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その25(おわり)
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「高校の頃から表情のよく変わる犬みたいな奴だと思って可愛がっていたが…まさか大人になって、内気な男になっちまったかと思いきや忠犬な所は変わらねぇし、望月や船守の前じゃ昔の姿に戻るし。結局、笠原は笠原のままだって分かってホッとしたのと同時にやっぱりお前のこと好きだって思っちゃったんだよなぁ」
「好きって……その、どういう意味の好き…っすか?」
いきなり出てきたそれに空かさず問いかければ、先輩は照れたように言った。
「そんなの好きな人に言う好きに決まってんじゃん。この間なんか言うつもりなかったのに酒の勢いで言っちまってすげー後悔した。それもタイミング悪く事務所から呼ばれるし、タイミングの悪いこと悪いこと」
え、まさか、先輩が俺のこと好きって、え?
俺と同じ好きって意味?で、は?
「改めてちゃんと言わせて欲しいんだけど、俺、お前のこと最初はただの後輩として可愛いとしか思ってなかったんだが…この間、再会してお前と過ごすうちに可愛いから愛しいに変わっちまってさぁ、その、好きになっちゃったんだよね。望月や船守にヤキモチ妬くくらいには惚れちゃってんのよ、俺」
「ま、マジですか」
「マジマジ。ついでに今の職場辞めさせて俺の隣において、私生活まで俺と同じところにさせようとまで計画しちゃってるんだけど、どうよ」
「それは凄い、計画ですね」
本当に先輩はやることが凄い。
昔から凄かった気もするけど、ここまでではなかったと思う。
この計画だって、もし俺が先輩を何も思っていなかったり、男同士で好きとかありえないんだけど、とか思っていたら、転職や転居の話が失くなる可能性だって十分に考えられるのに、平然と言ってしまう辺りが本当に凄い。
俺だったらフラれる可能性や気持ち悪がられる可能性が高いから提案も出来ない。
そもそも事務所立ち上げとか出来ないし。
金ないし、気力ないし。
「最初は何となく自分で事務所建てて、高校の頃のメンバー集めて皆で仲良くやれれば良いなぁ、くらいにしか考えてなかったんだが…お前見てたら、お前のためにも立ち上げたいって思ったんだよ。重いだろ?」
「確かに重いと思う人もいると思いますし、やることが凄いなとは思いますけど、俺は」
昔から好きだった先輩にそんなにも思われていることが凄く嬉しい。
「そんな先輩のことも好きですよ」
そう答えれば、先輩から抱き締められた。
見た目よりがっしりとした骨格と筋肉に降れていたら、耳元で。
「知ってたよ。だってお前すげー分かりやすいもん。見られ過ぎて穴開くかと思ってた」
と言われて無自覚に見続けていたことに気付かされた。
確かに部活のときずっと先輩のこと見てたもんな。
「それは…そのすんません」
「ハハハ、別に悪い気しなかったから良いけど。それより俺、お前のこと離す気ないけど、良いよな?」
「離されても困るんで離さないでください」
「りょーかい」
クスクスと笑う先輩の声を聞きながら、これから生活のことを思い浮かべてみた。
望月先輩とふなっちと先輩と同じ事務所で仕事して、皆で飲み会に行ったり、先輩とともに仕事をしたりして楽しい日々が始まるのか。
今のような何の面白味もないただ、目の前にある仕事をこなし、睡眠時間を削る生活からおさらばできるというわけだ。
それは何と幸福なことなのだろうか。
おわり
皆様、沢山の閲覧やお気に入り登録、誠にありがとうございます。
拙いものばかりで不満を与えてしまう結果となってしまいましたら申し訳ありません。
先輩目線の話を書こうと思いましたが、あえてやめて主人公のみの作品と致しました。
もし、少しでも楽しんでくださった方々がいらっしゃれば大変光栄に思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
「好きって……その、どういう意味の好き…っすか?」
いきなり出てきたそれに空かさず問いかければ、先輩は照れたように言った。
「そんなの好きな人に言う好きに決まってんじゃん。この間なんか言うつもりなかったのに酒の勢いで言っちまってすげー後悔した。それもタイミング悪く事務所から呼ばれるし、タイミングの悪いこと悪いこと」
え、まさか、先輩が俺のこと好きって、え?
俺と同じ好きって意味?で、は?
「改めてちゃんと言わせて欲しいんだけど、俺、お前のこと最初はただの後輩として可愛いとしか思ってなかったんだが…この間、再会してお前と過ごすうちに可愛いから愛しいに変わっちまってさぁ、その、好きになっちゃったんだよね。望月や船守にヤキモチ妬くくらいには惚れちゃってんのよ、俺」
「ま、マジですか」
「マジマジ。ついでに今の職場辞めさせて俺の隣において、私生活まで俺と同じところにさせようとまで計画しちゃってるんだけど、どうよ」
「それは凄い、計画ですね」
本当に先輩はやることが凄い。
昔から凄かった気もするけど、ここまでではなかったと思う。
この計画だって、もし俺が先輩を何も思っていなかったり、男同士で好きとかありえないんだけど、とか思っていたら、転職や転居の話が失くなる可能性だって十分に考えられるのに、平然と言ってしまう辺りが本当に凄い。
俺だったらフラれる可能性や気持ち悪がられる可能性が高いから提案も出来ない。
そもそも事務所立ち上げとか出来ないし。
金ないし、気力ないし。
「最初は何となく自分で事務所建てて、高校の頃のメンバー集めて皆で仲良くやれれば良いなぁ、くらいにしか考えてなかったんだが…お前見てたら、お前のためにも立ち上げたいって思ったんだよ。重いだろ?」
「確かに重いと思う人もいると思いますし、やることが凄いなとは思いますけど、俺は」
昔から好きだった先輩にそんなにも思われていることが凄く嬉しい。
「そんな先輩のことも好きですよ」
そう答えれば、先輩から抱き締められた。
見た目よりがっしりとした骨格と筋肉に降れていたら、耳元で。
「知ってたよ。だってお前すげー分かりやすいもん。見られ過ぎて穴開くかと思ってた」
と言われて無自覚に見続けていたことに気付かされた。
確かに部活のときずっと先輩のこと見てたもんな。
「それは…そのすんません」
「ハハハ、別に悪い気しなかったから良いけど。それより俺、お前のこと離す気ないけど、良いよな?」
「離されても困るんで離さないでください」
「りょーかい」
クスクスと笑う先輩の声を聞きながら、これから生活のことを思い浮かべてみた。
望月先輩とふなっちと先輩と同じ事務所で仕事して、皆で飲み会に行ったり、先輩とともに仕事をしたりして楽しい日々が始まるのか。
今のような何の面白味もないただ、目の前にある仕事をこなし、睡眠時間を削る生活からおさらばできるというわけだ。
それは何と幸福なことなのだろうか。
おわり
皆様、沢山の閲覧やお気に入り登録、誠にありがとうございます。
拙いものばかりで不満を与えてしまう結果となってしまいましたら申し訳ありません。
先輩目線の話を書こうと思いましたが、あえてやめて主人公のみの作品と致しました。
もし、少しでも楽しんでくださった方々がいらっしゃれば大変光栄に思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
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