わたしの方が好きでした

リゼは王都で工房を経営する若き経営者だ。日々忙しく過ごしている。

売り上げ以上に気にかかるのは、夫キッドの健康だった。病弱な彼には主夫業を頼むが、無理はさせられない。その分リゼが頑張って生活をカバーしてきた。二人の暮らしでそれが彼女の幸せだった。

「ご主人を甘やかせ過ぎでは?」

周囲の声もある。でも何がいけないのか? キッドのことはもちろん自分が一番わかっている。彼の家蔵の問題もあるが、大丈夫。それが結婚というものだから。リゼは信じている。

彼が体調を崩したことがきっかけで、キッドの世話を頼む看護人を雇い入れことにした。フランという女性で、キッドとは話も合い和気藹々とした様子だ。気の利く彼女にリゼも負担が減りほっと安堵していた。

しかし、自宅の上の階に住む老婦人が忠告する。キッドとフランの仲が普通ではないようだ、と。更に疑いのない真実を突きつけられてしまう。衝撃を受けてうろたえるリゼに老婦人が親切に諭す。

「お別れなさい。あなたのお父様も結婚に反対だった。あなたに相応しくない人よ」

そこへ偶然、老婦人の甥という紳士が現れた。

「エル、リゼを助けてあげて頂戴」

リゼはエルと共にキッドとフランに対峙することになる。そこでは夫の信じられない企みが発覚して———————。


『夫が不良債権のようです〜愛して尽して失った。わたしの末路〜』から改題しました。



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