カランコエの咲く所で

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ゲルハルトの言ったことが本当であった場合、目の前で腕を組みながらこちらを怪しむように見ているエクベルトとその横で俺の方を心配そうに見つめるヨーゼフは偽者であり、俺の作り出した世界に介入してきた人物だということになる。
もしその話が嘘で、俺の側にいて肩を掴みながら彼らを真っ直ぐな瞳で見つめているゲルハルトが偽者である可能性も十分に考えられる。


「エクベルトから聞いても良いけど、ヨーゼフから聞こうかな。ヨーゼフは何が見えた？」


ここで俺たちが見たものと同じであった場合、俺たちと話を合わせるために事実を言ったか、実際に能力を使い、同じ過去を見た可能性がある。
反対に俺が見たものと異なっていた場合、ゲルハルトが嘘をつくために作り出した映像だった可能性がある。
それかやはり二人には能力などなく、仕方なく今二人で考え付いたものを答えである可能性も十分あり得る。


「エクベルト先生と見たのは、瓦礫の山がまるで砂のように崩れていく所でした」


歪みない視線で堂々と答えたヨーゼフに、どうやら二人と同じものを俺たちも見たようだと思った。


「へぇ、そうなんだ。それってどの段階でそうなっていたの？」


目元を弛めず、口角だけ上げたゲルハルトにヨーゼフは少し自信なさげに答えた。


「三人が………去ったタイミングで」