァリーヌ様ようこそ、リディアーヌ嬢も久しぶりですね」
とプルミエル侯爵と夫人からご挨拶頂きました。

「ジャルジェ伯爵夫人、私は少し所用で失礼いたしますが妻がお相手を致しますので、是非ごゆっくりお過ごし下さい」

そう言って侯爵が離れたところで、待ち構えていたように、マリエンヌ様が質問してきます。

「ねぇ?エヴァリーヌ様?
先程から、気になっていたのですけれど、その髪飾りどちらのお品ですの?」

「あら?
マリエンヌ様、お目に止まりました?
これはリディアーヌの商会で売り出す予定の髪飾りなのですよ」

「まあリディアーヌ様の?
マルクスでやっている商会でしたかしら?
そちらでお作りになっているの?」

滅茶苦茶食いついてきてくれています。
これは予想以上の反響をもらえるかも!?




         :


 
プルミエル侯爵夫人は、うちへ髪飾りを見に来る約束を取り付けて、とても満足していらっしゃいます。

プルミエル侯爵夫人はお母様と並び社交界でも素敵な着こなしをされることで有名なオピニオンリーダーの1人ですので、私の髪飾りが認められたも同然です。


これでますます自信が出てきました。


夫人との話が一段落したのを機に飲み物を貰いに移動します。
お母様と少し喉を潤しながら、明日以降の予定などを確認して1度お茶会を開こうと言う事になりました。



その後、お母様が親しいご婦人たちを見掛けて、ひとりで話をしに行ってしまうと、知り合いの令嬢たちが集まってきました。

「リディアーヌ様お久しぶりですね。このところ全然夜会でお見かけしませんでしたわね」

「ナンシー様お久しぶりでごさいます。
マルクスの方へ行っていたのですよ」

「リディアーヌ様はご自分で商会をなさっていますものね。
あの…もしかしてその髪飾りも?」

「パトリシア様正解ですわ」
と笑顔で答えると
みんながワアと声をあげます。

余程気になって集まって来たようです。

私は後ろを向いてよく見える様にして説明をします。

「今度私の商会から売り出そうと思っていますのよ」

「リディアーヌ様どうして、こんなに綺麗な色の羽なのですか?
今王都で買えるものはみんなもっと暗い色の物ばかりなんですよ」

「これは、他国から羽を買い付けているのですけど、この羽は染めたりせず、そのままの色なのですよ」

「え?色をつけている訳ではないのですか?」

「ええ?! この色の鳥がいるのですか?」

「「まあ!」」

そうですよね。
この国にはこんなに綺麗な色の鳥はいません。
だから、羽は白や黒、ねずみ色が主流です。
それを染料で無理やり染めているから変に暗い羽になってしまうのね。

「他の色もあるんですよ、近いうちにお茶会を開いてお披露目しようと思ておりますの。
皆さんよろしかったら…」

「「「是非!」」」

あらあら、食いぎみの返事を頂きましたね。

…と言うことで親しい令嬢たちをお茶会に招待する約束をしました。

今日の収穫は充分ですね。



       :


家に帰ってからも、私の髪飾りをみなさんが注目してくれた事や羽の説明を何度も一生懸命した事で興奮がおさまりません。


なんだか、眠れそうにないので、テオバルド様に手紙を書いています。
昼間出したばかりなのに、嬉しすぎて、また書いてしまいました。

だって、旦那さまにすぐに髪飾りの話をしたくなってしまったのですよ。
きっと誉めてくれますよね。


    
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