幸せの鐘が鳴る

mahiro

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堂々と裏門から入った青年の後を引っ張られる形で城の中に入り込み、迷いなく奥へ奥へと進んでいるのだが、本当にこの青年って何者なんだ。


「な、なぁ、何処まで行くんだ?」


「この部屋です。入ってください」


そう言われて恐る恐る入ってみれば、王女であったアレットが使用していた部屋と同等の部屋の広さできらびやかな家具が並んでいた。


「この部屋は一体……いや、その前に勝手に中に入ってしまったが良いのか?」


「良いんですよ。どうせこの部屋は俺の部屋ですし」


『どうせこの部屋は俺の部屋』………俺の部屋?


「ちょっと待ってくれ。君は一体、何者なんだ?」


「俺ですか?名乗るような者ではないですが……そうですね。一応、この国の王子で、マナ・スワンといいます。といっても、何の力もない俺には王位継承権はありませんし、王子なんて名ばかりで何の権限も持っていないんです」
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