きっと、君は知らない

mahiro

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「腹芸よりハードル高いと思わないか?」


周りが服を脱いでいる中でいつまでも脱がずに突っ立っているが俺とアレシアのみ。
それをどうしたものかと悩んでいるフランさん。


「腹芸って何だ?」


「いや、もう腹括ってこれを見せようかってグレイに言ってたんすよ。そしたら風呂行くぞってムシューニさんから声がかかったんです」


あぁ、とフランさんはそう言うと中に入り込んでいくキヨさんとムシューニを見た後、こちらを見た。


「いっそのこと見せるか。いつまでも隠し通せるとも思えないし」


「やっぱりフランさんもそう思います?よっし、ここは開き直って平静を装うぞ!」


そう叫ぶなりアレシアは服を脱ぎ、篭の中へ服を入れて行く。
最終的に全て脱いだときには俺と同等の傷痕が全身にあった。
俺もこう見えるのかと思うと脱ぐのを躊躇う。


「よし、グレイも脱げ」


俺ひとりとか嫌だから!と言いながら服を引っ張り始めるアレシアに俺は必死になって叫んだ。


「いや、やめろ!脱がすな!」


「ここまで逃げるのはなしだぞ!いいから脱げって!」


「嫌だって!」


そうしていたら叫び声が聞こえたのか大浴場に向かっていたはずのムシューニとよりによってキヨさんがセットで戻ってきた。


「うるさい、何騒いでんだ」


「大浴場まで声聞こえてんぞ………って」


2人は俺とアレシア、というよりアレシアにある傷を見て顔色を変えた。
そして、あのときのムシューニのように2人して気を失ったのだった。
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