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良く言えば仲間を信頼して見守っている。
悪く言えば傍観しているとも言う。
と言っても俺が双方に出来ることって何もないんだよな。
話を聞いても聞くことしか出来ないし、何か為になるようなことも言える自身なんてない。
唯一出来ることと言えば、アレシアが制御を失くしたときに怪我をした人を治せるだけか。
その『治せる』能力だって、何処までできるのか分からないけれど。
軽い怪我とかなら治せるけど、命に関わるような怪我はまだ治せないだろう。
「もしさ、俺がグレイの怪我を見ても話を聞いても前世を思い出せなかったらどうしてた?」
「え?」
先輩が思い出さなかったら、俺はほっとしていたかもしれない。
あんなこと思い出さなければ良いって。
「思い出さなくて良かったと安堵していたと思います。あんな記憶、ない方が幸せでしょうから」
「お前ならそう言うと思ったぜ」
先輩は俺の頭を豪快に撫でた。
その手付きが中学時代の頃のそれにそっくりで、あぁ、この人は本当にあの人なんだなぁと感じる。
「お前はそう思うかもしれないが、俺は思い出して良かったって思ってるからな。思い出さなかった方が絶対に辛かったし、全く思い出せなかったら俺が俺を恨んでたと思う。
っとまぁ、俺がそう思うようにショウンさんも自分のこと恨んだりしてんのかなーとか思ってな?」
「そう、ですね」
思い出せない自分を恨む、か。
恨んだところで思い出すわけでもないのに、恨まずにはいられないのか。
悪く言えば傍観しているとも言う。
と言っても俺が双方に出来ることって何もないんだよな。
話を聞いても聞くことしか出来ないし、何か為になるようなことも言える自身なんてない。
唯一出来ることと言えば、アレシアが制御を失くしたときに怪我をした人を治せるだけか。
その『治せる』能力だって、何処までできるのか分からないけれど。
軽い怪我とかなら治せるけど、命に関わるような怪我はまだ治せないだろう。
「もしさ、俺がグレイの怪我を見ても話を聞いても前世を思い出せなかったらどうしてた?」
「え?」
先輩が思い出さなかったら、俺はほっとしていたかもしれない。
あんなこと思い出さなければ良いって。
「思い出さなくて良かったと安堵していたと思います。あんな記憶、ない方が幸せでしょうから」
「お前ならそう言うと思ったぜ」
先輩は俺の頭を豪快に撫でた。
その手付きが中学時代の頃のそれにそっくりで、あぁ、この人は本当にあの人なんだなぁと感じる。
「お前はそう思うかもしれないが、俺は思い出して良かったって思ってるからな。思い出さなかった方が絶対に辛かったし、全く思い出せなかったら俺が俺を恨んでたと思う。
っとまぁ、俺がそう思うようにショウンさんも自分のこと恨んだりしてんのかなーとか思ってな?」
「そう、ですね」
思い出せない自分を恨む、か。
恨んだところで思い出すわけでもないのに、恨まずにはいられないのか。
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