22 / 83
22
幸せオーラを全身に纏ったエディスに、思わず顔を引きつらせた。
「ノエリア王子喜んだみたいで、良かったじゃん」
「うん!これもミュライユちゃんのお陰だよ。ありがとう。気持ちを込めて手紙を書くなんて初めてで緊張したけど、あんなに喜んで貰えるなんて思わなかったよ」
満面の笑みを惜し気もなく振り撒くエディスを見ながら、さぞかしノエリア王子の表情は弛んだのだろうなと容易く想像できる。
「いつ式は挙げるんだ?」
「あのね…色々準備があるから3か月後っていう話だよ」
「3ヶ月か」
その頃には確実にこの国にはいないな。
戻ってきても良いかもしれないが、結構広い国だから外の国々からも様々な人々が来るだろうし、近寄らない方が良いだろう。
もしかしたら私がいた国や私が悪事を起こした国の人たちも来るかもしれないし。
「ミュライユちゃんもお手伝いしてね!」
「………は?」
「え?」
今何と言いましたか?
周りに花を飛ばしてそうな人は。
私に手伝えと言わなかったか?
「手伝いって、私はもう旅に戻るぞ?ここにいても稼げないしな」
「え、歌えないから?!じゃ、じゃあ、結婚式で歌えばお金になる?!」
「いや、私、結婚式で歌うような曲知らないし、歌えないから」
誰が来るか分からない所で歌うなんて無理だし。
「場所の提供とかお金を払おうとか考えなくて良いから。その分、宿泊代もなく温かいご飯とお風呂まで借りちゃったしこれで十分と言うかお釣りがたんまり出たくらいだよ」
「それくらい当たり前だよ!ねぇ、どうしても旅に出ないといけないの?」
先程とはうって変わって悲しげな表情を浮かべるエディスに、何と答えるか迷う。
私の旅は特に行く先があるわけではない。
ここでの生活も数日間させて貰ったが、特に嫌な思いもせずに暮らせている。
なら、エディスが飽きるまでここで働いても良いのでは、と思うのと。
ルネ王子に言えなかった言葉を歌にした曲は、もう何度も形にしてきた。
もう、それも止めて新しいことを初めて良いタイミングなのかもしれないという考えもここ数日出てきたりもしていた。
「別に、旅も絶対じゃないし歌も稼ぐために必要だから歌っていただけで、何がなんでもって訳じゃない」
「なら、エディスの世話係としてここで働け」
急にエディスの声とは異なる声が聞こえて振り返れば、いつもの怖い表情とは違い、無表情で私とエディスを腕を組みながら壁に寄りかかるノエリア王子が斜め後ろにいた。
「ノエリア王子喜んだみたいで、良かったじゃん」
「うん!これもミュライユちゃんのお陰だよ。ありがとう。気持ちを込めて手紙を書くなんて初めてで緊張したけど、あんなに喜んで貰えるなんて思わなかったよ」
満面の笑みを惜し気もなく振り撒くエディスを見ながら、さぞかしノエリア王子の表情は弛んだのだろうなと容易く想像できる。
「いつ式は挙げるんだ?」
「あのね…色々準備があるから3か月後っていう話だよ」
「3ヶ月か」
その頃には確実にこの国にはいないな。
戻ってきても良いかもしれないが、結構広い国だから外の国々からも様々な人々が来るだろうし、近寄らない方が良いだろう。
もしかしたら私がいた国や私が悪事を起こした国の人たちも来るかもしれないし。
「ミュライユちゃんもお手伝いしてね!」
「………は?」
「え?」
今何と言いましたか?
周りに花を飛ばしてそうな人は。
私に手伝えと言わなかったか?
「手伝いって、私はもう旅に戻るぞ?ここにいても稼げないしな」
「え、歌えないから?!じゃ、じゃあ、結婚式で歌えばお金になる?!」
「いや、私、結婚式で歌うような曲知らないし、歌えないから」
誰が来るか分からない所で歌うなんて無理だし。
「場所の提供とかお金を払おうとか考えなくて良いから。その分、宿泊代もなく温かいご飯とお風呂まで借りちゃったしこれで十分と言うかお釣りがたんまり出たくらいだよ」
「それくらい当たり前だよ!ねぇ、どうしても旅に出ないといけないの?」
先程とはうって変わって悲しげな表情を浮かべるエディスに、何と答えるか迷う。
私の旅は特に行く先があるわけではない。
ここでの生活も数日間させて貰ったが、特に嫌な思いもせずに暮らせている。
なら、エディスが飽きるまでここで働いても良いのでは、と思うのと。
ルネ王子に言えなかった言葉を歌にした曲は、もう何度も形にしてきた。
もう、それも止めて新しいことを初めて良いタイミングなのかもしれないという考えもここ数日出てきたりもしていた。
「別に、旅も絶対じゃないし歌も稼ぐために必要だから歌っていただけで、何がなんでもって訳じゃない」
「なら、エディスの世話係としてここで働け」
急にエディスの声とは異なる声が聞こえて振り返れば、いつもの怖い表情とは違い、無表情で私とエディスを腕を組みながら壁に寄りかかるノエリア王子が斜め後ろにいた。
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。