見知らぬ君に触れられない

mahiro

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澄ました顔して俺を見つめるこいつの目は5年前とは違う。
いつも生気を感じられない目でこちらを見ていたのに対し、今は目に輝きがあり、顔色も昔に比べだいぶ良くなっていた。


「モテてしまうのは昔から変わらないかな。あ、でも、最近の方がモテてるかも」   


「あーそうかい」


こいつが昔よりも今の方がモテようがモテまいが心底どうでも良い。
今日はこいつとユーリエを会わせ、こいつの護衛として同席するだけの仕事であって、こいつと対峙することが仕事ではない。
こいつのお望み通り事の終わりまでは同席したわけだし今日は何でも屋に顔を出してから組織に戻るとしよう。


「ねぇ、フレイア」


「もう用事はお互いに済んだだろう?ユーリエは捕えたし、店の回収も粗方済んだ。お前も無傷で済んだことだし、俺はもう戻るぞ」


「ちょっと、私の話を聞きたまえよ」


去ろうとする俺の手を掴もうとファーベルが手を伸ばすが俺はそれを避けた。


「お前もさっさと職場に戻れよ。あ、その服についた香は落としてから戻れよ。大切な仲間が倒れても良いなら話が別だが」


「それはフレイアだって同じでしょ。そのままアリスちゃんに会ったら倒れるよ」


「分かってる」


「本当に分かってる?なら、2人で落としてから戻ろうじゃないか」
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