彼が指輪を嵌める理由

mahiro

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その人が誰なのか聞きたいのに、嫌なタイミングで日比野君が戻ってきてしまい、何でこのタイミングなの?!と言いたくなってしまった。


「やっぱりそんなことだと思いましたわ。女性と付き合ってるとかそんな話聞いたことなかったのに、急に指輪なんかし出すから可笑しいと思ってたんすよ」


狙ったかのように入ってきた日比野君は涼しい顔をしながら持ってきたシュガースティックを大量に入れ始めた。


「知ったら茶化すだろ、絶対」


「そりゃあ、当たり前っすわ。んーそれだけじゃ流石につまらないので先輩の好きな人が素敵な人のようなんで?俺もアピールしといても良いかなぁとか思い始めてますけど?」


ニヤニヤと笑い出す日比野君に、苛立ち始める重村さん。
そして話がついていけない私、という構図が出来上がっているわけなんですが、え?もしかして日比野君は重村さんの好きな人知ってるの?
というか重村さん、この話日比野君が戻るまでって話だったのに続行しちゃってるけど、それはそれで良いの?
仕方ない感じですか?


「しなくていい。というか関わるな」


「良いじゃないっすか。どうせそんなことしなきゃお近づきにもなれなかったんすから。本当に先輩ってヘタレっすよね。俺ならあれやこれや言って、接点持って連絡先も何もかも早々にゲットしますけど?どうせ先輩のことですから?連絡先の交換とかその人としてないですよね?」


「うるさいわ」


ふん、と顔を背ける重村さんにそれを見て愉快そうな日比野君に私はどう口を挟めば良いか分からなくなったぞ?
重村さんの反応からして、恐らく日比野君が言ったことは図星なのかもと予想できるけど、まさか重村さんも私のように恋に積極的になれないタイプだなんて予想外だなぁ。
こんな完璧な人なら堂々と口説いたりしても相手は喜ぶだけだろうし、私のようにいちいち悩むことなんてないからこんな悩み持ってないと思ってたのに。
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