全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第一章 ― 優 ―

なんか新鮮だな④

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 その日は、同好会のメンバーが全員集まって、写真の話になったから、初めてちゃんと同好会活動っぽい。
 「すこーい、キレイ!」と真奈美先輩が私の写真を褒めてくれて、うれしかった。

「そういえば、先生、このパソコンってネットに繋いでいいんですか?」
「あぁ、いいよ。WiFiに自動接続になっているはずだ」
「わぁ、便利! 遥斗先輩も調べものに使ったら?」
「特に調べるものはない」
「でも、画家の絵とか技法とか調べたくなりません? あと描いてみたい景色とか」

 遥斗先輩が図書館でそうした本を借りているらしいことは、そこに置いてあるから知っている。

「……その観点はなかったな」

 ぼそりと言って、遥斗先輩がこちらに目を向けた。
 ちょっと興味が出てきたみたいだ。
 
「今、どんな展覧会が来ているかも見られますよ、このサイトで。あ、上野にマネが来てるんだ」
「へー、いろんな展覧会があるのね」

 真奈美先輩がパソコンを覗き込むと、遥斗先輩もパソコンを覗いてきた。

「思ったより絵の解説があるんだな」

 上野の美術館のホームページをスクロールしながら、遥斗先輩がつぶやいた。

「展覧会に興味があるなら割引券とか招待券とかありますよ?」
「佐伯は絵も好きなのか?」

 遥斗先輩がちょっと考え込んだところで、和田先生が聞いてきた。

「はい、描けないけど見るのは好きです。叔父さんがギャラリーをやっているから、美術館の招待券とかよくもらって、昔から絵は結構見ているんです。写真もですけど」
「写真を始めたのはその叔父さんの影響なのか?」
「そうですねー。叔父さんのギャラリーでやっていた写真展ですごく好きな作品があったんです。私もあんな写真を撮りたいと思って」
「そうか、頑張れよ」

 和田先生がそう言ってくれる。
 私は笑顔で頷いた。

 そのあと、真奈美先輩を残して、和田先生と私は部室を出た。

「佐伯、ちょっとだけいいか?」
「はい」

 先生が廊下で立ち止まったので、私も立ち止まる。
 ちょうど運動部の部室のエリアで、部活動の真っ最中のこの時間は、人気がなかった。

「………遥斗は佐伯が思っている以上に金がないんだ」
「え?」
「展覧会の入場料どころか、そこに行く交通費も下手したら出せない」
「え……。でも、バイトしているって」
「それでも、食費や生活用品で消えていくだろう」

 都内に行くのは電車で数百円しかかからない。それでも……?
 あ、ご飯がないって、買えないってことでもあるのか……。
 そう思うと、さっきの話題は遥斗先輩にとっては残酷だったのかな。
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