新しい道を歩み始めた貴方へ

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「目を開けろ」


エイデンの声と共に目を開けた。
すると、視線の高さがかなり高くなっていた。
いや、これが元の高さか。
１ヶ月以上低い目線で生活していたから、元の目の高さを忘れてしまったな。


「可愛げがなくなったな」


「可愛げって………」


そもそも30代過ぎた男に可愛いはないだろう。
それよりもやっと元の生活に戻れるのか。
嬉しいような寂しいようなだな。
ロジェやエリックたちと行動を共にする生活も今までにない楽しさがあって良かったのだが。
エイデンのお陰でこうして元に戻れたのなら、ロジェたちの所にいる理由がないから………戻らないといけないよな。


「ルイ」


「ん？」


名前を呼ばれて視線を上に向けると、思いの外、側にいたセヴランに驚いた。
さっきはドアの側に立っていたのに、いつの間にこんな側に来たのだろうと視線を彷徨わせていたら、握り締めていた手の上にセヴランの手があった。