カランコエの咲く所で

mahiro

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ここでゲルハルトのことは俺が守ると言えれば良いのだろうが、そんなこと言えない自分が辛い。
今の俺は手も小さければ背も小さく、ヨーゼフのときと違って盾にもなりやしない。


「俺ばっかり守られてばかりで、ごめん。俺に何か出来ることがあれば何でも言ってくれ」


目の前にあるゲルハルトの肩に額をつけて言えば、左耳に微かに笑ったような気配を感じた。


「ホントに?そんなこと言っちゃって良いかな?」


「おい、五歳児に何させる気だ?」


嫌な予感がして慌てて離れれば、目の前には目元を緩ませて俺を見るゲルハルトがいた。


「実年齢は五歳だけど、精神年齢は俺と同じ十八歳でしょう?知らない人が見たらまずいけど、知ってる人に見られても問題ないでしょ」


「問題あるから。そもそも知ってる人なんているのかよ」


「いるよ、エクベルトと村長。あとはヨーゼフかな。ヨーゼフに関しては昔のイヴのことあまり知らないけどね」


「だろうな」


物心つく前に結果的に亡くなっていた人物だし。
ノラン一族が居ないのであれば、優秀な人材ばかりがいる一族にいた『落ちこぼれ』という人物がいたことも知らないだろう。
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