53 / 171
第一章 ― 優 ―
またやっちゃった②
しおりを挟む
「あ、やばい。行かなきゃ。お弁当ここに置いておきますね。ネットでいろいろ調べてみてください」
後ろ髪を引かれる気持ちだったけどしょうがない。帰りにもっとちゃんと話そう。
私は急いで教室に向かった。
その日は授業を受けていても、遥斗先輩の拒絶の表情を思い出してしまって、暗い気持ちになり、集中できなかった。
私、またやり過ぎちゃったのかな……。
施すとかいう気持ちは全然なかったのに。
好きな絵で稼げるようになったらいいと思っただけなのにな。
この気持ちをどう言えばわかってもらえるかな。
ぐるぐる頭の中で同じ思考を繰り返す。
お昼休みも菜摘ちゃんたちに心配されてしまった。
「優、今日はずっと元気なくない?」
「うん……ちょっとね」
「なに、また遥斗先輩のこと?」
「なんでわかったの!?」
なにも言っていないのに当てられて、私は思わず目を上げた。
菜摘ちゃんたちは苦笑している。
「わかるわよ。だって、最近優は遥斗先輩のことしか話していないもん」
「すっかり遥斗先輩に夢中よね?」
「そんなんじゃないから! そういう言い方は誤解を招くよ。単に毎日会ってるから話題が多くなるだけだって」
そう言われて、反論しながらも動揺する。
そんなに遥斗先輩のことをしゃべっていたかな? いたかも……。
私は赤くなった。
指摘されると恥ずかしい。
「で、今度はなんなの?」
さやちゃんが身を乗り出す。
頭の中にまた、冷たく強張った遥斗先輩の綺麗な顔が浮かぶ。
「ちょっと……いき違いがあって、ね」
「いき違い?」
「そう。それを帰りにちゃんと説明するつもりなんだけど、わかってもらえるかなーと思って」
「そうなんだー。詳しいことはわからないけど、優が遥斗先輩を一生懸命なんとかしてあげようとしてるのは伝わってると思うから、なんとかなるんじゃない?」
「そうかな……」
まさに、それが先輩を怒らせてる気がするんだけど。
重い? 煩わしい? 迷惑?
迷惑は前に言われたよね。
でも、今回のは前とニュアンスが違う気がする。
それでも私はなんとかしたい。
おせっかいなんだからしょうがない。
私は考えを振り払うように首を振って、話題を変えた。
「そういえば、こないださー」
考えるのは、帰りに遥斗先輩と話してからにしよう。
後ろ髪を引かれる気持ちだったけどしょうがない。帰りにもっとちゃんと話そう。
私は急いで教室に向かった。
その日は授業を受けていても、遥斗先輩の拒絶の表情を思い出してしまって、暗い気持ちになり、集中できなかった。
私、またやり過ぎちゃったのかな……。
施すとかいう気持ちは全然なかったのに。
好きな絵で稼げるようになったらいいと思っただけなのにな。
この気持ちをどう言えばわかってもらえるかな。
ぐるぐる頭の中で同じ思考を繰り返す。
お昼休みも菜摘ちゃんたちに心配されてしまった。
「優、今日はずっと元気なくない?」
「うん……ちょっとね」
「なに、また遥斗先輩のこと?」
「なんでわかったの!?」
なにも言っていないのに当てられて、私は思わず目を上げた。
菜摘ちゃんたちは苦笑している。
「わかるわよ。だって、最近優は遥斗先輩のことしか話していないもん」
「すっかり遥斗先輩に夢中よね?」
「そんなんじゃないから! そういう言い方は誤解を招くよ。単に毎日会ってるから話題が多くなるだけだって」
そう言われて、反論しながらも動揺する。
そんなに遥斗先輩のことをしゃべっていたかな? いたかも……。
私は赤くなった。
指摘されると恥ずかしい。
「で、今度はなんなの?」
さやちゃんが身を乗り出す。
頭の中にまた、冷たく強張った遥斗先輩の綺麗な顔が浮かぶ。
「ちょっと……いき違いがあって、ね」
「いき違い?」
「そう。それを帰りにちゃんと説明するつもりなんだけど、わかってもらえるかなーと思って」
「そうなんだー。詳しいことはわからないけど、優が遥斗先輩を一生懸命なんとかしてあげようとしてるのは伝わってると思うから、なんとかなるんじゃない?」
「そうかな……」
まさに、それが先輩を怒らせてる気がするんだけど。
重い? 煩わしい? 迷惑?
迷惑は前に言われたよね。
でも、今回のは前とニュアンスが違う気がする。
それでも私はなんとかしたい。
おせっかいなんだからしょうがない。
私は考えを振り払うように首を振って、話題を変えた。
「そういえば、こないださー」
考えるのは、帰りに遥斗先輩と話してからにしよう。
0
あなたにおすすめの小説
美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~
root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。
そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。
すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。
それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。
やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」
美人生徒会長の頼み、断れるわけがない!
でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。
※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。
※他のサイトにも投稿しています。
イラスト:siroma様
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる