全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第一章 ― 優 ―

またやっちゃった②

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「あ、やばい。行かなきゃ。お弁当ここに置いておきますね。ネットでいろいろ調べてみてください」

 後ろ髪を引かれる気持ちだったけどしょうがない。帰りにもっとちゃんと話そう。

 私は急いで教室に向かった。



 その日は授業を受けていても、遥斗先輩の拒絶の表情を思い出してしまって、暗い気持ちになり、集中できなかった。

 私、またやり過ぎちゃったのかな……。
 施すとかいう気持ちは全然なかったのに。
 好きな絵で稼げるようになったらいいと思っただけなのにな。
 この気持ちをどう言えばわかってもらえるかな。

 ぐるぐる頭の中で同じ思考を繰り返す。


 お昼休みも菜摘ちゃんたちに心配されてしまった。

「優、今日はずっと元気なくない?」
「うん……ちょっとね」
「なに、また遥斗先輩のこと?」
「なんでわかったの!?」

 なにも言っていないのに当てられて、私は思わず目を上げた。
 菜摘ちゃんたちは苦笑している。

「わかるわよ。だって、最近優は遥斗先輩のことしか話していないもん」
「すっかり遥斗先輩に夢中よね?」
「そんなんじゃないから! そういう言い方は誤解を招くよ。単に毎日会ってるから話題が多くなるだけだって」

 そう言われて、反論しながらも動揺する。
 そんなに遥斗先輩のことをしゃべっていたかな? いたかも……。

 私は赤くなった。
 指摘されると恥ずかしい。

「で、今度はなんなの?」

 さやちゃんが身を乗り出す。

 頭の中にまた、冷たく強張った遥斗先輩の綺麗な顔が浮かぶ。

「ちょっと……いき違いがあって、ね」
「いき違い?」
「そう。それを帰りにちゃんと説明するつもりなんだけど、わかってもらえるかなーと思って」
「そうなんだー。詳しいことはわからないけど、優が遥斗先輩を一生懸命なんとかしてあげようとしてるのは伝わってると思うから、なんとかなるんじゃない?」
「そうかな……」

 まさに、それが先輩を怒らせてる気がするんだけど。
 重い? 煩わしい? 迷惑?
 迷惑は前に言われたよね。
 でも、今回のは前とニュアンスが違う気がする。
 それでも私はなんとかしたい。
 おせっかいなんだからしょうがない。

 私は考えを振り払うように首を振って、話題を変えた。

「そういえば、こないださー」

 考えるのは、帰りに遥斗先輩と話してからにしよう。
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