物語なんかじゃない

mahiro

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思えば、ティメオは初めてあの村を出たのだ。
真上に張り付いているような女性たちと関わるのも初めてだっただろうし、料理に何かを仕込まれるという経験など一度もないだろう。
前はそういったことに巻き込まれないよう俺が動いていたから、なおのこと知らなそうだ。

初めてあぁいった接し方をしてきた人たちにどうすれば良いのか戸惑いもあったのかもしれない。


「これくらい大丈夫だ。ティメオ、何か口にしたり、嗅がされたりしなかったか?」


「特にしていないが?」


「なら良い」


テーブルに置かれた料理や服などについた香りなどが身体に害を与えらようなものでなければ良いが。
そこへ上から何やら騒がしい声が聞こえ、俺はティメオを背中に追いやって顔を上げた。


「よぉ、連れが世話になったな。どうだ?天井とお友達になった感想は」


きっと下ろせとか、何してくれてるんだと言いたいのだと思うが、喋ろうとすればするほど重力はまし、天井へとくっついてしまう。
同様に腕や足を動かしても重力が増す。

さっきいた女性スタッフ2人もそうだが、今、俺が触れているこの床だが、ティメオは俺の能力が効かないので普通に立って歩けるし、喋ることも出来ているが、ティメオ以外の人間なら今の彼女たちのように床とは逆の天井側へ重力が向くようにしたのだ。

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