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男性は仲間を助けて貰えた!と素直にその事実を喜んでいるが、通常こうは行かない。
私の薬を購入したことのある人からすれば、品物に対して抵抗はないだろうが、何も知らない人からすれば怪しい液体を使い、効果のあるように見せかけた。こいつは魔女だ!と言い出すだろう。
以前は薬を悪用するためにしか使ってこなかったから、魔女だの悪女だの言われてもそれが何?としか思ってこなかった。
我ながら使い道が誤っていたし、何をそんなに胸を張っていられたのか謎だ。
「お代をお支払します!おいくらですか?」
ポケットを慌てながら探す男性に、私は左右に首を振った。
「必要ありません。その代わり、ここであったことは全て内緒にしていただきたいのです」
私にとったら薬は確かに価値のあるものだし、値段をつけたら結構な値段がつくだろうが、ここで私と出会ったことやこの薬のことを余所で話される方が私やリリにとって危険なため、そちらの約束の方が重要だ。
「え、それは構いませんが、本当に宜しいですか?」
「はい。ただし、約束は絶対に守ってくださいね」
納得の行かない顔をしながらも、少しずつ回復を見せる仲間の様子に男性は顔を綻ばせ、再び男性を背負って店を出て行った。
それから数時間後、リリとロン、そしてファミリアが店に戻ってきたものの表情は暗いものだった。
私の薬を購入したことのある人からすれば、品物に対して抵抗はないだろうが、何も知らない人からすれば怪しい液体を使い、効果のあるように見せかけた。こいつは魔女だ!と言い出すだろう。
以前は薬を悪用するためにしか使ってこなかったから、魔女だの悪女だの言われてもそれが何?としか思ってこなかった。
我ながら使い道が誤っていたし、何をそんなに胸を張っていられたのか謎だ。
「お代をお支払します!おいくらですか?」
ポケットを慌てながら探す男性に、私は左右に首を振った。
「必要ありません。その代わり、ここであったことは全て内緒にしていただきたいのです」
私にとったら薬は確かに価値のあるものだし、値段をつけたら結構な値段がつくだろうが、ここで私と出会ったことやこの薬のことを余所で話される方が私やリリにとって危険なため、そちらの約束の方が重要だ。
「え、それは構いませんが、本当に宜しいですか?」
「はい。ただし、約束は絶対に守ってくださいね」
納得の行かない顔をしながらも、少しずつ回復を見せる仲間の様子に男性は顔を綻ばせ、再び男性を背負って店を出て行った。
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