雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。

入海月子

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【オフィス編】

後片づけ?①

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「はああ~、食べたぁ。美味しかった~」

 私は幸福感に満たされて、溜め息をついた。
 こんなに美味しいもので満腹なんて、本当に贅沢。
 進藤も満足そうにニコニコしている。
 
 ちょこっと休んだら、お皿を重ねて、片づけ始める。
 乾くとカピカピになっちゃうし、ね。

「あぁ、いいよ。片づけはやっとくから、休んでな」
「そういうわけにはいかないわよ」

 上げ膳据え膳なんて、居心地が悪くて嫌だ。
 お皿を台所に持っていくと、進藤が腕をまくった。

「じゃあ、俺が洗うから、夏希は拭いてくれ」
「わかった」

 渡された布巾を持って待機していると、進藤がにまにま笑った。

「なに?」
「いや、こうしてるとさ~」
「ん?」
「なんでもない」

 顔を赤らめて、手元に目線を落とすヤツは意味不明だ。
 でも、機嫌よさそうにお皿を洗っているから、実は洗い物が好きなのかもしれない。

(いい旦那さんになりそうだなぁ)

 妹がいるからか、面倒見もいいし。
 あれ? お兄ちゃんもいるって言ってたかも。
 まぁ、私には関係ないけど。

「ねぇ、このお皿ってここにしまえばいいの?」
「そう、そこ」

 拭いたお皿を重ね、食器棚を見ると、空いている部分を見つけた。進藤がうなずく。
 
「これは?」
「その上」

 言われた場所は、手を伸ばしてぎりぎりのところで、私が背伸びして入れようとしていたら、後ろから食器を奪われ、しまわれた。
 それはいいんだけど、背中にぴったりと進藤がくっついたままだ。

「ありがと……?」

 振り返ると、いきなり唇を塞がれた。

「んっ、んん!?」

(なにすんのよ!)
 
 離れようとするけど、後頭部を押さえられ、舌を絡められ、身体はキッチン台と進藤に挟まれて、身動き取れない。しかも、右手はさわさわと胸を撫でてきた。

(進藤の病気がまた始まった……)

 さっきもしたのに、もうムラムラが復活したのかしら?

 くちゅくちゅと舌を擦り合わされて、胸の先端を摘まれると下腹部がずくんと疼く。
 円を描くように私の身体を撫でながら下りてきた手がスカートの中に入ってきた。
 パンツは洗濯中だから、なにも履いてなくて、直接ヤツの手が肌に触れる。
 その感触を感じたのか、進藤がふっと笑った。
 指先がすりすりと敏感な尖りをさする。
 
「ん、だめっ!」

 強引に口を離して、その手を掴んだ。

「なんで? もうこんなに濡れてるのに?」

 指が割れ目を辿って、ピクリと身体を震わせてしまう。
 でも、その質問の答えは用意してある。
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