見知らぬ君に触れられない

mahiro

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結果オーライってなんだよ。
こっちは全然良くない。


「俺は良くない」


「ん?君も私のことが好きだろう?」


「は?」


「まさか自分の気持ちにも気付いてなかったのかい?」


あり得ない、という目で見られ思わず後方に下がろうとするも腰に巻かれている腕が邪魔で下がれない。
というかいつまでこの体勢でいるつもりだ。


「おい、とにかく離れ」


「ないよ。離したら私のこと意識してくれなくなるじゃないか」


十分これでもかと思うくらいに意識してるんだけどな。
昔はここまで意識したことなかったし、この男が俺に興味があるようにも思えなかった。
ただ同じ組織にいて同じ任務をこなすだけの仲間。
パートナーではあったが、それはあくまでビジネスなものであってそれ以上でもそれ以下でもなかった。

それが五年前、崩された。

こいつにとって簡単に捨てられるそんな存在だったと知らされ、傷つかなかったとは言わない。
何も思わなかったとは言えない。

そこに恋心がなかったとも言いきれない。


「………離しても意識するっての。あんなこと言われた後なんだから尚更」


「え?それ、本当かい?」


「あぁ。だから離せ」
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