カランコエの咲く所で

mahiro

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今回のヨーゼフの任務は、今いるアンドレ村という今は誰も住んでいない村の建物の修繕で、あと一週間でそれを行わなくてならないが、全く間に合いそうもないのだとか。
確かに周りを見てみると、瓦礫の山だらけで修繕が済んでいる所は見当たらない。
もしかしたら、俺が来る前はもっと酷い状況でこれでもかなり良くなったのかもしれない。


「ヨーゼフも中級試験が近いし、いい加減解除させたいでしょう?」


「させたいですが、それとイヴとの関係性が分かりません」


ゲルハルトとヨーゼフの間に目には見えない火花が散っているように見える。
もしかして、二人とも仲が悪いのだろうか。

ヨーゼフの前にいるのはエリートで自分がなりたい特級に最年少でなれた人物だ。
憧れはするだろうが、近くに居ればいるほどに能力の差を見せつけられて惨めな思いをする。
今回は折角能力が開花し、その存在に近付けたと思ったら能力の制限がかかり前に進めず、悩んでいた所に格好悪い所を見せたくないであろう俺をゲルハルトが連れてきたわけだ。

そう考えると二人が仲悪いのではなくて、俺が現れたことによって今の状況が起きているだけなのかもしれない。


「関係性ねぇ………… それじゃあ軽く説明をしようかな。ヨーゼフはさ、能力が開花したときって雑念なく純粋に『強くなりたい』とか『守りたい』とかそれだけが頭の中になかった?」
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